【感想】歯医者に行きたくない人のための自分でできるデンタルケア

西原郁子 / アスコム
(5件のレビュー)

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  • yonogrit

    yonogrit

    1150

    歯周病菌は女性ホルモンを栄養源としてるから、女性の方が歯の健康を失いやすいらしい。

    西原郁子
    徳島大学歯学部歯学科卒業。東京医科歯科大学臨床研修医修了。幼少のころからデンタルケアを徹底して行い、現在まで「虫歯ゼロ」で美しい歯をキープしている。現在は都内の有名歯科医院に勤務しながら、歯科医療の最先端技術を学んでいる。


    デンタルケアの基本は、やはり歯みがきです。 ● プラーク( 歯垢) の餌となる、食べ物のカス(主に糖質) を残さない。 ● できてしまったプラークを落とす。 歯みがきによって、この2点がしっかりとできていれば、歯周病やむし歯の予防はもちろん、その進行も止めることができるからです。

    プラークは色が白いので、歯や歯肉溝に残っていても、パッと見ではわかりません。そこで、「歯垢染色剤」を使ってみがき残しがないかをチェックしてみると、口腔内のあちこちに残ったプラークが浮かび上がります。

    みなさん、わりと歯みがきのクセというものがあり、たとえば上の歯列はしっかりみがけているのに、下の歯列にはプラークがびっしりと残っていたり、右側だけみがき残しが多かったり。はたまた、その逆も。 特に、 歯間や歯と歯肉の境目は、ちゃんとみがけていない人が大変多いと思います。

    しかし、就寝時は唾液の分泌も減るため、 一日の中で最も細菌が繁殖しやすい口内環境になります。 そんな状況でプラークを残したまま寝てしまうと、歯周病やむし歯が確実に進行します。 よって、 夜、寝る前の歯みがきは、特に丁寧に行いましょう。

    歯は「食器」だと思いましょう。 食事をするとき、あなたは汚れたままの食器を使いますか? 歯みがきをせずに食事をするのは、汚れた食器に料理をのせて食べているのと同じことなのです。

    ただし、間食のたびにブラッシングをしていると歯や歯茎を痛めることもあるので、 朝食後・昼食後・夜寝る前の一日3回でも問題ありません。 ただし、起床した直後も入れて「4回」の歯みがきを、私はオススメします。

    また、できることなら歯みがきは、 食後 30 分ほどたったタイミングがいいでしょう。 食べてすぐの口腔内は、プラークが酸を生み出して酸性に傾いているため、歯の脱灰が起こっています。 このタイミングでブラッシングをすると、 歯ブラシの毛が歯のエナメル質までも削り落としてしまう可能性があるのです。 食後 30 分ほどたつと、唾液の作用で口腔内は中性に戻り、歯も再石灰化が始まっていますから、歯の表面を傷つけることは軽減します。

    基本的な歯ブラシ選びのポイントは次の5つです。 ● 細菌が繁殖しにくく、適度な強度を持つポリエステル樹脂の人工毛。または、ナイロン毛。 ● 埴毛が密なもの(3列が目安。ただし、密な分、細菌も繁殖しやすいので、清潔な管理を心がけましょう)。 ● 毛は、「ふつう」か「やわらかめ」。 ● 小回りが利きやすく奥歯にも届く、小さめのヘッド。 ● 持ち手はストレートなもの

    歯みがきの時間は 15 分程度 が理想です。 これを「長い!」と感じるか「ふつう」と感じるかは人それぞれ。でも、正しく丁寧にみがいていたら、このくらいの時間は自然と必要になってきます。

    大量に使用しても、効果はさほど変わりませんし、むしろ、泡立ちや清涼感で「ちゃんとみがいた気分」になってしまうのでオススメできません。 極論を言えば、 歯みがき粉を使用せずに唾液だけでみがいても問題ないです。

    歯みがきを終えたら、 舌で全体の歯の表面をチェック しましょう。 特に、鏡では確認しづらい歯の裏側や奥歯を念入りに。 ザラザラとした感触が残っているようだと、みがき残しの可能性があります。 キレイにみがけていれば、歯の表面がツルツルに感じられます。

