【感想】東海道新幹線 運転席へようこそ(新潮文庫)

にわあつし / 新潮文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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ブクログレビュー

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  • S.H

    S.H

    東海道新幹線は昭和39年に開業して以来50年、日本の大動脈を走ってきた。
    新幹線も0系からN700Aという機種に変わり、速さや乗り心地、時間などが変わっている。

    東海道新幹線元運転手の筆者が運転手時代にさかのぼり乗務したある日の東京から新大阪までを旅情や同乗運転手との会話を交え進めていく。
    帰りは現代で0系を運転したことのある運転手と仮定して最新型に乗り新大阪から東京まで行く。

    東海道新幹線の列車基礎知識も本文中で紹介がある。


    東海道新幹線…実は僕は完乗したことがありません。
    でも言えることは日本の大動脈。
    その裏側でこんなことが起きているとは…

    いまの新幹線に乗ってこの本を読むと一層面白いと思います。
    新幹線の旅を楽しんでください。
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    投稿日:2017.12.31

  • saga-ref

    saga-ref

    自分が運転士になったような臨場感! 元新幹線運転士の著者の筆致が、私を運転台にいるような感覚にさせてくれた。0系では停止位置に止めるブレーキ操作にドキドキし、N700Aでは先行車の情報を得ながらマスコンのノッチ操作に気を配る煩わしさ。どちらも東京・新大阪間を下り・上りする情景を描くが、やはり0系に紙幅を割くのは著者の思い入れが強いからだろう。大阪万博に行くために0系に乗ったのが3歳くらいの時だったな~続きを読む

    投稿日:2017.08.30

  • tko.m

    tko.m

    元・新幹線運転士による、東海道新幹線運転にまつわるよもやま話。往路は昭和50年代の0系、復路は最新型N700Aの運転台を舞台とした構成で、運転業務そのものへの興味もさることながら、往時と現在の環境の変化もうかがい知れて非常に面白いです。何せ、冒頭の運転台写真からして、0系には灰皿付いているんだから(驚)。

    食堂車からコーヒーが運ばれてきたり、運輸指令に啖呵を切ったり、何より「ひかり」は2人乗務だった国鉄時代の新幹線。それに比べるとN700Aは運転室への入室を皮切りに何もかもがシステマティックだけど、30秒の遅れも許されない。なんとも世知辛いですが、新幹線に限らず、これが今の日本の世相なのでしょう。

    でも多分、往時運転台で交わされていたのはこんなウンチク話ではなく、「今日、どこに飲みに行く?」なーんてたわいもない会話だったのでしょうねえ(笑)。
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    投稿日:2016.08.28

  • take2015

    take2015

    東海道新幹線は開業から50年間で約56億人が利用した。1日平均42万人が利用し、1日約400本が3分間隔で運行されている。これだけの安全性、時間的正確性、快適性を確保している乗り物は恐らく地球には他にないだろうし銀河系だって怪しいものだ。今更だがウイスキーでも傾けながら改めて新幹線の歴史を振り返ってみるのも悪くないでしょう。日本人てすごい!と誇らしくなること請け合い。きっと50年後にはリニア版が出版されているはず。僕は地球にはいないと思うけど。続きを読む

    投稿日:2016.04.14

  • なおちん

    なおちん

    自宅近くを走る東海道新幹線。昭和を代表する0系新幹線と平成を代表するN700Aの新幹線の運転席で繰り広げられるお話を対比するのが面白いです。「鉄」分に満ち溢れた本です。

    投稿日:2015.01.22

  • 源氏川苦心

    源氏川苦心

    新幹線の運転席では何が行はれてゐるのか、どのやうな勤務体系なのか、いかなるメムバアで構成されるのか、どんな会話がなされてゐるのか、わたくしども部外者が普段は知り得ないあれこれを、かつて東海道新幹線の運転士だつた著者が教へてくれる一冊であります。

    まづ「新幹線の基礎知識」で、新幹線の歴史、しくみなどをコムパクトに講義してくれます。ご親切にも、興味がなければ飛ばしても良いと著者は述べますが、飛ばすのはもつたいない。短いしすぐ読めます。テツの人はご随意に。わたくしはテツではないのでしつかり目を通します。

    その後いよいよ実際に運転する様子がドキュメント風に綴られるのでありますが、二部構成になつてゐます。
    第1部は、「0系新幹線でゆく、東京-新大阪(昭和53年春の某日)」、第2部が「N700Aでゆく、新大阪-東京(平成25年春の某日)」であります。即ち、往路は最古参、復路は最新鋭の新幹線電車で我我読者を案内してくれるといふ訳ですな。

    0系時代は、2名の乗務員が交代で運転。ゆとりがあります。更に便乗の乗務員もゐたりして、会話も弾むやうです。やつぱり人間ですからね、緊迫した精神状態を3時間10分も持続させるのは無理がありますからな。ワゴンサービスの女の子もやつてきて、中中賑やかであります。

    読者のために、乗務員たちの若干不自然な会話の中で、色色なエピソオドを教へてくれます。子供たちへのサアビスで警笛を鳴らしたりとか、架線に凧が引つ掛かりやすいとか、マグロ(轢死体)への対応だとか、虫の死骸で前方の視界が悪くなるとか、花火大会をゆつくり見るためにその前後で時間をかせぐ運転士の話とか、直接運転士に苦情をぶつける乗客だとか、満員状態だとブレーキの効きが甘くなるとか、新幹線の線路を最初に走つたのは阪急電車であるとか、それはまあさまざまな話題を開陳するのです。

    中でも事故、或は事故未遂に関する話はゾッとします。開業以来死亡事故を発生させてゐないなどと(正しくは三島駅で死亡事故が発生してゐる)喧伝してゐますが、一歩間違へれば大惨事...といふヒヤリハットは数多くあるのでした。

    N700Aによる復路は、すでに著者が退社した後なので、現役運転士(望月氏)の視点から見た話になつてゐます。合理化による人員削減はこの世界にも及び、一人乗務は厳しさうです。しかし最新鋭のハイテク新幹線は、運転士も気分が良ささうであります。
    そして読者も楽しい時間を共有でき、満足して本書を閉ぢるのでした。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-512.html
    続きを読む

    投稿日:2015.01.14

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