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橘かおる, カワイチハル / 花丸文庫 (1件のレビュー)
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megumi33
このレビューはネタバレを含みます
面白かったです。 兵部卿宮の末子、芳顕は美少女とも見紛う美しい少年、そのため、いつまでも元服せず、童水干の姿のままで過ごしていた。 そんなある日、招待を隠し、世の悪者をちょっと懲らしめていた彼は、近衛の少将藤原雅俊と出会い、弱みを握られてしまう。 帝がお住まいの内裏では、怖ろしい謀が進んでいた。左大臣が己の娘の生んだ二宮を皇位につけるため、東宮を失脚させようとしていたのだ。何としてでも、左大臣の悪巧みの証拠を掴み、陰謀を未然に防ぎたい雅俊。 芳顕は、正体をバラさずにいる代わりの条件として、女装して後宮への潜入捜査をするように雅俊に持ちかけられる。 後宮での華やかなの暮らしの陰に潜む怖ろしい陰謀が鮮やかに描かれ、正義感が強く優しい、でも少し抜けたところのある主人公のキャラも魅力的だった。 ワクワクしながら読み進めていって、楽しめた一冊。 ただ、少し物足りないかなと思ったのは、東宮失脚という大それた陰謀の首謀者左大臣の動向である。結局、左大臣は物語りの前面に出てくることもなく、それをいえば、「悪者」側のキャラらしいキャラは殆ど主要人物は出てこなかった。出てきたのは唯一、彼等に操られ悪事の片棒を担がされていた美しき妖怪くらい。 その辺り、ちょっと後宮と帝位を巡る大きな陰謀を描くとしては、描き切れてないような気がしたが、、、
投稿日:2019.04.16
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