【感想】闘うための哲学書

小川仁志, 萱野稔人 / 講談社現代新書
(9件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • tokyobay

    tokyobay

    古典を題材に対話をするという形式だが、理想主義者と現実主義者という両者の立場の違いから、ナアナアにならずにそれなりの討論にはなっているようには思う。カルチャースクールの文字起こしであり、私のような素人にはちょうどいいレベルかな。
    取り上げているのは抽象的なものは排除し、生き方論的なものを選んでいるようであるが、選書にやや疑問を感じる所もある。生き方系で選ぶならスピノザは『エチカ』でいいと思うし、カントは『実践理性批判』にすればいいし、ハイデガーは堂々と『存在と時間』でいいのではないかと思うが、小川氏が公共哲学、萱野氏は国家・ナショナリズム等を専門としているようなので、やや政治哲学色が強くなってしまったような。
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    投稿日:2019.08.13

  • にいさん

    にいさん

    新書でまさかの400ページ(1,000円)!読み応えありました。哲学の古典をもとに、二人の哲学者が対論する本。結構激しい言い争いになっている箇所があったりして、それもまた面白い。
    22冊も取り上げれば、ちょっと知っている哲学者も初見の哲学者もいて、知っている人だと「こういう見方もできるのか」という驚きになり、初見だと「こういうことなのか」と勉強になる。
    特に、二人が哲学を日常に活かすことに心血を注いでいることが良かった。机に向ってコツコツとやる研究ももちろん大事だけれど、そこから何か実践につながるものがあると、読んでいて面白い。もしなかったとしても、それはそれで大事な研究ももちろんあるのは前提で。
    分厚い新書ではあるけれど、1冊あたり20ページ弱の計算なので、1冊あたりはさらりと読める。
    欲を言えば、冊数を半分に減らしてもよいので1冊あたりのページ数をもうちょっと増やしても良かったかも。もっと議論の量と密度を増やしたら、もっと面白いかも。
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    投稿日:2017.08.17

  • QAZ

    QAZ

    哲学の有名どころに対して、理想主義と現実主義の二人の著者が議論していく本。この人の打ち立てた哲学はこうである、という説明に留まらず、こういう見方や課題がある、という事まで見せてくれるので、なかなか面白いアプローチに飽きる事なく読める。
    ただし、逆に実際の各哲学の論点が消化不良になり気味なので、後でゆっくり読み返したいと思う。
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    投稿日:2015.10.24

  • マサムネ

    マサムネ

    タイトルはうさんくさかったけど中身は良かった。
    露骨にバチバチ意見を食い違わせてて読み物としてもおもしろかったし、解釈の違いとかの勉強にもなった気がする。
    残念ながら読んだことのある本は一冊しか無かったので何を読むか決めるときの参考にもしたい。続きを読む

    投稿日:2015.07.12

  • のりぞ

    のりぞ

    別に闘わなくてもいいのですが・・・
    理想論から過去の文献にアプローチし、解釈を求める小川さんと現実からアプローチする萱野さん。
    ロジックだけ見れば、どうしても現実主義に分があるような感じですが、人間の可能性への夢を語るような理想主義も捨てたもんではない。
    哲学とはかくあるべきといった面白い対談を読ませてもらいました。
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    投稿日:2015.05.25

  • しゅんぺい(笑)

    しゅんぺい(笑)

    新書にしては、分厚い、エネルギッシュな本です。対談を通してだと、お二人の考え方がよりいっそう伝わってくるような気がする。中身でも書いてあるように、小川さんが理想主義者、萱野さんが現実主義者。わたしはどっちかというと小川さん寄りなのだけど、萱野さんの物事に対する姿勢は徹底しているような気がして、好感が持てた。
    ただ、哲学の入門書としては、どうなんやろ。わたしはこういう本をよく読んでいるつもりやけど、いっこうに「わかった」気がしない。ゆっくりわかってくる、そんなかんじも哲学を学ぶ醍醐味なのかなと思ってますが。
    続きを読む

    投稿日:2015.03.09

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