【感想】老後がこわい

香山リカ / 講談社現代新書
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.1
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1
6
2
0

ブクログレビュー

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  • osawat

    osawat

    このレビューはネタバレを含みます

    独身女性は部屋も借りにくいという話から親の死、ペットの死、さらには老後まで。 新聞の読者投稿レベルだからことだが、話はわかる。

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    投稿日:2022.04.04

  • しまなん

    しまなん

    老後。それもシングル女性となるといつまで働けるか、賃貸の立ち退き命令、家族の介護と死別、入院の保証人問題…お金で解決できる課題も多いが、できない課題もある。

    誰もが老後には不安があり、課題も多い。著者は課題を整理して、案や思考をまとめていますが、もちろん答えはありません。ただ、どんな課題が考えられるのかや、今からどんな対策をすれば良いかのきっかけになる本です。続きを読む

    投稿日:2019.07.09

  • shiroishirokuma

    shiroishirokuma

    出版されてからだいぶ時間が経っているが、今もあまり変わっていないような気がする。

    お葬式、お墓、親との関係、ペット、人生そのもの思い通りにならないことが多々あるけれど、人生の終焉にはさらにままならないことが増えていくのだなあと感じる。

    ただ、あとがきにあるように悲観的に考えてもなるようにしかならないのかなとは思う。それにしても詩人の茨木のり子さん(代表作「倚りかからず」)が生前から死後に出すためのあいさつ状(死亡日と死因、投函日だけあとで記入)を準備していたというエピソードは素晴らしい。なるようにしかならないとは言っても、きちんと後始末をつけて去っていかれる人はやはり素敵だなと思う。

    あともう一か所、すごく印象に残った部分。
    介護が必要になった親を持つ人に対しての言葉。
    「それまでの輝いていたはずの姿から死期の迫った姿にその人の記憶を塗り替えようとしているのは、本人ではなくてそう思う家族や周囲の人なのだ」
    「やさしくてきれいだったお母さんがあなたのお母さんの本当の姿で、いま病気に苦しむ姿を“これが私のお母さんの姿なんだ”と思う必要はありません。~本当のお母さんの別バージョンだと思って~」
    そうだ。その人の一番よかったとき、素敵だったとき、それが真実の姿。病に侵された姿が目の前にあるとどうしてもそこにしか目がいかなくなるし、実質的にやってあげなくてはならないこともあり、なかなかそこまで余裕が持てないかもしれないけれど、その人の輝いていたときの姿を忘れないで接することができたなら。ただ、輝いていたときの姿と病気になった後とのギャップを余計に感じてしまって辛いときもあるのかも。でも、相手にとってみたら輝いていたときの姿を思い出して接してほしいものだろうか。
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    投稿日:2013.12.27

  • 植田香代子

    植田香代子

    たしかに。

    老後は明るくない、と思う。
    でもそれは今だから?なのか?
    老いていくということを考えると、明るいイメージが持てないというのはいつの世も、という気もする。

    それにしても
    私は自分の老後をどうしたい、と思っているのだろう。
    このままその日、その日で精一杯、といううちにどっぷり老後にひたっているのだろうか?
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    投稿日:2011.10.04

  • 隆一郎

    隆一郎

    流れ
    一人暮らしの死

    終の住み家

    いつまで働けるか

    親の死

    一人身の老後

    自分のための葬儀



    『拒否される”女性のひとり暮らし”』(P. 20)
    女性の一人暮らしは何かと理由をつけて
    退去に追い込まれるようです。
    理由ははっきりとは示されていませんが、
    独身は自殺しやすい、と世間では思われているようです。

    人が死んだ部屋は、次の貸し出しでは
    事故物件として必ず入居希望者に説明しなくてはなりません。
    人が死んだことがある部屋なんて、
    普通は気持ち悪くて、安くても住みたいなんて思わないでしょうから、
    大家さんとしては、そういう事故物件を抱えて
    空室率があがってはたまらないと思うのでしょう。

    『家賃の不払い、病気、事故等に対する不安感から
    高齢者の入居を拒否することが多く、
    高齢者の居住の安定が図れない状況にあります』(P. 27)
    女性に限らず、年寄りの一人暮らしは嫌がられるようです。
    きっと、老衰などの事故を恐れているのだと思います。
    老衰であっても、もちろん事故物件になるので、
    やはり次の借り手はなかなかつかないでしょう。

