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愛川晶 / 文春文庫 (11件のレビュー)
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uettee
神楽坂謎クラブの続編である。こちらも非常に読みやすい文体で書かれているので、落語の世界を知らなくても読める。個人的には表紙のカバーが、気に入っている。 複雑ではないが、高座の上の密室のミステリーが展開…されているので、気になったら軽く読めるので、手にとってみるのもありかな。続きを読む
投稿日:2023.05.07
gaaco
劇場とか、寄席という場所が好きだ。 現在のものとは違う、と分かっていても、歌舞伎座に行けば、升席でちろりで燗をつけながら、一日ゆるゆると芝居を楽しんだ、江戸の人々の雰囲気を想像する。 寄席ならば…仕事…が終わって、銭湯でひと風呂浴びた帰りにふらりと寄席に立ち寄った明治、大正の時代か。 今は田舎に住み、そういうところへめったにいけないから、余計に妄想が強まっているような。 さて、この作品は、寄席の舞台裏、それを支える人々がクローズアップされる。 寄席の席亭の仕事などはその筆頭だ。 出演予定の芸人が急病で代演を手配する。 マスコミからの取材の窓口になる。 芸人間のトラブルの仲裁をする。 従業員たちの暮らしぶりにも配慮する。 太神楽の「ひとろく」(真打にあたるもの)に値するかを見極める。 …どれも生半可な仕事ではない。 これを、父親の回復までとはいえ、今まで全く寄席とは関わりがなかった主人公の希美子が引き受けることになったというのが本シリーズの設定。 第二作では、手妻と太神楽の芸人が中心となる。 それぞれの芸についてのあれこれが、さりげなくちりばめられているのもうれしい。 客席のお客さんを見てその日披露する芸の演目を変える。 よい芸人にはそんな細やかな配慮もある。 そんなことを知ることができるのも楽しい。 そういえば、昔、田舎から出てきた両親を連れて池袋の演芸場に行った。 亡き小三治師匠がトリを務める日で、大賑わいだった。 チケットは当日販売。 両親は足が弱っていたので、早く歩けない。 そこで一足私が先に行って、チケットを買って席をとっておこうと思ったのだが、本来はそれができないルールのようだった。 「テケツ」のお姉さんに事情を話してみたら、通路に臨時に作った席だったら、今席をとってしまっていい、と特別に対応してくれた。 両親はおかげで最初で最後の小三治師匠の高座を見ることができた。 こんな実体験があると、この小説にあるような世界も、きっと本当にあるんだろうな、と思えてくる。続きを読む
投稿日:2022.07.03
yu
就活時、後楽園近くの本屋で平積みされている本書のカバーに魅かれて購入。面接前だったのでまだよく覚えている。だから、この本を見ると内容よりも真っ先にそこ時のことを思い出してしまう。
投稿日:2021.08.29
jitan
内容(「BOOK」データベースより) 出版社から寄席・神楽坂倶楽部に出向中の希美子は新米の席亭(プロデューサー)代理として奮闘中。寄席に欠かせない色物芸の世界を覗き見ると…。手妻「葛篭抜け」で人気を博…す美貌の母娘。超難度の芸に精進する太神楽師。彼らの芸が謎と事件を次々と引き寄せる。超絶技巧の本格ミステリ、鍵は「人情」だ!続きを読む
投稿日:2020.10.02
あまぐも
+++ 出版社から寄席・神楽坂倶楽部に出向中の希美子は新米の席亭(プロデューサー)代理として奮闘中。寄席に欠かせない色物芸の世界を覗き見ると…。手妻「葛篭抜け」で人気を博す美貌の母娘。超難度の芸に精進…する太神楽師。彼らの芸が謎と事件を次々と引き寄せる。超絶技巧の本格ミステリ、鍵は「人情」だ! +++ 神楽坂倶楽部シリーズの二作目。希美子も寄席のことが少しずつ分かってきて、なんとか席代の役目を果たしている。いやいや出向してきたはずが、次第に寄席のあれこれに興味を持ち始め、思案を巡らすようにもなってきた。自らの生い立ちをはじめとして、聞かされていないこともまだまだあるが、少しずつ明らかになってきていることもあって、ますます愉しみである。今回スポットが当たっているのは、落語家ではなく、色物と呼ばれる手妻と太神楽であり、落語とはひと味違った興味が湧く。謎解きも、人間関係を軸にしたものであり、やはりつまるところ人間なのだと思わされる。まだまだ解けていない謎があるので、次が愉しみなシリーズである。続きを読む
投稿日:2016.07.06
tuppence
密室というので、本当の事件があるのかと思ったのだけど、そういう展開ではないのね。 高座から消えた女の子の謎、ああいう展開で、本当によかった。 いろんな意味で、ちょっと物足りなくはあるけど、後味は悪くな…い。続きを読む
投稿日:2016.03.01
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