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入間人間 / メディアワークス文庫 (13件のレビュー)
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pbh23864
後半の無茶苦茶な展開や主人公の過剰なまでの鬱陶しさ&自虐はいつも通りの気がしてきた。 予知能力とどう向き合うか、というよくある考えは抱かずに読む方がいい。
投稿日:2022.09.13
キじばと。。
30歳を迎え、みずからの才能に疑いをいだきつつある一人の小説家が、ある日近所の医者のすすめで脳に電撃を流し込む治療を受けます。これで才能がもどるという医者のことばに半信半疑だった小説家に、とつじょ天啓…のように殺人事件の映像が思い浮かび、さっそく彼はそれを小説にしたためます。 ところが、小説家の物語とまったくおなじ舞台設計の殺人事件が現実に起こったことがわかり、彼の周辺はにわかに騒がしくなります。さらにつづく作品でも同様のことが起こり、女刑事が彼のもとへやってきたり、事件の被害者の少女が家に押しかけてきたり、果てはテレビ出演することになったりと、小説家は面倒な出来事に巻き込まれていきます。 作品がどのような方向に進むのかなかなか判明せず、リアリズムの枠内に収めるのか、それとも幻想的な風味が入るのか、両方に保険をかけるような読み方をしていたせいかもしれませんが、意外に無難な着地点に行き着いたことにすこしがっかりしてしまいました。続きを読む
投稿日:2020.05.07
akari
単純に面白く、一気に読んでしまいました。 序盤は小説家である主人公の鬱屈とした心情を細かく描いており、なかなか事件は起こりません。心情描写の表現の割合は好き嫌いがあるかもしれませんが、私はその描写があ…るからこそこの物語に引き込まれました。 好きな箇所は 「進歩のない毎日だ。六十年後に死ぬことと、今の私がこれから死ぬことになんの違いも感じられない。よくないことだ。それは、とてもいけないことだ。 私の人生は私を満たすためにある。誰だって自分を満たすために生きている。それは、なぜ、とか。どうして、とか。理由や起源などに有無を言わさず存在する、人間に課せられたルールであるように感じる。」という部分です。 残された時間が自分の価値であり才能であると感じていた時代を経て、過去の自分と未来の自分に挟まれて今を否定してしまうことは誰もが経験あることなのではないでしょうか。人間らしい描写でほっとします。 ストーリーとしてはやや強引な展開も多く、普通の小説では絶対に有り得ない設定なのになぜか納得させられてしまいます。やや刺激的で残忍な描写もあるのに重く感じないのは、物語自体を書きたかったわけではないからなのかなとも思いました。 そして終盤自信をもって生きる主人公の心情の変化は、つい応援したくなります。 「自分が何をしたいのかわからない」「自信をもって生きるとは」そんな悩みをかかえていたら、ぜひおススメしたい一冊です。続きを読む
投稿日:2020.03.01
ちこ(´・ω・)
彼が書いた小説を模範したかのような犯行。 これから起こる事を知り誰かに話したところで、どれだけの人間がその発言を信じるだろう。 結末を知っているからこそ、それを変える事の出来る唯一の人間でもあるのだろ…うな。続きを読む
投稿日:2017.09.11
yu
この主人公のモデルはやっぱり入間さん本人ですよね。類似点多かったですし。 なつきさんが再登場してくれたのは嬉しかったです。 (2014/04/05)
投稿日:2016.08.21
kamito620
このレビューはネタバレを含みます
過去作ディスと自虐ネタでマイナスポイント獲得しまくりの本作だが、やっぱり安定して面白い。 読み始めてしまえば入間節満載の飄々とした語りでグイグイ持っていかれるし、中盤から終盤にかけては無理やり収束する展開で否応なしに盛り上がる。 厭世観と裏腹な焦燥感、自己肯定への行程。 ところどころ本当に切実で泣ける。 P320が自分の中でこの作品のハイライト。 「やっぱりどれもこれも、私の小説だったんじゃないか。そうなれば話は別だ、と散らかっている小説に微笑む。愛しているぞ、お前ら。」 ブレないんだよなあ本当。 この「心のブレなさ」が入間作品の根幹の魅力になっていて、いつも心を揺さぶられる。
投稿日:2015.11.18
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