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堀田あけみ / 角川文庫 (1件のレビュー)
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tikuo
家庭教師としてを受け持つことになった生徒悠子は、大学で外国語を学びたいという高校生だった。その母親というのが、まだ20代前半。幼い妹のいる家庭であった。悠子は幼い時分に、父親の愛人であった実の母から引…き取られていた…。 表紙とタイトルから、おしゃれ思考のめんどくさいやつかな?と思って手にとったが、冒頭から前半は非常に読みやすく、キャラクターがしっかりしているのでサラサラと読める作品である。 愛人の娘で、義理の母親を早々に亡くし、3人目の若い継母に嫌われないようにして生きる悠子という存在は、最近のアニメや漫画のキャラクターのように見える。その割に、携帯電話も全然出てこないなあ、家で電話と待つのかと思っていたところ、1992年の本なのか。納得。 もう少し、高校時代の家庭教師の状況を楽しんでいくのかと思いきや、あっという間に受験に成功して、大学をすっ飛ばして就職してしまう。 その就職以降は、なんというか、マガジンハウス系といいますか、打算と刹那的な関係を続けていく、ある意味自暴自棄な話の流れになり、かなり残念。 あまり厚い本でもなく、連載期間制限だの何だので終わらなければならなかったのだろうけど、後半では男性側が一方的に無感情で、まったく救いのない性格になっていったのは、男性心理を考えられてないなあ。 1990年前後の、二昔前の、いわば男女間が封建的ともいえる背景を活かすわけでもなく、かといってスカッとするような性格でもなく、家庭教師と生徒という関係から、精神的なSMという雰囲気に統一するわけでもなく、ほんとに後半は不満しかなかった。 ま、古いね。続きを読む
投稿日:2021.06.18
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