【感想】マルの背中

岩瀬成子, 酒井駒子 / 講談社
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • no-chindayo

    no-chindayo

    子どもの頃は些細なことが不安だったり、悲しかったり。大人になって、自分が親に言われて嫌だったこととか傷ついたことを結構覚えていたりする。
    なのに、子どもの気持ちがわかるか?といえば意外とないがしろにしてたり、、
    子どもって、より幸せに生きるために虚勢をはり、良い子でいようとし、我慢もしてるんだな。
    離婚した母と暮らすあずみちゃん、大好きな弟とはこころの距離がこれ以上離れませんように。
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    投稿日:2023.09.29

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    「両親が離婚し、あずみは母親と二人暮らし。ある日、近所の駄菓子屋のおじさんから頼まれて、マルというネコを預かることになる。」

    「子どものころ、自分の思っていることや気持ちを巧く言葉にできなくて、悔しい思いをした記憶はありませんか?子供だって複雑な感情の流れはあるし、色々考えてもいます。ただ、使える言葉の数も表現方法もまだ少ない。だから巧く伝えられらなくなってしまう。ーこの物語は、子どもの気持ちに寄り添い、YAにもわかる言葉に転換して語っているのではないか。そうすることで、子ども時代の気持ちを読者に思い起こしてほしいのではないか。そう思います。」(『10代のためのYAブックガイド150!2』ポプラ社 より抜粋)続きを読む

    投稿日:2023.05.07

  • コハマ

    コハマ

    このレビューはネタバレを含みます

    小学生。猫。駄菓子屋。母子。弟。
    駄菓子屋の猫マルを預かる数日。物の少ない生活と亜澄の感じることと。

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    投稿日:2018.09.26

  • 海(カイ)

    海(カイ)

    このレビューはネタバレを含みます

    【図書館】ネコはあまり好きではない。しかし、酒井駒子さんの表紙で手に取った1冊である。猫のマルと亜澄の関わりを読んでいて、家の屋根に住みついた猫が子猫を産んでしまった猫のチャトランのことや高校に住みついていた猫に味噌汁で出汁を取った後のにぼしを持って行って、あげていた猫のことを思い出した。マルと亜澄、お母さんと亜澄の一生懸命に生きている風景が浮かんで来るようでした。

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    投稿日:2018.01.26

  • フラニー

    フラニー

    パートだけで子育てや家事に専念してきた主婦が、突然の離婚。特に資格もなく、いままでのような生活費を得ることかどんなに難しいか…。

    仕事が決まらない不安と苛立ちからか、「死のうか」と娘に言ってしまう母

    その一言から、不安と小さな怒りと夏休みを過ごすことになる安澄。

    でも、ナゾの店のおじさんに頼まれ、猫のマルの面倒を見ることになる。お店に来るお客たちから、マルの背中の丸い模様をさわると、願いが叶うと言われている。

    安澄には、マルがいてくれた、あの夏休み。
    離れ離れになってしまった弟、理央。理央には、ゾゾがいた。

    母がコンビニのパートの後、帰ってこない日がある。
    もしかしたら、自分だけ死んでしまったのか…マルの背中を撫でながら、不安に耐える安澄の姿に胸を締め付けられる。

    周りの大人たち…
    駄菓子をたくさんくれ、マルを預けてくれたおじさん、おじさんの店の常連の化粧の濃い女の人と、おばあさん。
    教会の人たち。
    それから安澄にちょっかいを出す自転車の中学生。

    感動作とは思わない。
    淡々とした、大人たちとのかかわりの中で、自分らしさをしっかりともっていく安澄。

    母の仕事がどうなるのか、ゾゾは、とこに行ったのか…

    それがこの、安澄とマルの夏のおはなし。

    私には映画のようにありありと安澄の呼吸か聞こえてきた。
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    投稿日:2018.01.21

  • kuritanu

    kuritanu

    岩瀬さんは児童文学者としては社会派なんだ。
    いじめや不登校をテーマにして、共感させて明るい未来を感じさせる終わり方っていうのが、今どきの児童文学の定番で、虐待や貧困が出てきても、そんなに生々しくは描写されないし、最悪の状態ではないのが普通なのだが、このところの岩瀬さんのは救いがないというか、あまりにリアルというか。
    『きみは知らないほうがいい』も『ぼくが弟にしたこと』も逃げ場がない感じだったが、この本の貧困シングルマザー家庭も、これからどうなってしまうのだろうかと、読んでて心配になるのだが、最後まで状況は変わらない。お菓子を食事にしたり、母親が帰ってこなかったり、気に入っている服を「あんたには似合わないから」と説得されて売られたり、母が転職するのも、学校給食のパートから清掃業で明るい未来は見えない。実際貧困家庭ってこうなのだろうけど、小学生の女の子が語る形式をとっているので、この子の心がどんなに不安と寂しさで押しつぶされそうになっているかが伝わってきていたたまれない。(またこういう子どもの心情を語らせるのが上手いんだ。)
    主人公だけでなく母はもちろん、別れた父と暮らしている弟も情緒不安定から見えない生き物がいると言ったりするし、老母と暮らす絵描きの老嬢も、教会の人も、近くの戸建ての子も、皆心に闇を抱えて生きにくそうにしている人ばかり。
    『そのぬくもりはきえない』や『「うそじゃないよ」と長谷川君はいった』『まつりちゃん』は厳しい状況を描いても、救いがあったし、『くもりときどき晴レル』は切ないけれどさわやかで良かったのだけど、なんか、これは『迷い鳥飛ぶ』系の暗さ。子供向けとしてはちょっと辛すぎる。
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    投稿日:2016.11.12

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