    超音波ブラシは、音波ブラシよりもさらに高い、100~200万ヘルツの音波を発生させることができます。 歯周ポケットに入り込んだプラークの掻き出しや、細菌のつながりを破壊させることも可能だと言われていて、これらが期待できるのは超音波ブラシだけとなります。 「プラークの除去」に注目するのであれば、やはり、 超音波ブラシがいちばん向いているということになります。

    みなさんは、「ぜったい」という言葉をご存じでしょうか。 漢字で書くと「舌苔」。 その名のとおり、 舌の表面につく「白い苔」のような物質です。 舌は毎日ターンオーバーを繰り返しているのですが、舌苔は、その剥がれ落ちた細胞や食べカス、細菌などから構成されています。 健康な人にもあるもので、舌全体にうっすらと白くついている分には、特に問題はありません。 ただ、舌苔が厚くなっていたり、黄色くなっていたりするときは注意が必要です。 その要因は、 口腔内の乾燥や唾液の分泌の低下、免疫力の低下、喫煙、消化器系の疾患など さまざまです。 舌全体が真っ白になるほど舌苔がびっしりとついていると、口臭や味覚障害の原因にもなりますので、 市販されている専用の「舌ブラシ」 でケアするといいでしょう。ちなみに、歯ブラシでは舌を傷つけてしまう恐れがあるので、やはり専用のブラシがオススメです。

    「なんだかモヤッとする」歯科医院はすぐに替えましょう。

    一方で、「自宅(会社) に近いから」「ネットで検索したらトップに出てたから」「歩いていて目についたから」という理由で歯科医院を選んでいる人もいます。 それでも治療に満足しているのならば問題ありませんが、運任せよりも、 多角的な視点で判断したほうが「いい歯科医師」に出会える可能性が高くなります。 歯の治療は、基本的に一度で終わることはほとんどありません。治療内容に合わせて通っていただくことになります。これは歯科に限りませんが、 患者さんと医師との信頼関係がなければ、ベストな治療は難しくなってしまいます。

    歯周病やむし歯予防のためには、 半年に1回はメンテナンスが必要です。 ぜひとも、「かかりつけの歯医者さん」をつくることから始めましょう。

    日本人が歯を失う原因として、まず思い浮かぶものは何ですか? 「むし歯」と答える方もいるかもしれませんね。 実は、そのむし歯以上に多いのが、「歯周病」 です。 しかも驚くことに、「日本人の約8割が歯周病」というデータも存在します。

    男性は約137万3000人、女性は約194万2000人と、女性が上回っていました。 年代別の割合を見ても、 ● 20 代……約 70 パーセント ● 30 ~ 50 代……約 80 パーセント ● 60 代以上……約 90パーセント

    なかでも 女性は、男性に比べて歯の寿命が短いと言われています。 その理由のひとつに、歯周病菌には女性ホルモンを栄養源とするものが存在することも大きく影響しているようです。 女性は生理(月経) や妊娠・出産などにより、「エストロゲン」や「プロゲステロン」といった女性ホルモンの分泌が大きく変動します。 この女性ホルモンの分泌に連動して歯周病菌が増殖すると、歯周病の進行を早めてしまい、その結果、歯を失う確率も上がっていきます。さらに プロゲステロンは炎症反応を増大させることがあるため、 少量のプラークにも過剰に反応し、歯肉炎を引き起こしてしまう場合です。

    食べ物や飲み物が食道ではなく気道に入ってしまい、細菌が肺で繁殖してしまう「 誤嚥性肺炎」。近ごろ話題になっていますね。 嚥下機能が低下している高齢者は特に注意が必要とされていますが、こうした食事中の誤嚥だけでなく、 唾液を誤嚥するだけでも肺炎になる場合があります。


    ED(勃起不全) やメタボリックシンドロームとの関連性が研究されるなど、注目されている点は多岐にわたります。

    歯周病はもはや、お口の中だけで済む病気ではありません。 「がんのように致命的な病気じゃないから」「特に体に不調を感じないから」と放置しておくと、全身のさまざまな疾患に悪影響を与えてしまうおそれがあるのです。

    人間の食べているものをひと口大に噛みちぎって犬や猫にあげたり、犬が人の口をペロペロ舐めたりする行為は、お互いの歯周病菌をうつし合っているかもしれません。 ペットたちは歯周病が悪化しても自分で痛みを訴えることができませんから、日ごろからこまめにチェックしてあげるようにしてください。


