【感想】炎の色 下

ピエール ルメートル, 平岡 敦 / ハヤカワ・ミステリ文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
3
10
3
2
0

ブクログレビュー

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  • コルベット

    コルベット

    やられたらやりかえす。

    半沢直樹ばりの倍返し
    ですね。

    権勢を誇るもつかの間、

    チンピラどものあっけ
    ない三日天下。

    名家の長女を舐めたら
    いかんぜよ。

    と、マドレーヌ演じる
    は夏目雅子さん

    鬼龍院花子ばりの任侠
    ドラマ・・・

    では全くありませんが
    私の脳内変換はそんな
    感じです(笑

    時代や国やら違えども、

    男性はけっきょく金と
    女と権勢欲なんですね。

    そしてあざとい女性に
    してやられるのでした。
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    投稿日:2024.04.22

  • キムチ27

    キムチ27

    見事な着地、ポール中心のストーリー展開、1930年代の
    欧州の空気感が良く表れている。
    どこの国もつまるところ、金、女と権勢欲。
    よくも悪くも【これがフランス】って言うのを味わえる。
    映画にも小説にも最適の素材づくめ。

    ポールを取り巻く、歌姫ソランジュ、ヴラディの最期はストンと納得を。
    やせぎすのアクセサリーづくめの美女より、肥満体のおおらかな性格の勝利っていうのは面白い。
    この時代のプロパガンダの常軌を逸した盛り上がりが感じられ、ポールはもとより、ソランジェの描かれ方もなかなかひと方ならない。
    シュトラウス(ワグナーではなく)にはまっていく彼女、当初はナチズムへの傾倒がどこまで行くのか見者だったが、大陸列車の中での彼女の脳裏・・まさにリアル感があり、重厚な終焉。

    レオンス、アンドレの小物は右顧左眄する様はまさに喜劇・・アンドレのざまはジャニー●●を彷彿とさせ嫌悪の極みだったけど。
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    投稿日:2023.09.29

  • じゅう

    じゅう

    フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇作品『炎の色〈上〉〈下〉(原題:Couleurs de l'incendie)』を読みました。
    『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』、『監禁面接』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    1927年2月、パリ。
    一大帝国を築いた実業家の葬儀が粛々と進んでいた。
    しかし出棺のとき、思いがけない悲劇が起きる。
    故人の孫、七歳のポールが三階の窓から落ちたのだ。
    故人の長女マドレーヌは亡父の地位と財産を相続したものの、息子の看護に追われる日々を送る。
    しかし、そのあいだに、彼女を陥れる陰謀が着々と進んでいた…。

    ゴンクール賞および英国推理作家協会賞を受賞した『天国でまた会おう』待望の続篇登場!

    〈下〉
    奸計により、亡父が遺した資産も邸宅も失ったマドレーヌは、小さいアパルトマンで細々と暮らしていた。
    一方、彼女を裏切った者たちは、それぞれ成功への道を歩んでいた。
    そして、マドレーヌは復讐することを決意する―。

    ヨーロッパでファシズムが台頭しつつある1930年代、新たな戦争の影がしのびよるパリでくりひろげられる、息もつかせぬ復讐譚。
    『その女アレックス』著者による、『天国でまた会おう』三部作の第二巻。
    -----------------------

    2018年(平成30年)に刊行された、災厄の子供たち三部作の第2作… 第一次世界大戦後のフランスを舞台に描いた文芸作品で、7年前に読んだ『天国でまた会おう』の続篇です。

    1927年(昭和2年)2月、パリ… 一大帝国を築き上げた実業家マルセル・ペリクールが死んだ、、、

    その長女マドレーヌ・ペリクールは、幼い一人息子ポールとともに、父の莫大な遺産を受け継いだ… しかし、事故に遭ったポールの看護に努める彼女は、自らを取り囲む悪意に気づかなかった―。

