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弘前龍, 冬馬来彩 / 電撃文庫 (1件のレビュー)
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koki
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好き嫌いの対象で人をくくったり、それで人と繋がったりすることへの違和感が相変わらず現れている。 自分で自分のキャラクターを作るということは、自分が分裂してしまうことである。かたや本当に好きなものを押し殺してオタクな自分を作り、かたや過去を抹消することで新しい自分を作る。 作られた自分はそれぞれの社会で居場所を得るが、もう半分の自分はどうなってしまうのか。 それを受け止めたのが主人公であり、木ノ本くんではなかった。 主人公みたいに、相手の実存を受け止めて、自分が自分でいられる場所を提供できるってすばらしい。 木ノ本くんのしてることって、伴奏の件にしても、歌の件にしても、公開処刑で本人嫌がってるのに、良かれと思ってやっているのが怖いところ。 好青年でカリスマ性があって場を仕切るのがうまい、ってそれ独裁者の典型じゃないですかやだー 帯には、オタヒメさんvs.マキマキさんの対立とあるんだけど、その2人の弱みを無自覚のうちに握ってしまっていて、立場的にも権力者な彼が怖い。 そして彼は無自覚で彼なりの正義感があって動いているから、彼視点で見たら全く違う話になりそうだ。それはそれで、彼に肩入れしてしまう方向へ感情移入してしまいそうな感じがして、そのことが怖かったりする。
投稿日:2018.07.13
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