【感想】木曜島の夜会

司馬遼太郎 / 文春文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • acchan1100

    acchan1100

    潜水士の話としては、以前読んだ「マンハッタン・ビーチ」が思い出深いが、当時日本人がオーストラリア近海の海底に潜って貝採取していたということに驚き、また戦争に巻き込まれて不遇な目に遭いながらも現地人と仲を取り持ちながら事業を広げていくなど昔の人は偉大だったと驚く。木曜島という島の存在もこの小説で初めて知り、感慨深い。
    短編で明治維新時代に有名にはならなかったまでも名を残した人物が描かれているが、小説として書かれていなかったら知ることのなかったスピンオフ的なもので、へぇとはなるものの、歴史資料を読んでいるようで自分にはいまいちでした。司馬遼太郎の作品自体がほとんど読んだことがなく、純文学は苦手だと改めて知ることになる。
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    投稿日:2023.02.05

  • タケ

    タケ

    このレビューはネタバレを含みます

    「木曜島の夜会」明治~世界大戦 ごろにオーストラリアで日本人が潜水夫として働いていたとは知らなかった。
    「有隣は悪形にて」松陰先生じゃなくて富永有隣にスポットを当てている割に良い書き方じゃないなぁ…。最後に突然国木田独歩が出てきてびっくりした。そういや独歩も山口ゆかりで英語塾開いてたわ…。
    「大楽源太郎の生死」しばりょは大楽が嫌いなのでは…?と思う感じの書き方。
    「小室某覚書」地味だけど成功した人物

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    投稿日:2021.06.30

  • koba-book2011

    koba-book2011

    「木曜島の夜会」1976「有隣は悪形にて」1972「大楽源太郎の死」1972「小村某覚書」1967の4篇。
    分量的にも、なんと言っても読ませるのは「木曜島の夜会」。ほかは、可も無く不可も無く、それ目当てに買うような商品では無い。
    1976というともう司馬遼太郎的には「長編小説晩年」とでも言うべき時期で、だいぶ脂の乗ったエンタテイメントでは無く、謎の枯淡の深き味わいとでも言うべき変容を来しています。そのあたりの司馬節が好きな人には、堪らない中編。僕は好き。

    オーストラリアに近いところに「木曜島」という小さな島があって。
    昔そこで真珠や、貴重な貝が取れた。
    1900~1950くらいか?ソレを捕るために、危険な潜水を繰り返す仕事があり、
    それがなぜか熊野出身の日本人が多かった。
    その仕事のOB?たちの「人々の跫音」とでも言うべき内容。

    大昔に、南太平洋の孤島に仕事でしばらく居たことがあって、
    なんとなくアンな感じかな、と。
    懐かしかった。
    祇園精舎の鐘の音、という味わいの小説というか、エッセイというか。
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    投稿日:2021.02.27

  • woody-kenji

    woody-kenji

    木曜島の旅行記と、幕末に過ごした人物に関する3つの小編。木曜島の話は、かつて、南海の孤島に繰り出した、こんな日本人が少なからずいたことに驚いた。

    投稿日:2021.01.11

  • 大塚みなみ

    大塚みなみ

    短編4篇。エッセイなのか、歴史小説なのか。きっちりと区別しないまま読み進めていく、いつもの司馬作品的読書。4つのうち3つは幕末が舞台となっていて、歴史ファンにとっても司馬ファンにとっても馴染みが深い世界だ。もうひとつ、表題作は明治から昭和にかけてが時代背景。題材として扱っているのは、歴史的人物でもなんでもない「海外出稼ぎダイバー」で、司馬作品の中でも異色作だ。そのぶん、読みにくさもあったが、読み終わってしばらくしても、独特の作品世界が心に残る。続きを読む

    投稿日:2020.09.26

  • yoshi2013

    yoshi2013

    木曜島の夜会
    司馬作品では歴史紀行物として、ただ題材が近親者の歴史である点が異色ではあるが、明治から昭和にかけての潜水夫の過酷さ、心意気などに興味が湧き、楽しんで読めました。心細い手かがりを手繰り、よくも交通の便が悪い木曜島まで出向きましたね。比較的最近の話なだけに現在が気になるところです。潜水夫たちはダイブを通して単に稼ぎだけではなく海の素晴らしさを感じたのではないか、と思いました。

    有隣は悪形にて
    大部分は「世に住む日々」とかぶるが、富永有隣の悪辣ぶりに憤懣します。吉田松陰の恩に仇で返す行動に、吉田の処刑の遠因を感じます。

    大楽源太郎の生死
    この人もろくでもない筋の通らない生き方であるが、命を尊ぶ現代人たる自分からしたら大いに同情すべき部分もあり。しっかりした挟持かなければいかによい機会に恵まれても大事は成せませんね。

    小室某覚書
    細かなところまで調べて推察をし、ひととなりまで炙り出す執拗な作者の執念を感じるが、このような無名な人物まで興味を持ちまとめ上げるとは。
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    投稿日:2018.09.04

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