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谷川彰英 / 講談社+α新書 (17件のレビュー)
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テムズの畔にて
100年前の東京市高低図をヒントに洪水の多いところ、そうでないところを解説していく。想像の通りだが、それなりに勉強にはなる。 冒頭に東京湾津波10mで妙に煽っているが、地名と由来を解説する3章以下が…参考になる。続きを読む
投稿日:2023.10.15
saga-ref
書名から期待した満足感は得られなかった。それは津波にまつわる地名が都内に存在するというものではなかったからだ。東京の水にまつわる地名は、区画整理や住居表示の合理化で失われているものが多そうだが、そのあ…たりの言及も少ない。本書で紹介された深川の波除碑も、津波ではなく高潮の痕跡を示すもの。東日本大震災直後に執筆されたため、東京都の津波対策はおそらく端緒についたばかりだったろう。波高10mの津波想定は有りだ。埋立地、海抜0m地帯、そして地下鉄の津波への備えと、その限界を知ることは無駄ではない。続きを読む
投稿日:2020.09.26
たけ坊
東京は高層ビルが立ち並んでて土地の高低感がなくなってしまってるんだけど、実際歩いてみたりしたところを振り返ると結構坂とか多いんだよね。そういった東京の地形を振り返りつつ地名を考えてみるとなるほどと思う…ところが多い。 東京だけでなく全国にも通じるところがあって、例えば亀という地名は水の中に浮かぶ亀の甲羅のような、すなわち島のことだとか、築地は埋立地だとか。 地名は面白い。この地名から歴史や地形的な特性を探究する本が出てるけど、今まで住んできた土地土地の本があればいいなぁ。続きを読む
投稿日:2018.07.25
YAJ
このレビューはネタバレを含みます
東京に10mの津波がやってきたらどうなるのかを、関東大震災後の大正時代に刊行された「東京市高低図」を使ってシミュレーション。その危険性を地名から読み解けるかという話を分かりやすく解説している。 都内に暮らし、山手線界隈を普段チャリで移動している身としては、日頃体感している感覚を文章で補ってくれる一冊であった。が、それ以上でも以下でもなく、比較的知っている、というか分かっている話も多い。 東京の東のほうは「砂」だ「浜」だと地名に付いてて、海抜0で浸水するとか、あるいは地震で液状化という話も知ってる人は多いのでは? 「谷」、「池」、「津」の付く地名も低地で湿地で地盤が盤石ではないのは東京に限ったことじゃないしね。 地域ごとに具に見ていくけど、主だった検証以外は、「柴又」はかつては「嶋叉」(水が島を避けるように流れていた地形)であったとか、「日暮里」は「新堀」だった、「三田」は「御田」(何らかの意味で「尊敬を受ける田んぼ」)といった地名の薀蓄が並び、それなりに面白いけど、さほど新しい発見は少なかったかな。 ただ、こうして地名が変わっていく、あるいは表記が別の字に置き換えられていくことで、本来の意味が失われていくことには注意が必要だ。本書でも引用されている柳田國男の言葉、 『地名とはそもそも何であるかというと、要するに二人以上の人の間で共同に使用せらるる符号である。』 を再認識し、地名に込められた記憶が失われていく危険性は知っておくべき。本書で、もっとそこを強調してもよかったと思う。「なんとか丘」とか「なんとか学園」とかの地名の、なんと意味ないことかってのがよく分かる。 サクっと読めて、知識欲をそこそこ刺激してくれる面白い一冊でした。東京都に暮らす・働く人なら体感しながら本書を読んでおくといいと思った。
投稿日:2017.09.05
ebekaz
東京への興味をかきたてられます。谷、洲、橋などが含まれる地名の由来・歴史等を知りつつ防災意識に目覚めます。簡潔で過不足ない解説が、スラスラ頭に入ってきます。類似の東京・江戸探検モノとは一線を画す東京へ…の愛を感じました。それは、東京人だけへのものではない人々への愛に通じているようです。感服。同時に見事な実用書。続きを読む
投稿日:2017.05.23
講談社+α
東京の高低図に照らして地名を探りながら、東京の地形と地名の安全度、危険度、震災への心構えを、読者に「立体的に」また「蘊蓄をもとに」気づかせようというのが、本書のねらいである。
投稿日:2015.05.25
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