【感想】人生を狂わせずに親の「老い」とつき合う 「介護崩壊」時代に親子の絆を守る

和田秀樹 / 講談社+α新書
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
0
5
3
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • seiyan36

    seiyan36

    32頁に、元女性タレントの清水由貴子さん(2009年当時、49歳)が、父親の墓前で自殺し、自殺の現場には、車椅子の母親がひとり残されていたということがあった。
    母親は要介護5と判定されており、デイサービスにも通っていたそうだが、介護疲れによる自殺だったようだ。

    188頁。
    お年寄りを介護する世代の数が圧倒的に少なくなったいまの世の中では、「最期まで自宅で親の面倒をみなければいけない」という考えにとらわれず、認知症かどうかにかかわらず、要介護の人は施設で看てもらうほうがいいと私は思っている。

    そうなのかなあ、と思いつつある。
    自分の場合、義母が91歳、実母が82歳。
    どちらも、自宅で一人暮らし。
    91歳の義母は認知症と思われるが、介護認定は受けていない。
    食事やトイレは自分ででき、風呂も入れる。
    ただ、風呂に入る時は、妻や妻の姉がいる時に行うようにしている。
    そろそろ、介護認定を受けた方が良いのでは、と提案しているが、妻には当面その気はなし。


    ●2023年2月5日、追記。

    義母が昨日亡くなった。
    療養型病院で、93歳にて。
    介護認定5を受け、数カ月は自宅で介護してたが、約1年前に入院。
    一度の転院を経て、最後は療養型病院で亡くなった。
    コロナの影響で、面会できずの日々が、切なかった。
    続きを読む

    投稿日:2020.10.10

  • dekadanna

    dekadanna

    絶望的と思っていた親の介護について、一筋の光が見えた気がする。介護保険のおかげで、民間の介護施設でも現実的な値段で入所できそう。また、後見人については考えさせられた。親がしっかりしているうちに、任意で後見人を選んでおいてもらうのが良さそうだと思った。続きを読む

    投稿日:2018.11.12

  • お転婆さん

    お転婆さん

    「在宅介護は日本の美風」と言った政治家がいるそうだが、著者はこれは全く事実ではなく、むしろ施設を作りたくない政府や厚生労働省の「洗脳」言動ではないかと糾す。
    「介護」ということがこれほど家の中で長く続く行為となったのはごく最近であり、それまでは事実上、寝たきり入院の末に病院で看取ることが当たり前だったのだから。
    そして高齢者の介護を行政が見切り、家族に過剰な負担がかかってきつつある現在、その解決方法は「放置」しかなくなるのではないかと警鐘を鳴らす。
    事実、親のために離職する働き盛りの男性は増えてきており、そういう人々は再就職もままならず、親の年金にパラサイトせざるを得ない。女性も介護のために婚期を逸している人は多く、それも少子化の一因なのかもしれない。
    しかし、実際に携わる人々以外が介護という事実に目を向けることは少なく、系統だった社会的対応は成されず、政策としてもぱっとしない。
    「超」高齢化のみが話題となっているものの、その人々を直に支える側について、もっと考えるべきだろう。そして著者が主張するように「施設介護があたりまえ」という状況を普通にしていかなければならないと切に思う。
    続きを読む

    投稿日:2015.07.28

  • 講談社+α

    講談社+α

    いま、老いた親の介護のために仕事を辞めざるを得ない現役世代が急増している。いざというとき、国も行政も何の支えにもならない現実。高齢者を専門とする医師が、すでに起こっている「介護崩壊」の実態を明らかにし、「人生80年」「人生100年」時代に、すべての家族が笑顔で暮らしていくための転ばぬ先の杖を指し示す!続きを読む

    投稿日:2015.05.25

  • 人生≒本×Snow Man

    人生≒本×Snow Man

    日本の介護をめぐる危機を訴え、備えるべき事をずらっと説いている。コンパクトで読みやすく、さしあたって介護を考えなければならない世代の人は一読する価値がある。頭の整理のためにも。

