【感想】なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

シャーリイ・ジャクスン, 市田泉 / 東京創元社
(24件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
4
6
10
2
0

ブクログレビュー

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  • おかゆ

    おかゆ

    『行方不明の少女』はウワー…となる感じで良かったのと、誰がどう読んでも破滅に向かっていることがわかって一周回って潔さすら感じる『「はい」と一言』が印象的だったがそれ以外はそこまで響かず…。長編を読むとまた違うのかもしれない。続きを読む

    投稿日:2024.05.13

  • りおん

    りおん

    このレビューはネタバレを含みます

    不気味さや悪意についての話が多かったけど、エッセイが入っていたり少しほっこりするような話もあったりで面白かった。

    とくに好きだったものについて。

    『スミス夫人の蜜月』
    オールドミスが結婚することになったがどうも近所の人々の様子や夫の様子がおかしくて…という話が2バージョンある。
    知ってる場合と知らない場合。
    それぞれ違った不気味さがあってどちらも好き。

    『ネズミ』
    夫を管理したがる妻の行動が怖い。
    通帳やラストの描写はあることを仄めかしているようだけどはっきりとはしないところがまた不気味。

    『逢瀬』
    後ろを誰かがついてきて最後には…という幻想的で怖い話。
    どういうことなのかはっきりとは書かれないけど、タイトルなどからもいろいろ考察できる。

    『なんでもない日にピーナツを持って』
    美しくみせかけた悪意。
    なんだろうなこの話は……と思っていると最後にゾッとする。

    『悪の可能性』
    こちらはわかりやすい話だった。
    わかりやすいけど、善意のつもりの悪意で嫌な気持ちになる。でもラストはちょっとスカッとするかな。

    『おつらいときには』
    善意のようにみせかけた無関心。
    こういうのが一番気分が悪いのかもしれない。

    『メルヴィル夫人の買い物』
    これはちょっと笑える話。
    メルヴィル夫人も嫌なやつだし店員たちもみんな嫌な感じだけどなんだかコメディ色もある。

    『レディとの旅』
    男の子と犯罪者の女性との一瞬だけの青春という感じで爽やかな気持ちになれた。
    こういう話もあるんだとちょっとびっくり。良かった。

    『家』
    日本の怪談でもありがちな展開だけど、人間同士の心理描写もよかった。

    あとは5編のエッセイがあって、案外作者は普通のお母さんをやってたんだなぁってことに少しびっくり。
    作品からすると独身の人間嫌いなんじゃないか、なんてイメージがわくけど実際は4人も子供がいて肝っ玉母さんみたいな感じ。
    子供やデパートに大変な思いをさせられてるけど、軽妙な感じで小説とは違う面白さがあった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.03

  • mamimina

    mamimina

    シャーリィ・ジャクスンの死後に見つかった、未発表・未収録原稿から選りすぐった短編集。
    時代が変わっても変わらぬもの…それは人の悪意。小さな意地悪、ささやかがゆえにどこに刺さったか見つけづらいけど確実に心を蝕んでくる悪意を描かせたらピカイチですなー。
    そんな顔とはうらはらに、楽しい子育てエッセイもあったりして、意外な発見。楽しみました。
    続きを読む

    投稿日:2022.04.12

  • book1574

    book1574

    恐怖とユーモアをドライな筆致で表現した短編集です。人間の底知れぬ悪意を感じる作品が多く、後味の悪さと奇妙さがクセになります。「ネズミ」は支配的な妻とネズミを巡る話。恐ろしさを感じる一方で謎も残るラストが良いですね。続きを読む

    投稿日:2022.03.14

  • nt

    nt

     アメリカの作家シャーリイ・ジャクスン(1919-1965)の、死後刊行された作品集から抜粋し翻訳されたもの。
     初めて読む作家で、ホラー短編集だと思って読み始めたのだが当てが外れた。ホラーっぽいものはごくわずかで、大半はジャンルがよく分からず、ちょっと辛口なブラック・ユーモアものが多い。
     ごく短い小説ばかりだがどうもオチがすっきりせず、読後「なにこれ?」と戸惑うものが多いので、最初はそれでひどくがっかりした。しかし、文章は悪くない。スムーズに読めてしまうので、その都度また何となく読んでしまうのだった。
     筆力はそれなりにある作家のようなので、もうちょっと有名らしい長編小説も読んでおきたい。
    続きを読む

    投稿日:2022.03.01

  • あくら

    あくら

    このモヤッとした読後感がくせになる。
    強烈な悪意ではなく“匂わせる”程度のものだからこそ余計に恐い。
    夫婦の関係を扱ったものが多く「よき妻」「ネズミ」「アンダースン夫人」などはうすら寒いものを感じさせる。
    エッセイもなかなか強烈。
    作品だと思って読んでたらまさかの実話。
    続きを読む

    投稿日:2021.06.15

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