【感想】わずか五千石、小さな大大名の遣り繰り算段

山下昌也 / 主婦の友新書
(1件のレビュー)

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  • のり

    のり

    格は十万石、城下町は宿場町
    御所様と呼ばれた日本一小さな大名家の
    節約術とは。

    新書の良さは、安価に専門家の学識に触
    れられることや、知らなかった知識を得
    られることにあります。
    本書の、なんとも面白そうなタイトルに
    惹かれて購入してみたものの内容はイマ
    イチでした。新書にしては781円(税
    別)と高く、内容が薄いのにガッカリで
    す。手元に資料が無いので、内容が正し
    いかどうか、検証することは出来ません
    が、気になった点がいくつもありました。

    本書の4分の1は、タイトルとはあまり
    関係ありません。
    第1章と第2章は、将軍家や諸大名の財
    政状況を扱っています。不覚にも副題に
    「喜連川家を中心に学ぶ」とあるのを見
    落としていたので、読んでガッカリしま
    した。
    (以下引用は長くなるので要約します。)

    7公3民の高い年貢にあえぐ天領の農民
    は百姓一揆を起こし、交渉によって、年
    貢率を下げることに成功した。各地の代
    官は保身のため、農民の言い分を聞いて
    年貢を下げたとあります。p12
    (初めて聞いた説です)

    諸藩は集められるだけの米を換金するため、
    領内では豊作なのに、領民が草や木をかじ
    るほど飢えても、大坂に送った。p16
    (不作時に米を大坂に送り、飢饉が発生し
    た話は聞いたことがありますが、豊作時に
    ここまで飢えるなんてあるのでしょうか)

    また、徳川幕府の政権安定策として、減封
    や国替を行ったとありますが、関ヶ原の合
    戦後の、西軍諸将の改易等も含めて説明し
    ており、時系列がバラバラになっています。
                    p84

    肝心の喜連川藩の部分についても、藩の収
    入の計算がおかしく(5千石のうち千石余 り
    を家臣に与え、2千石余りが百姓の分、 御所
    様の取り分が千石余り)、収入を現在の金で
    表していますが、全然わかりやすくなっ てい
    ません。p110

    他にもいくつも気になる点はありますが、巻
    末に参考文献は載っているものの、どこの部
    分から引用されているのかわからず、根拠を
    確認出来ないのが、残念なところです。
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    投稿日:2012.01.22

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