    ・平成21年、介護疲れの自殺者は285人
    ・ドイツでは現金給付を許している。
    ・一般に薬の副作用は若い人より高齢者の方に出やすい。
    続きを読む

    投稿日:2013.06.04

  • 岡本大輔@介護支援専門員

    岡本大輔@介護支援専門員

    このレビューはネタバレを含みます

    チェック項目12箇所。介護できる家族はいない、老老介護で支えようにも、支え手がいない、どうにもならなくなる現実は目前だ、方法は唯一、社会で支えること、つまり特別養護老人ホームをはじめとする介護施設を充実させていくしかない。実質的には在宅介護などという伝統は日本にはない――と言ったら驚かれるだろうか、これには、いくつも原因がある、ひとつは、戦前までの日本は、先進国(当時でも一応そう呼ばれていた)の中でもっとも短命な国だった、結核などの感染症が多く、それを克服できていなかったからだ。「認知症もかなり進んでいるから、これ以上、積極的な治療はやめましょう」と、医者が言っても、「それは困る。人工呼吸器をつけてでも、管だらけになってでも、なんでもいいから1秒でも長く生かしてください!」と、子どもが言うのだ、ここで親を安らかに逝かせてしまっては、家賃も食費も払えなくなってしまうと必死なのだ。崩壊した「介護の三種の神器」……社会的入院、介護を担う女性と、身内や地域社会のバックアップ、老老介護。アニメ『サザエさん』の原作となった新聞マンガがスタートしたのは、太平洋戦争が終わった翌年、1946年のことだ、アニメでは老けて見えるが、原作では父親の波平が54歳、母親のフネは48歳という設定だった、波平は所ジョージより年下で、フネは松田聖子より若いのである、なお、フネの年齢はアニメでは52歳という設定らしいが、それでも榊原郁恵と同い年だ。「施設で死ぬのはかわいそう」という偏った発想は、中高年の女性や、老老介護を強いられているお年寄りの負担を、さらに増やす危険がある。そもそも孤独死というのは、死の直前まで自立していた人にしか起きない、孤独死というのは、「だれにもみとられることなく息を引き取り、その後、相当期間放置されるような悲惨な孤立死(孤独死)」と厚生労働省が定義している、要するに、相当期間にわたって人が訪ねてこないという環境で暮らしていたということでもある。「特養ホームをもっとつくれ」という国民の声を無視するかのように、「渋滞を解消するために道路をつくらなければいけない」とか、「まだまだ高速道路が足りない」などとのたまう、時代錯誤の政治家や官僚がいる、高齢化や不景気の影響もあって、すでに数年前から車の数は減っているのに、である。日本ではいまだに、「ヘルパーさんに来てもらうのはなんとなく気が引ける」と思っている人も少なくない、「他人に家の中に入られるのはイヤだ」「人の手を借りなくても自分で面倒をみられる」「うちの親は、まだデイサービスに行くほどボケていない」といった理由から、サービスを受けない人がいるのが実情だ。いまは親の介護をする世代が50~60代だから、無病息災というわけにもいかない、この年代は、うつ病やがんや心臓病になりやすいし、病気やケガをしても、若いときのようにすぐにはよくならない、介護している人が、いつ具合が悪くなるかもわからない、そんなときでも、前もって要介護認定さえ受けておけば、必要になったときすぐにサービスを利用することができる。いまは、介護認定で認められた範囲内であれば、ショートステイのサービスを利用できる、むろんその理由が、「出張で家をあけなければならないから」であろうが、「海外旅行をしたいから」であろうが、「子どもの受験期間だから」であろうが、なんら問題にはされない。主治医がどのくらい親切に、かつ詳しく意見書を書いてくれるかは、要介護度を決めるうえでかなり大きなウエイトを占めている。ケアマネの数は足りていても、みんな有能なケアマネとはかぎらない、個々のケアマネの力量には、かなり大きな差があるのが実情だ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2013.03.03

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。