0
天城ケイ, ニノモトニノ / 富士見ファンタジア文庫 (2件のレビュー)
レビューを書く
総合評価:
"powered by"
タカツテム
この巻で登場する舞台と言ったら序盤の海と話の大部分を締めるギンヌンガの逆さ城くらいのものだと言うのに非常に濃密な内容になっているね と言うか、この巻は本当に温度差の激しい展開が幾つも有るね 読み始め…た当初は海で組んず解れつするシーンに「ここが最高潮なのでは?」なんて思ったりしたものだけど、読み終わってみれば別の意味でもっと凄まじいシーンが幾つも有って、海のシーンの印象が霞んでしまう いや、本当に海のシーンは良かったんだけどね。何時になく少女達に対して攻めに転じるクーファや呑気に遊ぶ公爵家の面々の様子からは世界の危機なんて微塵も感じられなかった だからこそ、この後に続く危機に危機が連続する展開には度肝を抜かされる 繰り返すことになるけれど、この巻は描かれる舞台の殆どがギンヌンガ城に終止するし、敵となるのも女王とダミアンくらいのもの けれど、引っくり返される城や亡霊船長に拠ってクーファのみならず公爵家の当主までもが翻弄される展開の数々が狭い空間で遣り取りされる話だということを忘れさせる。まるで大冒険が描かれ、その中で登場人物が悪戦苦闘しているかのような印象を受ける そしてそれぞれが苦闘するということは誰しもが全力を出す必要があるわけで。まさかセルジュだけでなくアルメディアやフェルグスにも見せ場が有るとは思わなかった。本当に総力戦そのものじゃないか こうなってくると実力としてはまだまだな少女たちの見せ場が少なくなってしまうものだけど… そこは命ある家具たちを相手に大立ち回りを演じてみせたね 合体怪獣のような家具を前にきちんと弱点を見つけた上で撃退してみせたメリダの活躍は素晴らしい 城や亡霊たちが再び眠りにつくラストシーン。あれ程に誰しもを翻弄し続けてきた憎き者たちの終焉だと言うのにそこに一抹の寂しさを感じることになろうとは 判り合うこと無かく終りを迎えた死に逆らった双子。それでも300年の孤独を耐えた二人は最後の瞬間にささやかな幸福の幻想を手にしたわけで 余人が入れない空間を滝が包み込むかのような終わりには思わず感傷的になってしまうね 結局、明らかになることはなかったメリダの出自。ただ、こうして女王の発言など様々な状況証拠が揃ってくると本格的にメリノアの不貞を疑うしかなくなるのだけど…… また、メリダだけでなくミュールにも出自への不信感が生じるとは予想外。コルドロンは反応していたから公爵家の人間であることは確かなのだろうけど、ラ=モールの人間ではないのか…?続きを読む
投稿日:2020.08.15
dora3333
このレビューはネタバレを含みます
次の巻ではさらなるピンチがクーファ達に降りかかるようですね。 モルドリュー卿からの指令の内容はどんなものなのでしょうか。
投稿日:2018.03.03
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。