【感想】昔話と文学

柳田国男 / 角川ソフィア文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
0
1
1
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • 杏の庭

    杏の庭

    このレビューはネタバレを含みます

    表紙が可愛い割には、内容はなかなか難関だったような。
    民俗学の先駆けである柳田国男の時代でさえ、昔話の大半は既に消えつつあったらしいから、今に至るまで、数多くの昔話がなくなってしまったのだろうなと思った。

    あと、昔話がどんどん世俗化していくという個所が納得いった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2014.01.04

  • nt

    nt

    先日読んだ『桃太郎の誕生』の続編のような位置にある本。やはり「昔話」を中心主題とし、それと「文学」=書かれたものとの接点を探る。
    冒頭扱われる「竹取物語」は、やはり当時既に広まっていった昔話を活用して書かれたものだ。柳田によるとこの物語の原型は全国に広まっている「羽衣談」の変形でもある。
    天上からやってきた天女が、地上の人間としばし過ごし、福をもたらしたのちに、再び天上へと去ってゆく。そういえば鶴の恩返しもそうである。しかもどうやら、この「天上」というのは富士山の山頂ではないかということが、この本ではほのめかされている。かぐや姫が生まれた「竹」自体が、富士山山頂にイメージされていたのではないか。
    富士山をめぐってはやはり多数の神話的・宗教的な伝説が存在した。山が不可思議なものであり、それゆえに神聖であるという日本人の発想をたどれば、なるほどそうなるのかもしれない。
    神話が庶民の、無数のパロールの層を経由することによって、昔話や童話に変容する。こう考えると、昔話をめぐる探索の思考もまた、「神話論理」を追いかける冒険なのだ。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.27

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。