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黒田基樹 / 角川選書 (1件のレビュー)
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のり
羽柴秀吉の政権時代、有力大名の名字はすべて「羽柴」であった!関白・秀吉は、参内の際に主要大名を侍従以上の公家成大名に任官、同時に羽柴名字を与えた。秀吉と婚姻関係にある大名、織田家出身・旧織田家臣の大名…、さらには旧戦国大名の有力者までが、秀吉に服属後、相次いで羽柴名字を与えられた。これは何を意味しているのか。新しい武家の政治序列を創り出した、秀吉の野望と類い稀な政治手腕を描き出す。(2016年刊) ・はしがき ・第一章 羽柴名字と公家成大名 ・第二章 秀吉の一門大名 ・第三章 秀吉の親類大名 ・第四章 織田家の人々 ・第五章 旧織田家臣の人々 ・第六章 旧戦国大名の人々 ・第七章 羽柴名字の消滅 ・羽柴名字一覧 ・あとがき 大変な労作ではあるが「秀吉の野望と類い稀な政治手腕を描き出す」とまでは言えないのではないか。内容としては、羽柴を名乗った人々を対象とした人名辞典としての部分が、大半を占める。欲を言えば、秀吉による官位序列に関する研究のあらましが欲しいところであるが、他書を併せて読むことにより、理解を深めることは可能である。 人名辞典という性質上、退屈であることは否めない。網羅された52家74人を、端から端まで読み抜くことは、ある種の苦行といえるが、目的を持って引く分には重宝しそうである。 あとがきにもあるとおり「現段階において明らかにできたことをまとめておくことに、十分な意義がある」と思われるし、羽柴政権を考えるうえで、重要な知見を与えてくれる。 「豊臣大名や羽柴政権から初期徳川政権の時代について、あらためて追究に取り組んでいき、その成果を発信していきたい」とのことなので、さらなる成果を期待したい。続きを読む
投稿日:2018.01.05
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