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影山理一 / マイクロマガジンコミックス (1件のレビュー)
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『黒犬』の優樹
ついに、大台へ乗った 影山先生、おめでとうございます そして、これからも、末永くよろしく 記念すべき、賞賛されるべき、(10)だけあってか、これまでの既刊以上の面白さが一冊に詰め込まれている、と私は思…う この『奇異太郎少年の妖怪絵日記』が(10)に辿り着き、これからも続くのは、『うしおととら』や『足洗邸の住人たち。』とは違う、バランスの良さがあるからだ バランスが良い漫画ってのは、どのジャンルにしろ、総じて読みやすく、何度読み返しても飽きが来ない。それどころか、読むたびに違う魅力が見えてくる これまでの巻でも、奇異太郎と妖怪が熾烈な真剣勝負を繰り広げる話はあったが、この(10)は、何となくだが、今まで以上にアクション性が強まっている気がした 自らの力には、まだ伸びしろだけでなく、幅も持たせる事が出来る、それを滝霊王との一戦で快勝する事が出来なかった事で気付いた奇異太郎 とっくに、人の枠を超えているが、この(10)で更に一つ上のステージに到達してしまったようだ 人族の少年でありながら、百以上の妖怪と様々なキズナを結び、百物語を結果として成功させる 妖怪好きであれば、ありえない偉業だ、と感じる行為である しかし、彼にとっては、大した事じゃないんだろう そこが、奇異太郎の魅力だ 彼が、これから、どんな妖怪と出逢い、どのような変化を齎し、自らがどう成長していくのか、期待で胸が膨らむ 我儘を言うつもりはないが、(11)は、できりゃ、来年の今頃くらいには出て欲しいものだ 次巻では、恋物語の方も進展してりゃいいがなぁ どの回も、妖怪好きの心をくすぐるものだが、腹の底から笑ってしまったのは、第百十七話「岩魚坊主」だ 岩魚坊主のデザインも出オチ感があるけど、それ以上に、奇異太郎に釣りを止めさせようと、必死になっている岩魚坊主の言動が良い。しかも、トドメとばかりに、「くっ殺」まで言っちゃったよw 個人的な考えではあるが、キャッチ&リリースの方が、私は命に対しての敬意が足りないような気がする 毒があるとか、食べられる箇所がないなら、ともかく、食べられる魚を釣ったなら、調理し、笑顔で食するのが礼儀じゃないだろうか なので、もし、私が岩魚坊主を釣り上げたのなら、遠慮せずに食べたい 人型なら抵抗感も生じるが、魚の姿なら何の問題もないな。一番に良いのは、シンプルに塩焼きだろうか 奇異太郎▲、と思ったのは、当然、第百十参話「滝霊王」だ 見るからに、尊そうな存在である滝霊王に対しても、友人たちを守るために、正しく力を奮える彼は男の鑑だ 妖怪寄りとは言え、不動明王の化身である滝霊王に腹パンで膝を着かせる ほんと、無鉄砲と言うか、情に厚いと言うのか 彼に惚れている女は、そんな常識を蹴っ飛ばす、彼の行動に、ドキドキさせられっぱなしだろうな この台詞を引用に選んだのは、影山先生からの大切なメッセージだ、と私が感じたので 変わるのも、変わらないのも、良い事だ 大切なのは、自分の根っこ、そこだけは何があっても、何を言われようとも、失っちゃいけないし、奪われてもならないってコト 自分は自分、と言える強さ、奇異太郎のそこに、雪母も一目置いてるんだろう 私も雪母のような女傑に認められるような男になりたいもんだ続きを読む
投稿日:2018.09.02
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