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宇沢弘文 / 岩波新書 (64件のレビュー)
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1853100番目の読書家
経済学ってどうしても信奉する思想が先にあって、それを証明するだけのツールに過ぎない気がするんだよなあ。
投稿日:2024.05.04
sachi
新書で手軽に考え方がつかめてよい。社会的共通資本=みんなの資源はみんなで大切に使おうね、という考え方を1970年代から言い続けてきたところが意義深いかと。経済学の中に位置付けるのは大変だけども。 農業…(自然)だけでなく、都市、教育、医療、金融制度などを社会的共通資本として取り上げていて興味深い。続きを読む
投稿日:2024.04.20
こん
一読しただけの感想という前提で、今も議論になっていることを2000年当時から問題提起していたのはすごいなーという感想にとどまってしまう。くるま社会のところは面白かった。「会社法は誰のためにあるか」を読…んだ時と同じような痛快さを感じるが、その痛快さへの乗っかり方に気をつけたいと思う。続きを読む
投稿日:2024.03.24
saga-ref
第1章は社会的共通資本の総論。経済学の講義のようでとても難解。第2章以降は、農業・都市・教育・医療・金融・地球環境と、個別具体的な各論で、こちらは判りやすかった。農業基本法が、個別農家と一工業事業所と…を同列に位置づけていることへの問題提起をしているが、まったくそのとおり。「輝ける都市」の人間を無視した都市構想の問題も然り。地球環境での炭素税の考え方を発展させて、国連単位で炭素量に応じた基金への拠出+森林面積に応じた基金からの交付金という制度があれば、発展途上国の森林保護の動機づけにならないだろうか?続きを読む
投稿日:2024.03.01
hiddie
以前から勧められていたが、コモンズについて関心を持ったことを機にようやく読んでみた。日本語でコモンズをわかりやすく解説してくれている。それにも増して、この当時から気候変動問題に真正面から対峙し、炭素税…の仕組みを提唱していたことには、畏れいる。続きを読む
投稿日:2023.12.29
rafmon
社とは本来、土を耕すという意味。農家50戸をもって社となす。そして、社には必ず学校をおく。コモンズの訳語として「社」が最適だろうか、というのが著者宇沢弘文。果たして、その概念は正しいのだろうか。 社…会的共通資本は、地球そのもの。インフラや制度、都市や農村もそうだという。もっと具体的に書くなら、公園とか図書館とか道路。皆でお金を出し合って共有する財や、自然に存在して私有化されていない資源の事と考える。そこで思い浮かぶのは、共有地の悲劇。みんなで使うから、使い方が杜撰に。シェアハウスのトイレ掃除はやりたくないみたいな事で、当番制のようなルールや監視、ペナルティがないとトイレの汚れは放置、悪化するので、まさに悲劇だ。 この共有地の悲劇というキーワードは、生物学者ガーレット・ハーディンの論文が発端。私有制の欠如が原因だとする新古典派経済学。解決策として、私的合理性と社会的合理性を矛盾なく投合することが課題。しかし、歴史的なコモンズ、共有地は無条件なオープンアクセスではない。つまり、現実社会には、野放図な共有地は意外に存在せず、国であれ地域社会であれ、ある集団の管理下には置かれているものだ。 そこからこぼれ落ちるような、真の共有地。まさに悲劇の可能性を持つのは、本著の最終章で述べられる地球温暖化の話。それと付け加えるなら、世界平和や平等などの「現象の維持」だろうか。動学的ではなく、今、この瞬間を維持する幸福感。成長ノルマで奴隷化された現代社会において、静学的に「維持」を唱える事。このことが公共経済学に重要な視点ではないかと感じた。続きを読む
投稿日:2023.12.23
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