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長谷川夕, くろのくろ / 集英社オレンジ文庫 (5件のレビュー)
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えつお
どうか、天国に届きませんように。 それはどのような類いの願いなのだろうか。 淡々とした文章が彼らの孤独を浮き立たせる。 読んでいると、自分が色も音もない世界にいるような気分になる。 想像力を働かせる…と、本当に恐ろしい思いをすることになる。 名前も知らなかったこの著者の作品を、たまたまのめぐり合わせで読むことになった。面白かったので、他の本も読んでみようと思う。 黒い糸 超常現象が好きな少年は、自分にもそんな不思議な力があればいいのにと思っていた。スプーン曲げ、瞬間移動、読心術。そんな願いがなぜか叶い、ある日彼に特殊な能力が宿る。 小指にいつの間にか結ばれている黒い糸。それを辿ると、必ず死体と繋がっていた。 浮かばれない魂が救いを求めて彼を呼んでいるのだろうか。 白い檻 幼い頃に兄を失くした少年は、寂しさの余り、兄が本当に見える振りをした。あるとき彼は、不思議な力を持つ子どもが集まる『家』へ引き取られることになった。 そこでは今までの名前を忘れなくてはいけない。口に出してもいけない。新しく与えられた名前は『3番』。 ここはいったい何のための施設なのか。深夜に歩き回っている美しい少女の正体は。 灰の箱 引っ越してきた郊外の家には、とても広い庭があった。少年が姉と二人で庭を探検していると、開けた原っぱの真ん中に、長い間使われていないと思われる焼却炉があった。少年は中を見たくなかったのに、姉が開けてしまった。 中には本当に恐ろしいものがいたのに。 牢獄 死んでしまった男は、どこにも行けずに暗い場所を彷徨っていた。すると前方に窓のようなものがあり、そこから光が漏れている。覗いてみると、その向こう側には、生きていた頃の自分がいた世界が見えた。どうやらこの窓のようなものは鏡らしい。男は一か所に留まらず、鏡から鏡へ移動しながら、いろんな人の生活を覗いた。 しかしある女の子のことが気になり、見守るようになる。男は覚えていないが、彼の死には彼女が関わっていたのだ。 天国 牢獄の話の続きだけど、それ以外の話も関わってきて繋がってくる。 最後はどうしようもなく切ない。続きを読む
投稿日:2023.10.11
ゆま
このレビューはネタバレを含みます
それぞれ短編の物語の登場人物がどこかで繋がっていて、最初はなんでこうなったんだろうと思ったところものちのち関係する人物が主の話が読めて、全体的にそういうことかってなる話。 結構ファンタジー要素?あって、常に不穏って感じ
投稿日:2022.08.04
advicekiyomidosu
オカルトとサスペンスが混じる恐怖の短編。 それぞれはいつしか全てが一つの世界だったと知る。 現代の児童虐待、ネグレクトも含む、人こそが一番怖いと思わせる物語。
投稿日:2021.11.11
qoochang6918825
暗い…全体的に薄暗い…。確かに中高生向きか、それぞれのストーリーが繋がっている事によって成立した感じはするが、なんだろう、ホラーと言うより薄気味悪いファンタジー?
投稿日:2020.07.24
irodorirodori
少しずつ繋がって1つの世界を形作る短編集。 表紙から中高生向けかなーと、あまり期待せずに読み始めましたが、思ったより楽しめました。 淡々とした文体と仄暗い雰囲気がホラーっぽいですが、視点が変わることで…絶妙に変化する世界観が単純なホラーとは違う読み心地。 他の話との繋がり方もちょうどいい。しらけるほどのあからさまな表現ではなくて、でもよほどじゃない限り気づけないなんてことはない。相関図描きたくなります。 でも、やっぱりおすすめするとしたら、友達ではなくて対象は中高生ですね。続きを読む
投稿日:2019.03.30
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