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安藤祐介 / 角川文庫 (8件のレビュー)
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じゅう
安藤祐介の長篇小説『不惑のスクラム』を読みました。 廣瀬俊朗、生島淳、藤島大の作品に続き、ラグビー関係の作品です。 ------ ラグビーで繋がれる、かけがえのない縁と成長の物語。 河川敷で丸川が…遭遇した、40歳以上の選手による草ラグビー。 そこには、年代もバラバラな大人たちの、泥まみれの姿があった。 楕円のボールでつながった絆を頼りに、丸川は己の人生を見つめ直していく――。 ------ 第10回ラグビーワールドカップ(RWC)2023フランス大会が開幕しました… ということで、蔵書の中からラグビー関係の書籍を選択しました、、、 2016年(平成28年)に刊行され、第9回ラグビーワールドカップ(RWC)2019日本大会を翌年に控えた2018年(平成29年)にNHKでドラマ化されたた作品です。 ■第一章 奇跡のフルバック ■第二章 ロックだぜ ■第三章 シャドウ・キャプテン ■第四章 ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア ■第五章 グラウンドで会おう ■第六章 相変わらずナンバー8 ■第七章 ワンフォーオール・オールフォーワン ■第八章 不惑のスクラム ■エピローグ 6年前、通勤電車の中で痴漢と疑われ犯人扱いした男性客を蹴ってしまった丸川良平は、相手が打ち所悪く死亡したことで傷害致死罪により懲役6年の刑を受ける… 妻へ離婚を申し出て、当時2歳だった娘とも別れる、、、 出所後の日雇いで食い繋ぎインターネットカフェで寝る日々に疲弊し、死に場所を求めて江戸川の河川敷に辿り着いた丸川の目前に、近くで練習していた中年男たちのラグビーチームのボールが転がってくる… 高校時代にフルバックとして活躍した丸川が蹴り返したボールはきれいな弧を描き、立ち去ろうとした丸山は「一緒にラグビーやりませんか」と老ラガーマンの宇多津貞夫に呼び止められ、宇多津が23年前に創設した40歳以上限定の「不惑ラグビー」に打ち込む「大江戸ヤンチャーズ」に加わることとなる。 彼らのおせっかいで、生き続ける道を選んだ丸川… 心を通わせていくなかでかつて背負った罪と向き合っていくが、過去をチームメイトに知られてしまう、、、 仲間もそれぞれ事情を抱えていて… チームメイトたちがそれぞれ社会の中で抱える事情が次々に浮き彫りとなり、丸川の変化とともにチームメイトたちの人生にも新たな変化が訪れる。 人は何度でも立ち上がることができる… 大人の青春ラグビー小説! 5年前に高橋克典(丸川良平)や萩原健一(宇多津貞夫)、竹中直人(梅塚英吾)のキャスティングでドラマ化された際、欠かさず観ていたので、その内容を思い出しながら読みました、、、 40歳以上の選手による「不惑ラグビー」を題材に、社会の中でそれぞれ問題を抱えながらも週末にラガーマンとして集う年代も多様な大人たちが、仲間と心を通わせつつ自らの人生を見つめ直していく姿が描かれており、読んでいると久し振りに楕円球を追いかけたくなりましたが… ドラマで観ちゃっているので、残念ながら感動は薄かったなー続きを読む
投稿日:2023.09.18
ユキフワ
綺麗事ばかりでは無いところが良かった。 傷つけた者、傷つけられた者、公平であった気がする。 読んだ後気持ちが良かった。
投稿日:2021.11.30
omj
このレビューはネタバレを含みます
ほんの小さな隙間から全てが崩れ去る恐ろしさ。 まるで自分の人生のようだ。あの日の満員電車でふと気を抜いた瞬間に図らずも崩れ去った日常が、丸川の心に去来する。 職場で割に合わない仕事を引き受けてしまうのも、一人で責任を果たそうと意地になるのも、また感情だ。 「どうしたらいいのか、分からないんだ」 「どうしたらいいのかじゃなくて、どうしたいのかじゃないの」
投稿日:2021.07.05
のりぞ
ああ、せっかくラグビー人気が高まってきたというのに、コロナの感染拡大は残念。 物語もあるけれど、同じ草ラグビーをやっているものとして、仕事との両立やチーム運営など、そういった意味での感情移入できる作品でした。
投稿日:2020.03.29
yuichy
老いてなおやんちゃでありたい、 と同時に、歳をとっても、何か仕事以外のことに打ち込むっていいなと改めて思わされた。 登場人物はタイトルのとおり、みな不惑以上のはずなのに、青春モノとして充分通ずる爽やか…さだった。 続きを読む
投稿日:2019.12.07
猫吉
暴行容疑で全てを失った主人公は、40代以上の方が集まる不惑ラグビーチーム”ヤンチャーズ”の最年長プレイヤーと出会い、ラグビーを通して人生のターンオーバーしていく物語。 登場人物の誰もが40代のおっさ…んで、おしゃべりでダジャレばかりいう人や、関西弁で大声が自慢の人や、チームをまとめようと必死になる人など、アットホームな方ばかり。 全部で8章あり、各章では違う人物の視点から物語が進む。 ラグビーチームに所属してるといっても、家庭を持ち、会社員やサラリーマンという人がほとんど。 大好きなラグビーでプレイしつつも、会社や家庭のプライベートでは問題を抱えつつも、必死に生きようとする姿が熱い。 本書の名言の1つである、「老いてなお、やんちゃであれ」は、どれほど歳を取ろうとも好奇心溢れる人であれという現代の中高年や高齢者に言いたいセリフ。 どのシーンも人情深く、チームに馴染めずにいる主人公を暖かく接するメンバーや、どんな時でも笑顔で明るいヤンチャーズの面々がとても魅力的。 ※追記 ラストで主人公は家族と向き合うのだが、その展開に感動した。 最初は気味悪がっていたチームメイトも次第に主人公に接するようになり、主人公が家族と再開できるように後押ししたり、住まいや生活の支援を送ったり、良いラグビーチームに出会えてよかったなぁと思った。 主人公に限らず、メンバー達もラグビーを通して悩み苦しみ成長する様がかっこいい。 おっさん小説ではトップ3。続きを読む
投稿日:2018.11.10
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