【感想】沖の権左

志坂圭 / ディスカヴァー・トゥエンティワン
(1件のレビュー)

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  • misachi68

    misachi68

    江戸時代の捕鯨のお話です。
    権左はあまりにも大きく獰猛なマッコウクジラで、漁に失敗して多くの犠牲を出した経験から
    勝山では権左を捕るのは禁じられた。

    鯨漁には300人くらいの大きなチームで挑むんですね。
    役割分担も細かく、手順もしっかり決まってる。
    船も何艘にも分かれてたり、頭領以下の格付けもあったり。

    そんな鯨漁の村で育った15歳の吾一は、父重吉のような頭領になりたいと思っていたのに、
    父を亡くしただけではなく、父が掟に背き、被害を多く出したことで、
    村八分となってしまう。
    おまけに殺しの濡れ衣を着せられ、牢に入れられる羽目に。
    そこで石工の徳次郎と、お調子者の和助に出会う。
    殺しの容疑は晴れたものの、村には自分の居場所はなく、
    母と弟妹を残し、江戸に向かうこととなる。

    鯨とは無縁の生活を送ることになるが、
    石工として鍛えられ、金のために相撲に出て、勝って有名になっちゃったり、
    さらに、鯨を捕るための道具を思いつき、その製造方法のために
    金が必要となり、あちこち奔走する。

    短気で寺子屋も真面目に通わなかったから字も読めない吾一だが、
    人と駆け引きもできるくらい成長も見せる。
    人物の描き方は前作同様、血が通っていて、どの人も魅力的。
    特に、和助はちゃっかりしていて小狡いんだけど、
    吾一との会話はコミカルで笑える。

    情を通じた遊女のシノとの関係も暖かくてホッとする。
    彼女の存在なくしては道具を作ることもできなかったし、
    生きるための原動力になってたんだろうなと思う。

    準備を整え、権左との対決のために帰郷し、
    冷たかった周りの人たちをも動かし、
    自分の首をかけての大勝負に挑むことになる。

    ラストには父の死の真相まで判明してすっきり。
    希望に満ちた明るいエンディング。

    読みやすくて、前のめりな感じで一気読みでした。
    面白かった〜〜
    どっぷりと江戸時代の青春モノに浸りました。
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    投稿日:2016.06.29

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