【感想】日本人は人を殺しに行くのか

伊勢崎賢治 / 朝日新聞出版
(16件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • University of the Ryukyus Library

    University of the Ryukyus Library

    【琉大OPACリンク】
    https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB16886658

    投稿日:2023.03.31

  • ドラソル

    ドラソル

    実際に世界各地で紛争地帯へ行き、武力解除などに貢献した著者が、日本の集団的自衛権に関して物申す一冊。

    実体験があるので、集団的自衛権や国境紛争について卓越した意見を持っており、非常に勉強になった。

    投稿日:2017.05.17

  • kojirok1222

    kojirok1222

    著者の主張は、対米追随しか戦略のない本邦が集団的自衛権により軍事力の適用範囲を広げると、本邦の安全保障に直接関係のない戦闘に巻き込まれむしろ有害だ、といういわゆる護憲派からも良く出る議論だが、主体性のない戦略が安全保障に有害であるのは、本書での著者の議論でも明らかなように個別的自衛権に限定したところで同じだろう。

    そもそも日米安保自体が集団的自衛権を前提としていると思うが、著者の主張のように解釈次第で個別的自衛権でカバーされているのだとしても、事案ごとに解釈しつつ対応するのは胡乱であり、集団的自衛権を容認することにより即応性を高めておきたい、というのが国防を預かる側の立場なのだと思う。

    問題は個別的自衛権か集団的自衛権かではなく、国の独立を保つだけの胆力を国として持っているか、ということだろう。
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    投稿日:2016.09.09

  • harmonixy

    harmonixy

    中国・北朝鮮・韓国が戰爭を仕掛けてくる=仮想敵国
    イラク戦争で自衛隊に死者は出ていない
    自衛隊を出さないとアメリカは助けてくれない
    などの情報は全部嘘
    だまされるなと伊勢崎さんは言う
    あなたの払った税金で自衛隊が人を殺すことを許容できますか
    と伊勢崎さんは問う
    憲法9条も日米同盟も絶対ではない
    この本で国際紛争地に身を起き続ける紛争処理のプロ=紛争屋による
    集団的自衛権の本質を見る

    伊勢崎さんは東京外語大大学院教授
    NGOでスラムの住民運動を組織した後
    アフリカで開発援助に携わる
    国連PKO幹部として東ティモール・シエラレオネ・
    日本政府代表としてアフガニスタンの武装解除を指揮
    著書多数

    あり得ない北朝鮮の脅威と引き換えという理由で日本は
    アメリカ軍の意向を汲みイラクの人の血と引き換えにしてきた
    これは非道な行為
    イラク開戦時日本政府は公式に支持し片棒をかつぎました
    そのくせイラク復興支援特措法に基づいたイラク派遣の名目は
    人道支援のためとされました
    どこが美しい日本なのか
    姑息で非道で恥ずかしい行為でしかない
    この身勝手な過干渉が集団的自衛権の正体だ
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    投稿日:2016.07.14

  • 沢渡祥子

    沢渡祥子

     『集団的自衛権』をわかりやすく解説してくれる本。
     こっちの方面はモノシラズな自分でも、つっかえずに読むことができました。

     内容は、多分、初歩の初歩。
     集団的自衛権と、個別的自衛権の違いとか。国連の集団的自衛権と、安倍政権の打ち出す集団的自衛権の違いとか。
     とはいえ、序章でさえわかんないところがあったので、国連についてwikiを開かなければなりませんでした。一般常識の欠如がこういうところで露呈する。

     現政権の方針に対して、著者の反対ポイントは実に明確。でも、それを読者に押しつけてこないスタイルがありがたかった。
     モノを知らない人間でも知らないなりに、著者の意見に対して「そこは納得できる」「そこは賛成しにくいなー」っていう考えをまとめやすかった。

     あと、戦争を、ずっと身近に感じました。
     世界のあちこちで紛争は起きていて、日本にとっても他人事ではないと、最近はよく言われますが。
     それが、すごく納得がいきました。 
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    投稿日:2016.03.23

  • otioika

    otioika

     政治が分からない…とよく思う。それは政治の本質「決めにくいことを決める」ことに由来するのかもしれない。誰が言っていることも、もっともに聞こえる。真実は1つでも、立ち位置が変われば見えるものも変わる。
     安保法案もそう。著者の指摘するとおり、集団的自衛権を認めなくても非常事態への対応はできるのかもしれない。その一方で、安保法案が通ったことで韓国や中国に対して外交的な交渉力が上がったようにも見える(認識が間違っているのかもしれないが)。
     判断が難しい問題の中で、著者の指摘がもっともだなと感じた点が2つある。
     1つはテロ対策。国家対国家の紛争は個別的自衛権、集団的自衛権、国連的措置という「力」での解決が有効かもしれないが、現代の紛争の相手はテロリストである。彼らに対しては力が通用しない。著者の提案する「ジャパンCOIN」はこれまでの実績に裏付けられた説得力があり、武力派遣以上に積極的に検討する価値があると思う。
     2つ目は領土問題。日本の将来を考えたときに、ロシア、中国、韓国との領土問題を未解決のまま残すことは、懸案領土を全てとられる時よりもマイナスが大きいと思う。ソフトボーダーの考え方は現実解としてありだと思う。安倍政権のうちにまず北方領土問題をソフトボーダーで解決して欲しい。これができれば東アジアでの外交力が格段に高まると思う。
     3つ目は軍法問題。この本を読むまで全く認識としてなかったが、既に紛争地域で自衛隊が活動している状況が存在する以上、自衛隊員に殉職者が出る前に、この問題は解決しておく必要があると思う。軍法として議論するとまた拳法9条の問題が出てくるが、個別的自衛権をもつことで合意ができるのであれば、個別的自衛権を行使する部隊の行動を規定する法についても議論ができるのではないだろうか。
     自らを「紛争屋」と呼び、現場経験の豊富な著者の見解は、どのような政治的信条をもつ人に対しても何らかの示唆を与えるのではないかと思う。
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    投稿日:2015.12.19

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