【感想】続 大きな約束

椎名誠 / 集英社文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
2
9
6
0
0

ブクログレビュー

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  • reno

    reno

    シーナ氏の手による最新の、そしておそらくは最後の私小説。
    前編(「大きな約束」)も良かったが、その後編となる本書もとても良かった。
    これはなんというのだろう。大好きなシーナ氏の手による文章を読み進めるだけで、しみじみ読書のタノシミとシアワセを味わえる至福のひと時。いつまでも読み続けていたい。そう思わせてくれる、僕にとっては稀有な著者の一人なのだ。
    本作(前編・後編とも)は、ある意味、大ベストセラー「岳物語」の後日譚。岳物語で小中学生だった主人公の岳が、19歳で米国西海岸に渡り、結婚し、子供も出来て、そして15年ぶりに家族で帰国することになった。そしてその大きな流れと並行して、著者・シーナ氏も還暦を過ぎ、大小様々な悲喜こもごもやら紆余曲折やら喜怒哀楽を噛みしめながら、それでも多忙な日々を過ごす日常。そうした全てが、過去50年来あまり変わらない(注:褒め言葉です)大好きなシーナ文体で綴られて行く。コレを読みながら至福を感じずに、何を以て至福を感じろと云うのか。責任者出て来い!...と、ついついシーナ文体モドキで熱くなってしまうのだ。
    シーナ氏もあと僅かひと月あまりで80歳。コレが本当に最後の私小説になってしまうのか?
    否。是非ともこの続編も書いて欲しい。切にそう希うのだ。
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    投稿日:2024.05.02

  • じゅう

    じゅう

    「椎名誠」の私小説『続 大きな約束』を読みました。

    タイトル通りですが… 先日読了した『大きな約束』の続篇です。

    -----story-------------
    息子とマゴが日本に帰ってくる!
    族の物語
    「じいじい、なんでナルトはぐるぐるなんだ」今日もサンフランシスコの「風太くん」から電話がかかってくる。
    父と息子、そして2人の孫。
    「シーナ家」3世代の物語、続編。

    サンフランシスコの息子「岳」から家族ともども日本に帰るという連絡が入った。
    マゴの「風太くん」、「海ちゃん」とのひさびさの対面を前に、「シーナ」の意識にタダナラヌ変化があらわれる。
    執筆や取材の旅で身辺多忙をきわめながらも「いいじいじい」になるためにベジタリアン化したり人間ドッグに入ったり…。
    もうすぐだ。
    マゴたちとの楽しい「約束」が待っている。
    「シーナ家」三世代の物語、待望の続編。
    (解説/「もとしたいづみ」)
    -----------------------

    「椎名誠」が、雑誌『すばる』の2008年(平成20年)2月号から2008年(平成20年)10月号に連載していた作品9篇を収録した短篇集です、、、

    本作品では、サンフランシスコに住む息子「岳」の家族(もちろん孫の「風太くん」、「海ちゃん」も)が日本に帰ってくるまでの期間が描かれています。

     ■いばらの道
     ■雑魚丸くん
     ■加賀料理
     ■ラジオの日
     ■ビビンバくん
     ■十九歳
     ■百年食堂
     ■アゲハチョウ
     ■湾岸道路
     ■続編のあとがき
     ■解説 もとしたいづみ

    相変わらず、沖縄のFM放送のラジオ番組の収録や、釣り雑誌の取材旅行、日本全国の珍しい祭りや百年食堂に関わる取材旅行、文学賞やドキュメンタリ番組の選考会等で忙しくしていることに違いはないですが、、、

    小笠原諸島への旅で先延ばしした原稿の締め切り等もあり、月に40本の原稿締め切りに追われたり(本人曰く粗製乱造作家とのことです 笑)、娘が一時帰国したり、妻の勧めで人生初の人間ドックを経験したり… と、ちょっとした変化も加えた日常に、サンフランシスコに住む「風太くん」からの国際電話がアクセントを加える日々が、巧く描かれています。

    時々、過去の回想を挟みながら、重すぎず軽すぎない絶妙な語り口… すいすいとページを捲ってしまい、いつの間にか読了してしまった感じです、、、

    『岳物語』を巡る、息子の怒りや、その後の相互理解等も印象的なエピソードでしたね… 胸が熱くなりましたね。

    結局、「風太くん」との"大きな約束"であるサンフランシスコのベイブリッジ(「風太くん」曰くベイブリブリッジ)での釣りは、果たせなかったのかな… でも、これからも実現するチャンスはありますからね、、、

    次も「椎名誠」の私小説を読もうと思います… 愉しみです。
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    投稿日:2023.03.23

  • yappinkun

    yappinkun

    椎名誠氏の自伝的私小説。
    他人のうちではあるが、椎名誠氏と奥さん、岳君、娘さん、孫の風太くん、海ちゃんと、親戚でもないのだが、その後の事が気になります。
    自由に人生を謳歌している椎名誠氏の、シーナ的生活には、憧れますが、真似をしようとは思わないし、出来ないな。続きを読む

    投稿日:2023.03.23

  • あきこ(iPod)

    あきこ(iPod)

    滅多に本を読まないうちの人がおすすめしてくれた本。スラスラ読みやすくてあっという間だった!

    図書館に続〜しかなかったんだけど、おかげで椎名誠さんの本、もっと色々読みたいと思えた。エッセイの端々にステキな表現が散らばってて面白かった。父と息子、父と孫、父と母、いろんな関係性があっていいね。個人的にはビビンバくんの章が忘れらない笑続きを読む

    投稿日:2022.01.30

  • Tsuzuki203sw

    Tsuzuki203sw

    椎名誠、「哀愁の街に霧が降るのだ」「さらば国分寺書店のオババ」「怪しい探検隊シリーズ」更には「本の雑誌」までも昔は読んでいたほどハマっていた。
    それが、いつの間にやらTVで良く見る様になり、そのお仲間もメジャーになるに従い何故かその著書にも、活動からも離れてしまった。
    ブクログである方の書評を読み、ひさかぶりに読んでみると、「あーなんで、写真展とか観に行かなかったのだろう」と今更ながら後悔してしまった。
    最近読んだ「アラスカ物語」の世界観をシーナさんはどんな風に写真に収めていたのか、今更ながら気になる。
    「岳物語」は読んだと思うのだが、すっかり忘れてるので、そのうちおさらいしようと思う。
    新しい作品も読みたい。
    続きを読む

    投稿日:2020.03.28

  • kazuhisachiba

    kazuhisachiba

    孫の誕生によって増えた家族との繋がりの密度に基づき,年を重ねた自らの生との関係性を模索する日々が,何の修飾もなく描かれる.人が人として生きるためには,他者との繋がりがあって,広義の群体としてしか存在し得ないのだ,これが正常な人間としての社会性だよな,と妙に納得する.続きを読む

    投稿日:2018.09.17

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