【感想】ロシアについて 北方の原形

司馬遼太郎 / 文春文庫
(46件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
7
19
10
2
0

ブクログレビュー

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  • taishibrian

    taishibrian

    司馬遼太郎氏が『坂の上の雲』など、ロシアを題材にした作品を執筆する中で感じた彼の国に関する論考がまとめられている。その歴史的な成り立ちや、「タタールのくびき」等の民族的価値観に影響を与えた経緯について、体系的に理解できる。

    ロシアの日本に対する羨望は、領土拡張などの野心というよりも恋慕に近い感情がある。シベリアという巨大な大陸を抱え、そこに暮らす住民たちの飢えや経済交流を極東側の列島に期待してきた歴史があるが、鎖国し毛皮や自然資源をさほど求めてない日本はずっと交流を絶ってきた。

    帝国としては後発で、広大な領土をまとめるためには統制的な絶対君主が必要な国家体制は、実は今も変わっていない。そして常に飢えてきたロシア国民にとっては、ウクライナ周辺の肥沃な農地は手放してはならない不凍の食糧庫だろう。現在の国際情勢にも繋がるロシアという国の源流を知る上で良書である。
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    投稿日:2024.04.12

  • reso100

    reso100

    某所読書会課題図書:シベリアを中心に東方のロシア、南方の蒙古、中国の動向を非常に長いスパンで詳述したものだが、知らない事実が満載で楽しめた.ウクライナがある意味でロシアの原点であるとの指摘もあり、2022年2月に始まったウクライナ侵攻も歴史的な考察が必要だと感じた.シベリアに進出したロシアが日本の存在を知り、様々な工作を仕掛けてきた歴史的事実も、現代人として知っておく必要があろう.工藤平助(1734-1800)などあまり歴史の表に出てこない人物に注目していることに感心した.イルクーツクという地名は、小生が小学生時代 我が家によく来ていたおじさんがイルクーツクにいたことを話してくれたことを思い出し、懐かしかった.続きを読む

    投稿日:2024.03.17

  • 9678

    9678

    司馬さんのロシア感は深いです!ウクライナとの戦争も歴史的な背景があるようです。タタールのくびき、とか

    投稿日:2023.05.08

  • 達朗

    達朗

    どっかのおすすめで出てきたので読みました。意外と国としてのロシアの歴史はそんなに長くなく、モンゴルなどにいた遊牧民に支配される時期が長かったんだなと。シベリアという土地を併合してからロシアという国は始まり、シベリア経由で日本に接近してきて今日に至る流れはわかりやすかった。雑談に書いてあったが北方領土をロシアが手放さない理由がヤルタ会談にあり、外蒙古を中国に間接的に返さなきゃいけなくなるからっていうのは納得した。続きを読む

    投稿日:2023.05.05

  • えんじぇる

    えんじぇる

    ロシアと中国とモンゴルとチンギス・ハーン。
    千島列島。
    ロシア人の気質の成り立ちが、地理的に歴史的に理解できました。
    この本は、高校時代に読みたかったです。

    今まで司馬遼太郎さんを敬遠していたこと反省しました。
    あらためて『坂の上の雲』を読みたいと思います。

    図書館で借りましたが、文庫本を購入しました。読み返したい本です。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.30

  • とお

    とお

    こんな時期だから読んでみた。ロシアを巨人の左腕と右腕に例えていた。そこに生きている人と牽制者はきっと違う。

    投稿日:2023.02.18

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