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伊達宗行 / ブルーバックス (12件のレビュー)
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物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。 東大OPACには登録されていません。 貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください 返却:物性研図書室へ返却してください
投稿日:2024.02.08
アカセン
"極限"だけだと語る幅が広すぎるが、本書は筆者の専門である物質の性質が変化する"低温、高圧、強磁場"が中心。 『新しい物性物理』で学んだ物性物理は、極限の世界でどう変性するのか。 『シリコンに15万…気圧をかけると金属になる。』 『液体と気体の境界がない超臨界状態でものを溶かす性質を利用し、コーヒーを超臨界の二酸化炭素に浸してカフェイン成分を抜き取る。』 『白色矮星の圧力を超えて圧縮されると、電子軌道が外殻から順に破壊されるという新たな相転移が観測される。そしてその結果生じるエネルギーで重力崩壊を防ぐ。』 などのわかりやすくて興味深い話は随所にあるのだが、中心となるのはその仕組みの解説であり、 『低温を作るために、断熱した系で磁性のON・OFFで電子スピンの向きを操作してエントロピーを増やす』など、詳細を理解するためには格子振動量子、ボース凝縮、原子間相互作用などの量子力学関連知識が必要となる。 全てを理解しなくとも楽しめるが、全てを理解できる状態で読めばさらに楽しめる。 基礎を抑えてこその極限の世界であるが、長い道のりに飽きてきたならば、一足先に読んでみると、勉強の先に待つものを見つけられるかもしれない。続きを読む
投稿日:2020.12.26
講談社ブルーバックス
極限的世界に踏み込んで物質が置かれている環境を深くゆさぶると、物質は思いもよらぬ顔を見せてくれる。新しい機能の発現のヒントが満載。
投稿日:2015.12.25
polyhedron
物性物理の魅力がひしひし伝わってくる。扱う三分野(温度・圧力・磁場)は,20世紀初頭から極限条件が追及されて特に大きな成功を収めてきた。それが物質の本性の解明に結びついてきた。 低温・高圧・強磁場…を突き詰めてゆくと,量子力学が不可欠になってくる。超電導を含めた超流動,ボース・アインシュタイン凝縮。白色矮星や中性子性の成り立ち。最終章で宇宙に見られる超高圧・超強磁場が語られるけど,人間が作り出す低温・高圧・強磁場も結構すごい。 温度だとマイクロケルビンまで達成できるらしい。He3-He4希釈冷却法,断熱消磁やレーザー冷却など,超低温を得る技術というのも随分トリッキーで興味深い。圧力は百万気圧くらいは地上で得られるようだ(ダイヤモンドアンビル)。このような高圧では絶縁体も金属になる。 強磁場では,数字だと大したことないが数百テスラくらい。電磁石でいくらでも強い磁場ができるわけではなくて,50テスラ程度のカピッツァ限界というのがある。コイルをどんな材料で作ろうが,これより多く電流を流すと破断して飛び散ってしまう。一瞬であれば電磁石でつくった磁場を絞る磁場濃縮法でパルス的に500テスラが得られる。 それにしても宇宙は壮大だ。中性子性など,圧力は10^15気圧,磁場は一億テスラになるという。そこでは中性子が超流動状態になっている。想像を絶する世界だが,さらに上にはブラックホールが。宇宙の果てのそんなところまでこんなに知ることができるなんて,科学ってすごい。続きを読む
投稿日:2012.07.03
totssan
物理量の計測に関してフルスケールの両端に注目して概説した本。特に圧力の項が参考になった。会話?調文体で、リズムをつかむのに若干とまどったが、2回目を読みはじめたら急にすんなりと頭に入ってきた。結構癖が…ある。新しい物性物理とペアで読むとよりよいみたい(宣伝が多かった)。 究極の両端の話の次には、ミッドレンジ、圧力で言えば100MPa前後、の計測はどうなのかといった話題の本も是非期待したいところ。続きを読む
投稿日:2012.06.22
h4leader
低温・高圧・強磁場の話。 いろんな世界が見えておもしろいです! 新書にしてはなかなか内容が濃くていいと思います。 さすがブルーバックス!
投稿日:2012.05.26
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