【感想】カラマーゾフの妹

高野史緒 / 講談社文庫
(37件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
6
8
13
5
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • 帆掛船

    帆掛船

    2021/1/30 読了
    ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の後に読んでみると(まぁ、これが大変ですが)、その設定、描写を、本格推理小説の如くに巧く伏線として取り入れているのが分かる。物語としても、イワンが己のトラウマに向き合い、『大審問官』を克服するという成長・再生が描かれている。ドストエフスキーは本当にこんな続編を構想していたのではないか、と思うのは褒め過ぎか?続きを読む

    投稿日:2023.09.10

  • arara

    arara

    再読でしたが
    充分面白かった。

    とは言っても
    『カラマーゾフの兄弟』
    そのものを読破出来ないままなので

    面白さは半減しているかも
    しれませんが。

    あの文豪ドストエフスキーの原作から
    "13年後"という設定で
    「父殺し」の謎に迫るという
    何とも向こうみずな続編。

    人間性の複雑さ
    猥雑さ 卑小さ
    それでも生きていくーという
    薄い希望の光。

    タイトルが
    「妹」であることの意味。

    江戸川乱歩賞に
    ほぼハズレなし。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.07

  • ひゃっほう

    ひゃっほう

    原典を読んでいないのですが、それでも面白かったです。

    普段、日本の作品ばかりを読んでいるのでカタカナの地名・人名に慣れるのに少し時間がかかりましたが、それを過ぎた後は、引き込まれるように読みました。

    選評を読むと、既存の小説を基にしている点に賛否があったようですが他人が作ったものを殺さずに、それを活かし、より高めるということはオリジナルでゼロから作り上げるよりも、時にハードルが高いものです。

    私は評価に値すると思いますし、読了後、久しぶりの満足感を味わえた一冊です。

    2016年2冊目。
    続きを読む

    投稿日:2022.09.15

  • よし

    よし

    第58回江戸川乱歩賞受賞作で、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」から、幻の13年後の続編を書き上げたミステリー。原作の不可解な父殺し事件の内容をたどりながら、真相がいかなるものだったのか、次男のイワンが解決に挑む。が正直少し無理を感じた。続きを読む

    投稿日:2020.08.26

  • og

    og

    『カラマーゾフの兄弟』はドストエフスキーが死の直前まで執筆していて、本来は続編が予定されていたという。これを日本人の著者が独自に読み解き、解釈し、勝手に続編を書いたのが『カラマーゾフの妹』だ。と言っても、ドストエフスキー自身が構想していたとされる設定も引き継がれている(アレクセイが革命家を志しているとか)

    『兄弟』で描かれた「カラマーゾフ殺人事件」から13年後、捜査官となったイワンが再び事件の真相に迫る中で新たな事件が起こる展開。ミステリーとしても面白いし、多重人格者や異常なフェティシズムなどサイコな面も描かれつつ、更にはスチームパンク得意の”ディファレンス・エンジン”が登場し、その計算能力によって、ロケット・ランチャーや宇宙船を開発するなどという、トンデモ系SF的な展開も盛り込まれている。(ここは好みが分かれるところだろう)

    この小説は語り手が”著者自身"であることも面白い。著者がドストエフスキーを前任者と呼びながら、これを執筆した経緯や、前任者の意図を解説するようなメタ視点が書かれている。「『兄弟』では、なぜ無駄なシーンが長々と描かれたのか?」とかサラっとディスってたりするのも楽しい。(その無駄なシーンを伏線として活かしている。勝手に)
    ちなみに『兄弟』の要約も書かれていて優秀。(あんなにわかりにくい小説をわかりやすくおさらいしてくれる)
    続きを読む

    投稿日:2020.08.16

  • ばあチャル

    ばあチャル

    本家ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』は高校生の頃に読んで
    大人というか、大台超えた60代の2005年になってから読み直したのと
    追ってすぐ亀山新訳の話題に引かれ2008年にまた読んだのと
    都合3回読んでいる

    高校生の頃はわかったのか?わからないままでも
    登場人物たちの饒舌な会話が気にいったものだった
    若いときの読書なんて感性で読むものかもしれない

    2回目の読書術もこなれすぎたあたりの感想は
    ストーリーの物語性(エンターティンメント性)に感心してしまって
    ドストエフスキーの言わんとするところなどはスルーしている

    そして亀山新訳を読むに至って
    またわかったようなわからないような気分になった
    なぜなら
    亀山氏が訳書の終わりにお書きになったり
    新書版「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する」などで
    続編がある、あるとキャンペーンを張るので
    やっと小説のはじめにかかげてある「著者より」の文章に気が付いて
    読めば、そういわれればそう、と...

    でも
    その空想を小説にしてしまうそら恐ろしい作家がいらっしゃるとは
    というわけで高野文緒『カラマーゾフの妹』を読んだ

    本家に劣らぬミステリーだからネタバレになると困るので
    現代風の読み応えのある、文章も抑えた力量があるという感想のみ言う

    だいたいこの本のタイトルがしゃれてい過ぎる
    「父殺しの真犯人は本家大団円で解決済みではなかったのだ」という
    カラマーゾフ兄弟に妹が居るならば...って思うじゃない?
    続きを読む

    投稿日:2020.06.11

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。