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羽根田 治 / 山と溪谷社 (12件のレビュー)
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総合評価:
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sho
『起きてしまった事故をなかったことにするのは不可能であり、亡くなった人は還ってこない。幸い助かった人にしても、おそらく心に深い傷をおうだろう。しかし、教訓は残される』 本文から引用して帯の裏に書かれた…この言葉が本当に胸にのこる。 気をつけていれば避けられた事故もあれば、急な天候での予測不能の事態もある。どんなに慣れていても、また身近な山だとしても油断は禁物だということを分かりやすく解説してくれるいい一冊でした。続きを読む
投稿日:2023.02.09
ぷー
複数の事例の遭難事故に至るまでの詳細が書かれている。いつでも自分がこの状況になり得るということを思い知らされる内容で、とても勉強になった。
投稿日:2022.07.22
bistarai@サイクリスト&ブロガー
山岳遭難や事故の教訓。過ちや死者を冒涜することではない。 今を生きている人が、そこから何を学び、同じ過ちを繰り返さないために学びを得られるかだ。避難や中傷、批判でもない。 命に係わる山岳遭難を感情論で…捉えてはいけないと思う。 今を生きる人が、これから人生を歩んでいく人が取り返しのつかない事態にならないように。続きを読む
投稿日:2022.03.01
ちゃかぽこ
このレビューはネタバレを含みます
面白かった。 けれども、読むのに時間が かかった。頭が小説を読むのに特化しているため、記録的な文章だと飽きてしまうんだと思う。 それでも、事実を明確に記述し、状況の解説や証言によって、事故はどうして起きたか、どうしたら防げていたか、というのを考えられて面白かった。 山登りする趣味は無いが、サバイバル自体には興味があったので楽しめた。 だいたいはみんなうっかりなんだよなあ。大丈夫だろうで進んで引き返すという判断ができない。グループでも単独でも。 雪崩でテントが埋もれてしまったのは人為というより天災すぎて避けようが無いが、他のはだいたいもっと気をつければになる。 けれども、簡単には気を付けられないからこうしようで考えるしかないなあと思う。 装備の見直しや登山計画書を出しておくとか、天気が崩れたら引き返すとか、予定が狂えば引き返すとか、そういうことに気を付けなくちゃいけないなと思った。 安易にこうすれば大丈夫!ではなく、こういうことが起きるから気を付けようねのほうが学びとしていいなと思った。
投稿日:2021.04.21
りおん
田舎の祖父母に勝手に山に入るな山は怖いから、とよく子供の頃言われていたが、本当に怖いとこだと実感できる本書。 急に天気が崩れることはざらだろうし、何回も登山してる人が遭難したりもする。 遭難中に幻覚を…みていたひとの手記はゾッとするものがあるし、最後に交わしたことばがあれだったのか…と亡くなられた方を思う切なさなどもすごいものがあった。 山は本当になめてはいけない場所だとおもう。 確かに山に惹かれる気持ちもあるけれど、私はよほど整備された登山道があるところ以外はこの先も登ることはないだろうな…。続きを読む
投稿日:2021.02.13
Auric
大峰山で道に迷い、幻覚に苦しめられながら彷徨った人の手記が怖い。幻覚はどれも、彷徨ってる人を楽な方へ、状況を悪くする方へと導いている。山を降らせたり(迷ったら下らない、沢に降りないが鉄則)、靴やスパッ…ツを脱がせたり、時計を取らせたり。 大峰山という霊山だけあって曰くを感じてしまう。もともと迷いやすい厳しい山だからこそ霊山になってるのかもしれない。 迷いながら見る幻覚は、日本昔話に出てくる怪談や、山の話にでてくる「まよいが」的だ。 かつてここで彷徨った昔の人が、霊的な体験をし、それがよく起こるから霊的な山と畏怖されたのかも。 大峰山、穂高岳は、ヤマケイの遭難シリーズでよく名前が登場するので要注意な山なのだなと思う。 そういえば、父の友人のお父さんも、登山が趣味で、何度も大峰山に登っていたが、ある日大峰山に行ったっきり行方がわからなくなってしまったらしい。その後だいぶ後になってから、山の中で亡くなってるのが見つかったとか…。慣れても尚危ない山、大峰山。 この前桜井駅に行った時、「登山に行くなら必ずしも登山届けを!」ってポスターが貼ってあったのを見かけた。 「明暗を分けた分岐点」、秩父の前鬼に行こうとして迷った人の話はこのシリーズで他にも読んだことがある。道を間違えた際、先行する犬連れの人に「こっちで良いんですかね?」と聞かれ、「良いと思いますよ」と答えてしまった。その後、自分は遭難しかけ3時間彷徨うが、なんとか正規のルートに帰る。しかし犬連れの人は遭難しそのまま行方不明になってしまった、という後味の悪い話。 山で人に適当なことを言ってはいけない…。これとは別のヤマケイ本では、休憩所で見知らぬ人に「沢ルートから帰った方が早いんじゃないかな、行ったことはないけど」と言われてその気になり、彼の力量では到底行けないような沢に迷い込み遭難した人の話が紹介されていたのを思い出す。 「冬山登山基地を襲った雪崩」では、山小屋の側で雪崩がおき、山小屋の周囲にテント泊していたテントが二基押しつぶされて死者が4人でた。テントの端にいた人は雪の重みで窒息死、中央に近い人スペースが確保できなんとか生還。雪崩が起きそういないところで起こった雪崩。山に安全地帯はない。 ゴールデンウィーク中に、北アルプスで吹雪が起こり何人もなくなった事故も…。初夏とはいえ山の上はいつでも真冬に戻り得る。 「春の爆弾低気圧」、山登りには天候予測や気圧読みが欠かせない。大荒れになる直前の山はむしろ天気が良い擬似好天になる、っていうのも怖い。自然の罠。続きを読む
投稿日:2020.06.12
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