【感想】リュシス 恋がたき

プラトン, 田中伸司, 三嶋輝夫 / 講談社学術文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • linmaru

    linmaru

    自分が哲学に詳しくないせいか、結論を見てもピンと来ませんでした。
    友愛とは何か、哲学とは何かを前提知識を使わず検証していくのは面白かったです。

    投稿日:2021.05.16

  • mamo

    mamo

    「○○とはなにか?」と問いがたてられ、いろいろ議論したあげく、「○○ということについて、わたしたちは知らない」ということが確認される、ソクラテス対話シリーズかな?

    こうした「知らない」対話篇は、初期プラトンの特徴なんだけど、解説によると、中期に近い性質もあるとのこと。

    たしかに、議論の展開が複雑というか、精緻で、いろいろな角度から問題にアプローチして、それぞれが論理的に間違っていることが証明されていく。

    その手際は、なぜかデリダの脱構築を思い起こさせる。

    プラトンのなかでは、比較的マイナーな作品とのことだが、議論されているのが「愛」とか、「知」で、知を愛するという意味の「フィロソフィー」であることを考えれば、かなり重要な作品でもあるのかな?
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    投稿日:2019.11.06

  • 探耽(たんたん)

    探耽(たんたん)

    友愛について探る“リュシス”と、哲学と知について探る“恋がたき”の2つの対話篇が収録されています。
    ソクラテスと若者が対話を通して真理を求める内容です。
    短編ですが、きちんと理解して読み進める必要があります。
    読み応えもあり、楽しみながらプラトンに触れられる一冊。
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    投稿日:2018.04.04

  • mkt99

    mkt99

    プラトン著作の中から『リュシス』と『恋がたき』の2編を所収。(但し『恋がたき』は偽書の可能性があるとのこと)
    『リュシス』は「友」とはどういう人か、さらに「愛する」とはどういうことかを問うた対話篇で、『恋がたき』は「哲学」とは何か、さらにどんな「知」を愛することなのかを問うた対話篇である。
    根本としてどちらも「愛すること」「愛するとは」をテーマとした対話篇であるが、非常に短い短編となっていて、プラトンの対話篇に親しむにはとっつきやすい作品であるといえる。
    それぞれの対話の構造的解釈は本書の「解説」に詳しい。

    『リュシス』では美少年2人を相手に(しかも、ソクラテスの知人が対話の一方である美少年リュシスに恋をしている!)、『恋がたき』では哲学オタクの文系少年と体育会系少年を相手に、例によってソクラテスは議論をふっかけているのであるが、議論のテーマや対話相手(美少年!)にも関わらず、期待に反して(?)艶やかな場面は一切ない。(笑)
    むしろ、ソクラテスのいつもの議論主導にもかかわらず、『リュシス』では「友とは、友のために、敵のゆえに友の友である」とか「本当の友とは、何かある友のために友であるのではないことになる」とかのようにややこしい議論に発展していき(笑)、結局は似た者同士もお互いに足りないところを補う者同士も友ではないという結論になってしまい、「友」とは何かわからなかった・・・という結末を迎えることになってしまって、読んでいるこちらも頭がくらくらと混乱したままの放置プレイ状態であった。
    大体、病人が医者が友で愛するというのと、父が息子を愛するというのと、同一比較できる対象でないし・・・。逐次、話の論点がすり替わっていくので、議論経過でも頭がくらくらとした・・・。(笑)
    また、『恋がたき』では、哲学が好き!と言っていた文系少年は実は一通りの知識があり専門知識に精通していなくても世の名声は得られるよね!との考えの持ち主であることが判明、哲学魂に火が点いたソクラテスの「哲学ってえのはなあ」という質問攻撃でぼこぼこにして自称・哲学オタクの文系少年を恥じ入らせるという話で、最後はスカっ!とくるものの、いつもの我田引水的な議論の誘導にまたもや頭がくらくらしてしまった。(笑)
    反対に、善い人間と悪い人間の区別がつかないような人間は自分自身も知らないということ、つまり節度がない人間であり正義を全うできない人間で、その「知」を得るのが哲学するということで知識を得るのに2等賞に甘んじてはダメ!というくだりは、自分自身にも身につまされる思いがして、哲学オタク少年とともに恥じ入りそうになってしまった・・・。
    両篇ともに議論の結末としては中途半端さがあるものの、議論だけをみるならテーマがテーマなだけに割と真面目な議論だったのではなないかな。

    いつもの通り議論の展開の仕方に疑問点は相当湧くものの(笑)、プラトンの思想のとっかかりとプラトンそのものに親しむには格好の短さで、そうした議論のわかりにくさの故か「解説」の方は充実しているので、これからプラトンを手にとりたい方にもぴったりの一書かもしれない。
    但し、すぐに結論に飛びつきやすい人、求めやすい人には・・・!?(笑)
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    投稿日:2018.01.21

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