【感想】百姓の力 江戸時代から見える日本

渡辺尚志 / 角川ソフィア文庫
(5件のレビュー)

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  • UD

    UD

    2022.12.某日
    百姓とは何なのか。
    昔からよく聞く言葉だけど、その本質は何なのか知りたくて読了。

    印象に残ったこと
    ・現代の家族は生活の単位であり、生産の単位ではない。これに対して江戸時代の家は、共同で生業を営む生産の単位だった。家名、家業、家産が、ワンセット。
    家名とは、家に代々伝わる名乗り。子供は時がくれば親の名前を襲名するのは、家名を継承していくから。
    ・「土地利用の高度化」という言葉が出てきたが、ここでは「二毛作や輪作などの生産量を増やす農業的工夫」のことを指していて面白い。現代の都市計画での土地の高度利用との違いが新鮮だ。
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    投稿日:2023.01.15

  • rukiyo

    rukiyo

    江戸の農村について初めて読んだ本。

    江戸の村は想像以上に仕組みが複雑で文化的だったようだ。
    土地所有という観点からみる共同体の仕組みは現代と違っていて興味深かった。
    一方で日本の地方に根強く残る地域性や性質みたいなものは江戸時代に形作られ、現代に続くいているのだろう。続きを読む

    投稿日:2022.09.15

  • tagutti

    tagutti

    <目次>
    第1章  江戸時代の村と現代社会
    第2章  なぜ村に古文書が大量に残されたのか
    第3章  村はどのように生まれたのか
    第4章  土地は誰のものだったのか
    第5章  山野は誰のものだったのか
    第6章  年貢はどのように取られたのか
    第7章  村落共同体とは何か
    第8章  領主は村とどのように関わったのか
    第9章  村と村はどのように結び合ったのか
    第10章  村人の世界はどのように広がっていったのか
    第11章  村はどのように変わっていったのか
    おわりに  近代への展望

    <内容>
    江戸時代の農民及び村落についての基本書になるだろう。教科書で無味乾燥に書かれている村のシステムや税制などを具体的な紹介を含めて説いてくれる。
    続きを読む

    投稿日:2020.04.21

  • hakuhatu

    hakuhatu

    近年、図書館や地域の民俗資料館・博物館を中心に各地の地方文書を読むグループがふえています。私自身も河内国讃良郡の地方文書の翻刻に取り組んでいる。
    そうした翻刻作業の基礎知識として江戸時代の農村の成り立ちがよく判る書籍です。
    また、著者自身が取り組まれている村落の状況が描かれているので、自分がfieldとしてる村落との違い、共通点が判って面白い。
    同好の士にはお勧めの一冊。
    続きを読む

    投稿日:2019.07.15

  • saga-ref

    saga-ref

    中世から近世にかけて百姓を視座に歴史を考える。元はフィールドワーカーに向けた指南書のようだが、農本主義の下での百姓の生活が伺い知れて興味深い。「百姓」については網野善彦氏の著書で農民だけを指す言葉ではないことは既知だが、本書を読むと農民が兼業として非農業生産に携わりながらも農業を捨てない者が大半であることが分かり、言葉の由来と現状が理解できるような思いだ。農地の所有権に限っては、明治の登記法施行によって改悪されたように感じる。続きを読む

    投稿日:2017.08.21

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