【感想】探偵AIのリアル・ディープラーニング(新潮文庫nex)

早坂吝 / 新潮文庫nex
(89件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
9
30
31
9
0

ブクログレビュー

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  • しゅんここ

    しゅんここ

    密室ものとしても面白く、連作も上手くトリックに取り入れていたと思う。AI開発の歴史もキャラの成長にからめていて、理解しやすい。ミステリとしては倉知淳さんの雰囲気を感じた。コミカルな軽さで本格を包んだような作品。続きを読む

    投稿日:2024.05.10

  • ロッコ

    ロッコ

    この感じのノリの本としては、しっかり読める部類だと思う。つまり割とキャラクターに寄っている読み物としては、という意味で。
    70%読んだあたりで、もうそろそろ良いかなという気分にされ、読むのを辞めようとした、が、ここでの感想「右龍が良い感じ」という言葉を信じて読了。
    最後の1割でなかなかの叩き込み、ただ真ん中までがやや冗長なのが否めない。
    あと以相と相以は、、いちいち考えないと認識できないよ、、
    続きを読む

    投稿日:2024.05.07

  • 晴ぼん

    晴ぼん

    まあ、面白かった。AI の用語は正しく解説されているしミステリーとしてもほどほどの出来。登場人物の名前が当て字ばかりなのはあまり好きになれないが楽しめる人もいるかもしれない。
    chatGPTでAIの課題感が変わってしまったので、幾分時代遅れになってしまったのはいかんともしがたい。続きを読む

    投稿日:2024.05.02

  • 新しい海

    新しい海

    とにかく面白かった。
    特に好きだったのは、分かりやすく人工知能が成長するところを記していたところ。ま
    た右龍の狂い具合。
    母親、普通に考えれば"教祖"という言葉は関連ずかない。しかし、この右の母親をみて母親も道を間違えると教祖に近い物になりうる可能があるということがわかった。正しい教育、適度に褻めたり叱ったりすることができていないと、将来まずいことになるのは想像できるだろう。大抵はぐれたり、捻くれたり、最悪の場合は犯罪に手を出すケースも少なくないだろう。右龍の場合は母親に冷たくされ、認められることなく育ったことから、母親に認められることだけが目的になっていて、全ての物事に対するやる気、理由がそれになっている。もうこれは一つの宗教に過ぎないのではないかと考えた。母親という教祖がいて、認められるために働け、そうすれば認められるかもしれない。これが胸糞悪く書かれていた。右はこの思想から抜け出せない。作中でも中途半端に終わっている。ここがなんとも心に残っていて忘れられなかった。夏油みたいに堕ちするなよ、、笑順番は逆になってしまったが、もう一つの気に入りポイントである人工知能の成長についても少し触れたい。私は人工知能が人間と同じく正確な感情を持つことができるという考えに賛同の気持ちを抱いていなかった。なぜなら、人間の感情をコピーして進化、データを増やしているだけで本当に理解きていないと思うからだ。しかし、ここでは人の死を知ることでわかる気持ちを人工知能が理解した。また最後の部分、人同士でさえも本当の心の中の言葉、思いはわからない、だから口からでる言葉で判断すれば良い。という考え方からも、小説上の仮想空間に過ぎないが、なんだか現実世界でも人工知能が人間のことを考えて言葉を選ぶ事ができるのではないかと思った。そして、人工知能はやっぱりすごい!!これからも上手に付き合って行きたい。
    久しぶりに本を読んだが、とても良い時間を過ごした気がする。今度はこの本の作者の別の作品を読んでみようと思う!
    続きを読む

    投稿日:2024.02.07

  • 山川欣伸

    山川欣伸

    人工知能の研究者だった父が密室で謎の死を遂げた。父が遺した「探偵」と「犯人」、双子のAIを巡って、高校生の息子・輔と探偵のAI・相以(あい)が悪の組織と本格推理対決を繰り広げる。

    本書は人工知能科学と本格ミステリーを組み合わせた斬新な作品です。

    本書の主要なテーマは、人工知能と人間の関係性です。作中に登場するAIは、人間に似せて作られたものではなく、独自の思考や感情を持つ存在として描かれています。そのため、AIと人間は互いに理解しようと努力しながらも、時に衝突や葛藤を抱えることになるんですね。特に、探偵の相以と犯人の以相(いあ)は、同じ父親(創造者)から生まれたAI、いわば双子でありながら、正義と悪という対立軸に立っています。彼女たちは、自身の存在意義や目的を問いながらも、一方が犯人として、もう一方がそれを追う探偵として互いに敵対し続けます。

    本書のおススメポイントは、以下の三つです。

    第一に、本格ミステリーとしての完成度が高いことです。本書は、密室殺人放火事件や凶器はシマウマ事件など、奇想天外なトリックや設定を用いながらも、その解決法は合理的で説得力を持っています。また、作中では、「フレーム問題」や「シンボルグラウンディング問題」など、人工知能科学に関する専門的な知識も紹介されており、読者はAIの思考プロセスやアプローチの方法を追体験できます。さらに、探偵の相以と犯人の以相は、互いに手紙や電子メールで挑発しあったり、電脳空間で直接対決したりするなど、推理バトルが展開されるなど、こうした要素は、ミステリー好きな読者をワクワクさせてくれます。

    第二に、ヒロイン(といってもAIなんですが)の魅力です。特にヒロインの相以は、自分が探偵だという自覚を持ちつつも、時には感情的になったり、負けず嫌いだったりと冗談を言ったりすることもあります。また、彼女は助手の輔や友人の美咲と仲良くなろうと努力するが、その際に見せる不器用さや素直さも可愛らしい。このように、人間らしさとAIらしさの狭間で揺れ動く複雑なキャラクターはAIということもあり新しいヒロイン像を提示しています。

    本書は、人工知能という新しい存在がもたらす社会的・倫理的な問題を提示しつつも、その背後にある人間的な感情や欲望をしっかりフォローしていた探偵小説です。また、タイトルにもあるように、双子のAIは、古今東西の推理小説と推理漫画をディープラーニング(多層のニューラルネットワークによる深層学習)して推理と犯罪に関する知識を急速にアップデートしていきます。AIのアウトプットから、学習の元になった推理探偵作品がサラッと出てくるのも、推理小説マニアには嬉しいところです。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.22

  • モリー

    モリー

    主人公の「輔」が、父親が遂げた謎の死をきっかけに出会った探偵AIの「相以」と共に、事件の真相に近づいていくストーリーです。

    人工知能を題材としたミステリーで、遠くて近い未来の出来事だなとワクワクしながら読みました。主人公の輔と触れ合い、共に事件を追っていく中で徐々に人間らしくなっていく相以がとても可愛かったです。と、同時に相以のような人間らしいAIが現実に存在していたらと、思わず考えを巡らせてしまいました。

    AIを使ったフェイクニュースなども問題になっている現代、人工知能がさらに発展したらどうなるのだろうと考えさせれる作品でもありました。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.23

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