【感想】氷舞 新宿鮫6~新装版~

大沢在昌 / 光文社文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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7
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ブクログレビュー

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  • DJ Charlie

    DJ Charlie

    最近、ランダムに読んでいる<新宿鮫>シリーズの一冊だ。愉しく読了に至った。
    題名は「薄い氷の上で動き回っているような、何かの弾みで冷たい水に落ちてしまうかもしれない様子」ということで出て来た表現なのだと思う。「訳アリ」で独特な動きを見せる鮫島刑事が、何時の間にか危険と隣り合わせになるような中で、事件の解決に向けて奔走する物語だ。例によって、大半の部分の視点人物は鮫島刑事である他方、適宜他の人物が視点人物に切り替わる部分も在り、何となく「映像作品に触れるような感覚」も湧く、巧みに素早く場面が切り替わるような感じでの展開だ。
    本作は、少し意表を突くような感じで物語が起こる。鮫島刑事が演劇鑑賞をしている…そしてそこから「張り込み現場」での夜間の活動に向かうのだ。
    鮫島刑事が、協力を得て利用しているコンビニの2階から張り込んでいたマンションの部屋には日系コロンビア人と称する人物が夜ごと出入している。盗難に遭ったクレジットカードを不正に使うという事件が相次いでいて、その件への関与が疑われている。他方、渋谷で活動する暴力団の構成員が訪ねていたということも在り、事件の拡がりも懸念される様子だった。
    そういう活動に勤しむ鮫島刑事は連絡を受けた。西新宿のホテルの部屋で、外国人男性が殺害されたと見受けられる状態で発見されたのだという。そして室内にコカインを隠し持っていた痕跡が認められたという。鮫島刑事は現場へ駆け付ける。
    鮫島刑事が現場へ駆け付けてみれば、公安の捜査員達が現れ、新宿署の刑事課、そしてコカインが在るらしいとして呼ばれた生活安全課は締め出されてしまった。聞けば、殺害された外国人男性は引退したCIA関係者であったというのだ。ホテルの部屋に事務所兼用のような形で長期滞在していたのだという。現場のホテルでは、深夜のことで人の出入りが少な目な中、外国人と見受けられる女性が出入りした様子が従業員に目撃されていた。
    事件の闇が深まる中、日系コロンビア人の事案や、引退したCIA関係者のコカインの事案について鮫島刑事は知ろうと独自に活動をする。そして現れる、過去の事件で出くわしている正体不明な男や、CIA関係者の事案で蠢いているらしい思い掛けない大物や、その意を汲んで暗躍する人物が在る。
    そんな他方、鮫島刑事は活動を通じて出くわした或る女性に惹かれる。そしてその女性の秘密に近付いて行くことにもなる。
    古い出来事が引鉄となって、事案が静かに展開し、その謎に迫って行くという鮫島刑事だが、何時の間にか危険と隣り合わせになるような中での奮戦振りには夢中になった。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.12

  • あるふぁ

    あるふぁ

    新宿鮫6巻。個人的にはあまり好きではない。鮫の旦那が女々しくて。晶と思うように会えないことに苛立ちを感じている。携帯電話という便利なものが世の中に出回っていて、便利なのに不便を感じるのは二人の生きる場所が問題なのか、年なのか。いつまでも同じとはいってられないわけで。そんな中起きた殺人事件は、とんでもなくでかい蛇がトグロを巻いていて、さらには寝た子まで呼び覚ます勢いで、どんなであれめげないし、諦めない鮫の旦那は健在だった。続きを読む

    投稿日:2022.12.26

  • くじら

    くじら

    新刊が発売されていることを知って再読。静かに刑事魂を燃やしている姿が格好いい。昌との今後の関係が気になる。

    投稿日:2022.12.06

  • 松子

    松子

    新宿鮫シリーズ6巻、『氷舞』

    今回はどんなお話かなぁと思い、あらすじを読んだら、なんと‼︎ 鮫島が晶以外の女性に惹かれていくと書いてあった‼︎

    『えぇ⁉︎』慌てて1番最後のページを確認!
    2人が別れていたら、もう読むのやめよぅと思ったけれど…、
    ふむむ、鮫は他の女性に惹かれてしまったけれど、
    どうやら晶の事がまだ大好きで、別れてはないみたい。もぉ、男心って、もぉもぉもぉー、と思いながら読み始める。

    元CIAのブライドの殺人の原因を探っていく中で、
    公安総務課の横槍が入る事から事件が殺人事件だけでは終わらない事に鮫島は気付く。

    鮫島の忍耐の捜査でブライド殺人事件の陰にいる
    元公安の立花、立花が全てを捧げ守ろうとする立花の元上司で現議員の京山の存在がわかってくる。

    政界、ヤクザの麻薬ビジネス、元CIAの殺人。
    殺害された伊豆のホテルオーナー嶋。
    嶋亡き後オーナーになった杉田江美里。
    江美里の母の過去の経歴と死因。

    多くの人間関係と事件が絡み合っているので、
    手元で書いてる相関図はぐちゃぐちゃ
    これは、ずいぶん濃厚な作品だわぁと
    読み進めた。汗汗

    ハードボイルドと言うよりも
    元公安である立花や京山とのかけひきや
    心理戦が多い。ゾクゾク感は足りないけれど面白い。

    今までにない鮫島の江美里に対する強い愛情や、
    晶と江美里の間で揺れ動く感情。
    読み進める中で鮫島が江美里に惹かれるのも納得。

    また、同期の宮本の自殺を巡って
    対立していた公安部の香本との
    お互いに『お前なんか嫌いだ!』と言い合いながらも
    協力していく場面がなんとも面白い‼︎

    事件がひとまず解決?してからの
    最後の晶と鮫の話し合いの場面…
    晶ちゃん大人だわぁと
    違う感動がっ。
    ハードボイルドじゃなかったけれど、
    鮫嶋の人間臭い一面が見れて楽しかった(^^)
    続きを読む

    投稿日:2022.05.04

  • fujimot

    fujimot

    今回の新宿鮫は政界も絡むスケールの大きいストーリー。所轄だけじゃなく公安も出てきて、大好きなスパイものっぽくてとてもおもしろかった。鮫島警部の男気はほんと素敵ですね!

    投稿日:2020.10.26

  • hir0cky

    hir0cky

    新宿鮫シリーズ第6作。

    クレジットカード犯罪を追う鮫島の前に現れたミステリアスな女性。晶という恋人がいるにも関わらず、彼女に惹かれていく鮫島。そして警察内部の黒い動き。

    他のシリーズと同じく面白いのだが、ちょっと消化不良気味。いろいろ盛り込みすぎた感じがあるのかも。続きを読む

    投稿日:2020.07.17

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