【感想】切り札はI LOVE YOU【イラスト入り】

須藤直希, 赤坂RAM / 花丸文庫
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 彩波(いろは)

    彩波(いろは)

    このレビューはネタバレを含みます

     マジシャンだった実父を幼い頃に事故で亡くした阿南詩文は、義父の非道な仕打ちから逃れるために、昔、父が暮らしていた街、ラスベガスへと渡った。
     父が暮らしていた街で詩文も生活をしたいと考えたのだった。
     ところが、ラスベガスに到着直後、詩文は薬を盛られ、身ぐるみ剥がされてしまう。
     お金もない、パスポートもない。
     けれど逃げてきた義父には練ラックを取られたくないため、領事館にも行けず――という状況ではあったが、カジノでディーラーをしているマキトという男に助けられる。
     ところが、マキトとの人生を賭けたコイントスに敗れた詩文は、その身を買われることになってしまう。

     そして、抗いがたい快楽に溺れていくが――

     という話でした。

     代議士にお稚児さんとして義父に売られそうになったら詩文が、留学先のロンドンからラスベガスに逃げ込み、そこでマキトに拾われる話。
     当初詩文は、マキトの仕事が何なのかもわからず、決まった夜に出かけていたマキトを不思議に思っていたけれど、実はマキトはディーラーの仕事をしていた。
     ところが、そんなマキトが詩文と暮らすために無理をしたことから、働けなくなってしまい、長い時間を詩文と共に過ごすことになる。

     マキトはマキトで事情のある過去を持っていて、なかなか他人に心を開けずにいたけれど、詩文の存在にじょじょに癒されていき、ゆっくりと二人の心が近くなっていく話でした。
     実はマキトにはある身体的特徴が原因で、ひどく親族から忌み嫌われた過去があって、そのことが原因で誰も信用できなくなってしまっていて――
     それを越えて、献身的に尽くす詩文に惹かれていくのでしたという感じでした。

     大きな破綻もなくすんなりしみてくる話でした。
     ちょっとしっとり系の話が好きな方にはオススメしておきます。

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    投稿日:2012.10.02

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