    入居者をこういった一種の偏見で差別するのは
    人道的にいかがなものか、と思いますが、
    大家業がボランティアでない以上、
    大家さんのリスクを考えた場合、単純に責めることはできません。
    リスクを負うのは、私ではなく大家さんだからです。

    この事実を鑑みると、持家派と賃貸派と、どちらが得か
    という問答が巷ではよくみられるのですが、
    こういう事実を知ってしまうと、
    経済的な観点以外の面で、
    持家派が正解なのかもしれないと思ってしまいます。


    『グループホームで暮らすよりは、ひとり暮らしをしながら
    ゆるやかなネットワークでつながるほうがよい』(P. 43)
    これは実際にいろいろと経験した人の言葉だけに
    興味深い発言であると思います。
    ずっと独身でいくと決めた、というのであれば、
    そういう独身者同士みんなで寄り添って生きていくというのが、
    容易に助け合いもできて、とてもよさそうです。
    しかし実際は、あまりにも他人が近くにいると
    わずらわしいことの方が多いのでしょう。
    いわゆる、「ヤマアラシのジレンマ」というやつなのでしょう。


    『「負け組」には「仕事がない」人に加え
    「仕事をしなくてはならない人」も含まれているように思う』(P. 70)
    確かに、年金がもらえるのは65歳からですので、
    それまで不労所得や貯蓄のない人は
    パートでもなんでもして生きていくしかありません。
    悠々自適な定年後の生活ではなく、大変な生活だと思います。
    しかも、年金というものは、生活費としてはぎりぎりの額です。
    年金をもらえるといっても、
    通常それだけで暮らしていくことはできません。

    貯蓄や不労所得がなければ
    やはり、高齢になっても働くしかないのです。
    もちろんそんな状況では
    病気になっても、治療費は払えません。
    これは命にかかわる大変な状況です。


    『努力妄信病とでも言おうか。
    しかし、自分の努力で思い通りにできることなど、
    案外、少ない』(P. 146)
    死ぬことでさえ、自分の努力だけでは決められません。
    明日事故で死ぬかもしれませんし、
    まともに治療費が払えないのに、100歳まで生きてしまうかもしれません。

    それなのに、世の中のことは
    努力すれば絶対になんとかなる、といわれています。
    努力でなんとかなるものは、
    実際のところ、そんなに多くないように思います。

    しかし、だからといって、
    努力をすることが無駄だとは思いません。
    いい結果を得るための必要条件が努力だからです。
    十分条件ではないのが残念ですが、
    努力が必ずしも報われるわけではない、
    ということを覚悟してなお努力せずにはいられない、
    それが成功する人なのだと思うのです。


    料理教室に通う男性が多いのだといいます。
    そこで、どうして料理教室に通うおうと思ったのですか?と
    質問してみるとその理由は、
    『「定年で時間ができたから」であって、
    「いざというときのために」ではない』(P. 172)
    というらしいのです。
    でも、料理の重要性に気づいてない男性が
    わざわざ60歳過ぎて料理を習いにくるでしょうか?
    ほんとうはすでに料理の重要性に気付いているのだと思います。
    しかし、これまで女性がやるべきと思って
    一切やってこなかった炊事をいきなりやり始めるというのも、
    ちょっと恥ずかしい気がするので、
    どうして料理をする気になったんですか?と問われたら
    時間ができたから、と言ってるだけなんだと思います。
    そんなことどうでもいいことなのかもしれませんが、
    年配の男性だって料理の重要性は十分把握していると思うのです。
    続きを読む

    投稿日:2011.01.25

  • bax

    bax

    [ 内容 ]
    ひとりで暮らして「死」の瞬間は幸福だろうか。
    「愛するひと」に恵まれた「人生」はあるのだろうか…。

    [ 目次 ]
    第1章 ひとり暮らしの友の死
    第2章 “終の棲家”は必要か
    第3章 いつまで働けるか
    第4章 親の死はどう乗り越える
    第5章 「介護は家族」が主流の中で
    第6章 病気になると何がたいへん?
    第7章 ペットを失う時
    第8章 孤独死だなんて言われたくない
    第9章 「私らしいお別れ」なんてあるのか
    第10章 自分のための葬儀・遺骨処理を
    あとがきに代えて―愛する人がいる人生もいない人生も

    [ POP ]


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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]
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    投稿日:2010.11.21

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