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小竹雅子 / 岩波新書 (2件のレビュー)
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ひーちゃん
めっちゃ勉強になった。特に2014年の改正で、包括的支援事業やら、介護予防・日常生活支援総合事業やら、複雑になってて驚いた。
投稿日:2020.07.31
abba-rainbow
このレビューはネタバレを含みます
先般、介護社会の実態や、介護制度のことなどを少々勉強してみようと思い、書店で2冊ほど本を購入した、その2冊目。岩波新書であり、ガッチリ書かれていたので、少々時間をかけて読んでみた。 著者は、制度にも詳しく、最新の介護保険制度の解説を踏まえながら、現在の実態や、課題点などを浮き彫りにしてくれる。 少子高齢化の進展で、介護の必要性が急激にかつ確実に高まってくる。そうした中で2つの視点からみた基本的な課題がある。 例えば親の介護が必要となった場合、確実に介護のための労力と費用が必要となる。介護を受ける側からすれば、できるだけコストは少ないほうがありがたい。 一方、介護職にかかわる方からすれば、かける労力に見合った報酬はできるだけ報われるほうがよい。 本書を読む限り、介護職の業務分野はマルチであり、他の業種とは異なる特別なセンスや技能や知識を要する仕事であるにも関わらず、これまでの実態は報酬面で報われていなかったのは事実である。 一方では安くて高い品質のサービスが要求され、もう一方では過酷な労働条件で安い報酬という、相矛盾する実態がある。 行政でも、報酬(人件費)を抑えてサービスの拡張を図るのか、介護職の処遇を高めることによりサービス品質の向上へつなげていくのかということで、時によって判断に揺れがあると見受けられる。最近は、随分介護職の報酬面での改善が図られたようであるが、それでもやっと人並みと言った感じがしないでもない。 あるいは制度面で、医療と統合するとか、障害福祉と統合するなどの検討も進められているようであるが、制度の運用サイドの視点と、制度の利用者サイドの視点にはギャップがある。 著者は、どちらかというと利用者サイドの視点で語られているように思う。もともと障害福祉に精通されている著者であり、介護サービスと障害福祉サービスの制度統合の検討においても、重要なポイントを抑えられているなと感じた。 障害者の就業率は低いことから、保険料は現在の「応益負担(所得に限らず、一律に1割負担)」から、「応能負担(所得能力に応じた負担)」への転換を主張される事に加えて、障害福祉サービスにあって介護サービスにない、「移動支援」や「重度訪問介護」などの仕組みを介護サービスに取り入れていけばどうかと提案されている。 にわか勉強ではあったが、実状が多くの課題に直面していることや、今後の課題が山積であることがよくわかった。 読んでみて、介護というのは、年金制度などと同様に、世代間扶助の発想が必要であると感じたが、現在の年金制度のように年上の世代が、年下の世代に負担を負わせて当たり前という発想ではいけないなとも思った。
投稿日:2018.09.21
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