【感想】ゾーンにて

田口ランディ / 文春文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • そっぽ

    そっぽ

    これまでの作品でもそうだが、作者も明確な答えを出すというより、迷いの中で書いたんじゃないかなと思った。東日本震災の復興も、福島の原発事故の未だに終わっていない。その中でさまざまな迷いを抱きながら今日まで人生を歩んできた人々が登場する。明確な答えは見つからないまま、時間は進んでいく。世の中は矛盾に満ちている。それぞれが持つこれでいいんじゃないかな、こうなんじゃないにかなという自分なりの答え、妥協点を信じながら、疑いながら、受け入れている。他人が何と言おうと本人が決めること。人と人のゾーンというものも存在する。そこを尊敬の念を持って跨がせていただいたとき、分かり合える小さな小さな一歩となるのかなと思ったら。続きを読む

    投稿日:2021.02.22

  • さくらみ

    さくらみ

    うーん…これまた深い。かつて私がよく訪れていた第一原発のお膝元、富岡町の美しい緑の風景を思い出しながら読みました。
    登場人物のさりげない一言や立場に、福島の現状がちりばめられていて、考えさせられると共に、福島というゾーンが一つの聖域のようになり、生と性と死がつながって繁殖している感じ。
    静かなのに騒がしく、腐敗しているのに逞しい。人間と自然の生きる力が、むしろ際立っていく、それがゾーン。
    続きを読む

    投稿日:2017.03.21

  • meowmeow

    meowmeow

    福島の警戒区域を舞台としたお話。その地域に生まれ、根付いて暮らし続けることを選択した人達に何もしてあげられていないことを痛切に感じる。

    投稿日:2016.03.02

  • ぶっくまん

    ぶっくまん

    2011.3.11東日本大震災からもうすぐ5年が経とうとしております。本作は被災地福島の警戒区域【ゾーン】と呼ばれるエリア近隣での現状を書いた作品です。とにかく、全体を通して重たいです。もちろん軽いワケがなく、田口ランディさんだからこそ、こういうスタイルで書きとおせるのかなと思われます。被爆、マイクロシーベルトなど、普段の生活には程遠い用語が次々と普通に繰り出され、被災地の‘今’を浮き彫りにしています。そんなエリアでも、人々が色んな想いを抱え、生きていこうとする姿勢に涙なくしては絶対に読めない作品でした。続きを読む

    投稿日:2016.02.23

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