【感想】正法眼蔵入門

頼住光子 / 角川ソフィア文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 嘉道

    嘉道

    道元の代表作の入門書。哲学的に書かれていて硬派。道元の「さとり」を中心に述べられている。この仏性は修行者の日常生活に現れている。かつ、固定的ではない。彼は常識的な認識を覆す。本書は参考文献が充実している。その略説が嬉しい。続きを読む

    投稿日:2020.10.20

  • キじばと。。

    キじばと。。

    道元の「思想」に焦点をあてて、わかりやすく解説した本です。

    著者はまず、「一切衆生悉有仏性」に代表される、道元の言語戦略について考察をおこなっています。とりあげられるのは「青山常運歩」ということばで、これによって道元が日常的なことばとものの結びつきに対する疑いへと読者を突き放し、世界のありようそのものに対して目を向けるようにせまっていることが明らかにされます。

    ついで、「修証一等」や「身心脱落」などにかんする考察がおこなわれており、世界のありようを道元がどのようにとらえていたのかが解明されています。自己や世界の諸存在は固定的な要素ではなく関係のなかで成り立っており、「空」を体得することでこうした世界の真相に眼を見開かれることになると論じられています。同時に、こうした「解脱」は「解脱」のままに終わることなく、世界のあるがままの「現成」へとつながっていくと著者はいい、「身心脱落」の体験はやがて「脱落身心」というしかたで世界と歩み出ていくことにつながっていきます。

    さらに、こうした道元の思想が時間論として展開されている『正法眼蔵』の「有時」巻の解説がおこなわれます。そのままでは流れ去り断片化してしまうものを「排列」し、相互に関係づけることで、存在は「時」化されると道元は考えます。そのような「時」は、流れて消えてしまう「去来」の相の「時」ではなく、「而今」、すなわち現在のこの一瞬として考えられなければならないと著者はいいます。非連続的な「而今」において、意味をもった諸存在から成る「尽界」が現成するのであり、こうした「非連続の連続」が、道元の「有時」の考えだと著者は論じています。

    文庫化に際して付加された「補論」では、『正法眼蔵』における「仏性」の概念について、文献学的な検討もまじえつつ、その意味を解明する試みがなされています。
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    投稿日:2020.04.17

  • 取巻の抜六

    取巻の抜六

    道元『正法眼蔵』関係書籍で、これほど分かりやすい解説があったでしょうか。

    難しい道元の言葉の引用後、必ず分かりやすい解説が入る優しい仕様で、全ての難しい内容の本はこの形式を参考にしてほしいぐらい。

    表紙の『正法眼蔵入門』の入門の文字だけフォント色が白色で、強調されていますが、ふつうに捉えれば、『正法眼蔵』の『入門』書のところ、道元の修証一等(修行し続けることがさとりの在りよう)の視点からは、ゴールは同時にスタート(入門)でもあるので、なかなか味わい深い良いタイトルです。
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    投稿日:2020.03.03

  • 碧岡烏兎

    碧岡烏兎

    烏兎の庭 第六部 5.2.18
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/DGN.html

    投稿日:2018.05.08

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