    日本人の死因・第1位となっている「がん」。 その発生機序についてはさまざまな研究がなされていますが、がんの種類によっては、 歯周病やむし歯などの口内細菌がリスク因子のひとつになっているのでは、という説もあります。

    実は、 毎日の歯みがき習慣も立派な「脳トレ」になります! 普通にみがいているだけでも、歯茎へのマッサージや口まわりの筋肉を動かしているので、脳への刺激になり、歯みがき後は気分もスッキリしますよね。また、眠気覚ましに歯みがきをする人もいます。

    また喫煙は、歯周病やむし歯へのリスクを高めです。

    40 歳以降になると、口腔内の免疫力も徐々に弱まってきます。一度悪化してしまうと治療に時間がかかることもあるので、早めに対処することがいちばんです。

    加齢により唾液の分泌量も減っていくので、 歯周病になる人の割合が増え、トラブルが生じやすい時期です。

    これはよく聞かれる質問ですが、実のところ、それほど大きな差はないと思っています。 歯みがき粉は、ブラッシングしやすくするためのものと考え、効能はあくまで補助的な役割だと考えてください。 ただ、ラウリル硫酸ナトリウムなどの発泡剤や研磨剤は、 できるだけ種類が多く含まれていないものを選ぶのがよいでしょう。低研磨、低発泡性のものがオススメです。

    むし歯予防に効果があるとされている「フッ素」は、エナメル質と結合し層を作ることで歯をコーティングし、むし歯菌の浸食を防ぐとされています。
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    投稿日:2023.09.14

  • chocoberry

    chocoberry

    このレビューはネタバレを含みます

    タイトルの通り、自分でできるデンタルケアが紹介されている。むし歯や歯周病の仕組みがわかりやすく書かれてあった。歯の磨き方も書かれていたが、以前読んだ「100歳まで自分の歯を残す4つの方法」の方がポスター付きでわかりやすいと思った。
    印象に残ったこと。
    ・歯磨きは毎食後おこなうことが理想。起床後も含めた4回がおすすめ。できることなら食後30分後。
    ・所要時間は15分程度が理想。私は10分だったので、まだ上があったとほっとした。
    ・筆者は、歯磨き→デンタルフロス→トリートメントをかねて超音波電動歯ブラシを使っているとのこと。トリートメントをかねてという考えがおもしろい。

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    投稿日:2022.04.29

  • haruka2006

    haruka2006

    今、ハマってるデンタルケアの話。自分の知識は合ってるーと確認できたのは良かった。
    歯茎マッサージとか、口腔内マッサージ(唾液腺マッサージ)…にわりとページを割いていたけど、アルマガム、歯科矯正など通りいっぺんな感じ。できればもう少しこの先生の考え方が読みたかった。
    初心者向けの基礎ガイド的な内容だったのですが、歯に興味がないとこの手の本は読まないだろうし、その場合はもう少し突っ込んだ内容も欲しいし(具体的なエピソードとか)…匙加減が難しいですね。
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    投稿日:2021.08.29

  • おつまみ

    おつまみ

    自分でできるデンタルケア、というタイトルに惹かれて読んでみた。
    文章自体はわかりやすく、絵も多いので、すらすら読める。内容は今すぐできることばかりで、いかに普段自分がサボっていたかを思い知らされた。デンタルフロスは気が向いた時にしか使わないし、朝起きてすぐ水を飲んでたし、歯医者にかかる回数もかなり少なめ…いや怖くてなかなか行く気にならないというのが本音。
    でもやっぱり歯は人の印象を左右するし、おいしくご飯を食べるためには大事にしないといけない。なくして気づく、というのでは遅いと再認識。
    日本の歯科治療は予防ではなく、治療が中心になってしまっているのは、保険適用にならないから、だそう。でも多少払っても自分の健康を守るためなら惜しくない。むしろそのお金で健康が買えるなら安いと思って、次の週末に歯医者に行こう。
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    投稿日:2021.01.11

  • たけ坊

    たけ坊

    個人でできるデンタルケアについて、簡単にわかりやすくまとまっていて良い。早速歯の磨き方やタイミングだったりを取り入れてみてる。

    投稿日:2018.11.13

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