【感想】プラントハンター ヨーロッパの植物熱と日本

白幡洋三郎 / 講談社選書メチエ
(2件のレビュー)

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  • O-bake

    O-bake

    このレビューはネタバレを含みます

    19世紀、イギリスが大英帝国として世界中に手を伸ばした時代、見知らぬ植物を求め異国に渡った何人ものプラントハンターがいた。彼らの活躍は、珍しい植物を求めてやまないイギリスの富裕層から、ただ綺麗な花を愛でたい庶民階級まで、とにかく国中上げての熱狂的な植物熱に支えられていた。
    本書は日本と関わりの深いプラントハンターについて、また日本の植物がどのようにヨーロッパに伝えられ人気を博したかが書かれている。

    イギリスが世界中に船を送り出したのは、もちろん植民地となりそうな土地を求めてのことだが、新しい有用植物の発見も目的に含まれていたというのが興味深い。それだけイギリスの植生が貧しかったということの裏返しでもあるが、やはりただならぬ熱量を持った探求欲だ。
    プラントハンターのおかげでヨーロッパの人々は新しい植物と邂逅し、植物は生息範囲を広げさまざまな進化を経たことになる。ダイナミックな形での植物と人間の共生関係かもしれない。
    また、ヨーロッパによって「発見された」日本という視点も得られ、とても興味深い内容だった。

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    投稿日:2015.10.21

  • sayanaghi

    sayanaghi

     1994年第1刷発行ですからかなり以前の本ですが、折に触れ何度も読み返しています。19世紀の日本を訪れたヨーロッパ人(特にイギリス人)の植物への情熱(功利的であっても)と愛情が、人物評伝と共に語られるスタイルです。日本の植物が当時世界でどう受け入れられたか知らないことが多かった私は、植物自体の知識とともに、19世紀の博物学的な知の体系にも圧倒されます。ペリー遠征隊は日本の動植物調査・採集にとても熱心だったことも初めて知りました。植物(特にユリやキクといった美しい花)を偏愛する英吉利人外交官はほほえましいのに、有用性一辺倒・国益第一の亜米利加人プラントハンターに些かむっとするのは、私自身がちょっと偏狭なせいです。続きを読む

    投稿日:2010.10.10

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