    やがて裏切りと詭計により地位も資産も失った彼女は、復讐を決意する! ファシズムの足音が聞こえる第二次世界大戦前のパリを舞台に展開する息もつかせぬ群像劇。

    信じていた仲間に裏切られ、どん底に陥れられたマドレーヌ・ペリクールの怒濤の復讐劇を描いた作品… 自分を裏切った者たちを罠に陥れ、淡々と復讐していく展開がリズムよく描かれていましたね、、、

    騙されるマドレーヌの方にも問題はあったかなー と感じて、序盤は感情移入し難かったのですが… 仲間の裏切りも酷いですからねー 復讐劇が進んでいくうちに、いつの間にか気持ちがマドレーヌたち(息子のポール、看護師ヴラディ、協力者のデュプレ含む)にシンクロしていましたね。

    どんでん返しはなく、悪役がわかりやすい勧善懲悪のエンターテイメント作品でしたね… 前作にも登場したデュプレの活躍や、車椅子の少年ポールと母国語しか喋れないポーランド人看護師ヴラディのユーモア溢れるやりとり等も印象的でした。

    続篇も機会があれば、読んでみたいですね。
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    投稿日:2023.08.20

  • kemukemu

    kemukemu

    「天国でまた会おう」三部作の第二部「炎の色」は、復讐劇の王道を行く痛快な物語。

    始まってしばらく、上巻はとにかくひどい奴ばかりで、腹が立って読めなくなるほど。
    主役のマドレーヌも、いまいちはっきりしないキャラで感情移入できないし……。
    ところが、後半に復讐劇が始まると、がぜん面白くなって、まんまと楽しんでしまった。

    前作「天国で…」はミステリーではなく文学作品?とされており、戦争で負って変わってしまった帰還兵の体と心の闇を、「顔のけが」「仮面」など暗示的でもあり、エドゥアールの最後も何かしらのメッセージが託されているような気にさせるものであった。
    本作の「炎の色」では、一部の登場人物が引き継がれているものの、大筋は「復讐劇」であり、しかも、ラブロマンスありサスペンスありでエンターテインメントに富んだ物語として、一気に楽しんだ。

    どうやらこのシリーズは「前半の我慢」が「後半の快楽」につながると信じて読むことが、求められているかも……。

    本作も前作同様、エピローグにて登場人物のその後が記されて、いったん物語自体は終わりとされている。

    では第三部「われらが痛みの鏡」は?
    じゃあ読もう。
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    投稿日:2023.03.16

  • ykikuchi

    ykikuchi

    父が残した資産、邸宅を失ったマドレーヌが、彼女を裏切った人たちに復讐することを決意する。隣国ドイツでは、ヒトラーが首相となりファシズムが台頭する時代ならではの展開に、手に汗握る。当時のフランス史を知っていれば、より楽しめる作品。
    ポール・ペリクールとオペラ歌手ソランジュ・ガリナートとの交流が印象に残る。
    本書で初めて知った日本語がある。「身罷る(みまかる)」という言葉。久しぶりに国語辞典を手にした。
    三部作の第二部が本書、第三部『われらが痛みの鏡』を早速読み始めよう。
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    投稿日:2022.07.18

  • fattycatlover

    fattycatlover

    このレビューはネタバレを含みます

    (上巻より)

    とはいえ、騙されて財産を失い、
    息子を傷つけられ車椅子生活になってしまったことを恨み、
    復讐をすることを決意するマドレーヌ。

    元夫の部下を金で雇うだけでなく、
    マドレーヌ自身も危ない橋を渡り、
    三人の男たちと一人の女性に
    (前作と違って)見事に復讐が果せて良かった。
    ナチスドイツに飛行機の情報を売ったと見せかけて、
    大金を手に入れ、かつ銀行家を陥れた手口は面白かった。

    息子の世話をする明るいポーランド女性や、
    息子が傾倒するディーバと
    印象的な女性たちも良かったので、
    前作より楽しめたが、
    実際の団体や事件が取り入れているらしく、
    そこらへんがわかっているとさらに面白かったのかもしれない。

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    投稿日:2022.07.04

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