【感想】教育の力

苫野一徳 / 講談社現代新書
(48件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • yonogrit

    yonogrit

    世の教育に携わる人は必読だと思った。これからの公教育の目指すものは学びの個別化と、自ら学ぶ力だと言ってる。

    苫野一徳
    1980年生まれ。熊本大学准教授。博士(教育学)。関西学院高等部、早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。早稲田大学教育・総合科学学術院助手、日本学術振興会特別研究員などを経て現職。専攻は、哲学・教育学。

    自身の著書『子どもの頃から哲学者』において、17歳から8年続いた躁鬱病(双極性障害)を哲学によって克服したことを告白している。
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    投稿日:2024.05.14

  • まつT

    まつT

    このレビューはネタバレを含みます

    苫野先生のVoicyを聴いて、興味が湧き読破。
    この本を買ったのは、何年か前。
    その時は、パラパラと中身を見て「なんか小難しそうだな…」と思い、読んでいなかった。

    読んでみると思ったよりも読みやすく、最後まで興味を持って読むことができた。
    哲学的な難しい話も少し出てくるので、その部分は軽く読み流すところもあった。

    子どもに学び続ける力(学力)をつけるという点は大賛成で、私が目指している教育の姿でもある。
    絶えず自己更新をしていく必要があるのは、子どもだけでなく教師も同じであり、省察的実践家として在るべきというのも納得。

    自由になるために学び、教育の土台には「自由の相互承認」があるという点も確かにそうだと思う。知り合いの先生は、学級開きをする際に「自由」と「勝手」の違いについて話をするとお聞きしたことがある。これにも通ずる気がする。

    問い方のマジック、絶対的に正しいものはないという話題も出てきており、絶対解はないからその場に応じた適切解を創り出す、見出す力が教師には不可欠だと感じた。
    10年前の本ではあるが、教育の不易の部分について論じられており、多くの学びがあった。

    どう在るかというマインドの部分を、今後も大切にしていきたい。

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    投稿日:2024.03.29

  • あ

    この本は、では今、教育をどうするかを考えるのにとても良い。誰でも語れる教育論に疑問を抱いたことのある人や、教育に絶望した人、諦めてしまった人には一度読んでいただきたい。

    苫野先生の声や言葉の選び方が本当に好きで、もはやファン。続きを読む

    投稿日:2023.09.02

  • 豆助

    豆助

    古い著作ではあるが、ハッとさせられる内容だった。特に、人材の流動性についてと、同質性を求められる空気感についてのくだり。大人もいっしょ。

    投稿日:2023.04.01

  • takeshishimizu

    takeshishimizu

    まずは自分の力を信じること。とりあえず根拠はなくてもいい。まず、自己を承認できなければ、他者を承認することなどできない。ルサンチマンだけになってしまう。他者を承認することで、他者からも承認されるようになる。自己承認できる人に育てるには、親が子を信頼しなければいけない。心配ではあるだろうが、信頼して成長を見守ってあげないといけない。何度も裏切られるかもしれない。それでも、信じていれば、いつかきっと期待に応えてくれるはず。期待し過ぎは良くないけれど、期待して待ってあげてほしい。自分が最近考えていることにひきつけて読んでしまっているので、著者が言いたいことから離れているかもしれない。ひとりよがりな読み方は良くないのだろうが、まあこういう受けとめ方をした人がいるということでお許し願いたい。私の教育理念は「一生学び続ける人を育てる」ということ。そのために、小中学生の間に一生ものの「学び方」を学んでほしい。学ぶこと自体を楽しいと感じてほしい。楽しいことは続けられるから、学び続けられるようになると思う。そんな思いで、30年以上働いてきた。「個別化」「協同化」「プロジェクト化」という部分では、いまのところほとんどあてはまることはしていない。けれど、総合学習であったり、探究でやっていたりするようなことを自分もしてみたいとは思っている。定年退職後、偏差値から離れた世界で何ができるかを考えていきたい。それから、超ディベート、これも楽しそうである。「問い方のマジック」に陥らないようにして、共通了解を得られるようにもっていく。これって、ドラマ「女神の教室」でやっていた民事裁判における示談と同じことだろうか。落としどころを見つけ出す。「子どもたちに民主主義を教えよう」で言っていたことでもある。それぞれに、いろいろな思惑があって、いろいろと意見が出るわけだけれど、それぞれの考えをよく聞き、熟議し、なるべくみんなが納得いくより良い解を見つけていく。民主主義の基本なわけで、これが著者がいつも言っている「自由の相互承認」ということでもあるのだろう。本書はTwitterで見つけて、電子書籍ならちょっと安くなっているということで、少し古くはあるが購入してスマホで読んでみた。最近、ずっと苫野さんのVoicyでの解説も聴いているので、読んだことだか聴いたことだかわからない部分はあるのだが、だいたい上のようなことを感じている。以前は自分より若い人の書いたものを読むことは少なかったのだが、自分も歳をとってそんなことは言っていられなくなった。自分の書いているブクログのカテゴリに入れている著者名としては、池谷裕二、中島岳志、國分功一郎、伊藤亜紗、苫野一徳あたりが自分より若い人たちだ。だれの言っていることを自分の中に受け入れていくか、誰を信用するか、その嗅覚のようなものを育てることも教育の中では重要な位置を占めるのではないかと思う。以前は森毅だったし、いまの一番は養老孟司、それから内田樹というところ。自分ですべての一次資料に目を通して、自分なりの考えを持つということは難しい。だからこそ、信頼に値する人を見つけておかないといけない。そんなことを、6年生の最後の授業で語った。みんな、意味わかってくれたかな。続きを読む

    投稿日:2023.02.03

  • 板橋区民

    板橋区民

    とかく頭の良い人は白か黒かの0ー100思考で、一気呵成に仕組みを変えたがる傾向があるが、この著者はそういった極端な考え方を戒め、ゆるやかな変革を是としている点で好感が持てる。教育の目的が自由の相互承認という主張は「本当にそれだけか?」という疑問が最後まで残ったが、主張が最初から最後まで首尾一貫しており理解はしやすい。
    ただやはり著者が期待するような時間軸で、著者が期待する方向に教育が変わっていくとは思えなかった。つまるところ資本家や支配層がどういう人材を必要とするかで教育の方向性が決まるのであって、一概に「よい」方向に改革が進むとは限らない。むしろ支配層のお仲間だけが競争せずして支配権力を継承する仕組みの方が好ましいと考えているはずで、今後も被支配階層(国民の99%)に対する愚民化政策が推進される可能性が高い。著者が主張する新教育で育った自己主張の強い人間が受容されるようになるのは社会全体の価値観がすっかり変わらない限り難しいと思う。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.12

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