【感想】新耳袋 第一夜 現代百物語

木原浩勝, 中山市朗 / 角川文庫
(39件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
12
8
7
3
1

ブクログレビュー

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  • ゆきなし

    ゆきなし

    解説される怪異ほど興醒めなものはないので、ただ淡々と「なんじゃこりゃ?」が続いていくこの本は良かった。いっちばんイメージして怖かったのは「夜10時に道の両端にずらりと並んで、うつむきながら草むしりをしている、黄色い帽子青い制服姿の幼稚園児たち」続きを読む

    投稿日:2024.05.13

  • ねこねこねこん

    ねこねこねこん

    遠野物語の現代版。人から聞いた怪にまつわる話を収集してまとめた作品。一話が数ページで完結しているため、とても読みやすい。ホラーと聞くと幽霊が出てきて怖いってイメージになりそうだが、実際のところそういう定番の怖い話は少なかった印象。不思議な話やあれってなんだったんだろう?といった理屈で説明できないような出来事が結構多く含まれている。実話怪談の特徴としてオチがない、というのがある。と個人的に思っている。これは悪い意味ではなく原因不明のまま終わることで後を引く怖さを残すことができるためとてもいいと思う。続きを読む

    投稿日:2021.05.21

  • 真夏日和

    真夏日和

    宮澤伊織『裏世界ピクニック⑥』の元ネタがこの本の中にあるとあとがきにあったのでたまたま見つけて読んだ。地下室の話。
    ワタシが実話怪談が好きなのはほんまのことかもしれないからだと思う。ホラー小説とは全然違う。世の中には不思議なことがたくさんあって、そこにズレて接触することはたぶんけっこう普通なんじゃないかと思っていて、誰でも不思議なことを経験しているけど気がついていないだけなんだと思う。新耳袋ともうひとつのシリーズは全部集めたいな。続きを読む

    投稿日:2021.03.24

  • キー

    キー

    実話怪談シリーズ『新耳袋』の第一作。
    初単行本は1990年に扶桑社から。その後1998年にメディアファクトリーから改訂され再刊、2002年に角川文庫で文庫化。

    体験談をほぼそのまま書く、というスタイルで、著者の考察や、怖がらせようという演出はほとんど無し。
    リアル過ぎるあまり、心霊スポットに行ったが、怖くてすぐに帰った、という話もあり、内容説明にあるような“怖い話”は、自分には見当たらなかったですね。怪談イコール怖い話ではない、という証明のような体験談集となっています。
    全てごく短い話で、文庫本1ページで終わってしまう話もあり、全ての話が関心を持つ前に終わる、という感じで、自分的には印象に残る話はありません。

    これは人の好みですが、自分には不思議な話ではなく、不思議な話に対する考察に興味があるのだ、と気付かされた内容でもあります。
    続きを読む

    投稿日:2020.03.29

  • kirifue

    kirifue

    そもそも、百物語とは、なんぞや。古えの教えには、「物語百せし折には怪至る」とある。
    TV版『地獄先生ぬ~べ~』第44話「子どもは見ちゃダメ!!禁断の怪談・百物語! 」にもあるように、一夜のうちに百物語を語ることは、魔界への門を開くことを意味する。
    著者である木原浩勝氏は、その辺りをよくわきまえている。1冊の本には九十九話までしか、載っていない。なぜなら、最後の一話は、自分自身が語るからだ..そう考えるだけで、背筋がぞわっとしてくるではないか。
    小説はいい。否が応でも想像力をかき立てられる。何気ない日常に潜む恐怖、隣人に降りかかる災厄。すべては「この時間/この場所」で実際に起こりうるような気がしてくる。
    「よく聞く話」と言えば、それまでなのかもしれない。それでも、ことさらの恐怖を煽るような話し言葉より、淡々と出来事を語る文体は、かえって真実味を帯びているように思える。
    まずは、第一夜を体験してみては、いかがだろうか。
    続きを読む

    投稿日:2019.11.23

  • 法螺谷

    法螺谷

    現代怪談集の傑作。
    話の背景や因縁が見えてこないところ、つまりなにも特別なことをしていないのに「出会ってしまった」、そこになんとも後味の悪さが尾を引くし、恐怖を掻き立てられる。

    投稿日:2019.09.06

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