【感想】関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

笠谷和比古 / 講談社学術文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • mmlibrary

    mmlibrary

    2023/7/17読了
     関ヶ原の戦いとその前後の様子が過去の文献を基にした内容で論文形式で記述されている。目新しさは無いような・・・

    投稿日:2023.07.17

  • tokyobay

    tokyobay

    「家康が大坂の陣を起こしたのが不可解」という著者のむすびにあるように、関ケ原は天下分け目などではなく、関ケ原後は徳川(武家)・豊臣(公家)の二重公儀体制であっという解釈。家康は関ケ原後も秀頼に対して特別待遇をし続けていた。
    でも実際に大坂の陣は起こったわけで、その歴史的事実から遡って、関ケ原以降の15年間を解釈するのか?大坂の陣が起こるという事を前提とせず、純粋に史料批判を行って解釈するかの違いなのだろう。家康にどの時点でどの程度の野心があって、将来どうするつもりだったのかはわからない。通説では二条城会見で秀頼が立派だったので老人家康が焦ったという事だが、それにしても大坂の陣には大儀がないし、無理がある。この辺はまだまだ謎が多いと感じた。
    尚、学術文庫なのでそれなりに硬派な内容ではあるのだが、小早川秀秋が「問鉄砲」に驚いて裏切りを決断というのは、史実ではないというのが優勢なのだが、著者レベルでも平気で俗説を記述してしまう点においては、その根強さを感じる所もあった。
    続きを読む

    投稿日:2017.09.01

  • pikec3

    pikec3

    関ケ原の合戦およびその前後が詳細に記述されている。
    徳川方に属する豊臣系武将の強さ、そして、その強さを認識しながらも豊臣家とは異なる公儀制を布くことで、反感を買うことなく実質的に日本を支配してしまう家康の強かさには感嘆せずにはいられない。続きを読む

    投稿日:2017.02.18

  • nur1202

    nur1202

    これまでの「東軍が勝って、徳川の天下ができましたとさ」みたいな考え方が、ちょっと変わるような、関ヶ原合戦の研究書。
    合戦前後の詳細な大名の動向を知るのにも、良い本だと思いました。
    序文を読むと、いつものトンデモ歴史解釈の人みたいな印象を持つかもしれませんが、本文でちゃんと考え方が示されているので、安心して読んで良いでしょう。(^^;
    同じ作者で、大阪冬夏の陣に至るまでの話も読んでみたいのですが、研究者ってそんなに幅広くは研究対象としないんだろうなぁ。(^^;
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    投稿日:2016.08.24

  • mokunokami

    mokunokami

     初出は1994年。関ヶ原合戦における東軍の意図せざる編成に、初期の幕藩体制を規定した政治史的・国制史的意義を見出している。「家康の戦略」という副題に反して、むしろ徳川家康のリーダーシップの脆弱性と豊臣系大名の強靭さを強調しており、豊臣秀頼の再評価と初期徳川幕府の西国支配の弱さという、近年の研究潮流に影響を与えたと言えよう。続きを読む

    投稿日:2014.10.29

  • shimu2

    shimu2

    [江戸前夜、天下両分]東西両軍が激しく争い、その結果が江戸時代の幕を開けることにつながった関ヶ原の合戦。戦に至るまでの経緯からその戦闘及び戦略の特徴、そして合戦がその後の政治体制の形成に与えた影響を考察した一冊です。著者は、クラシック音楽への造詣も深い歴史学者である笠谷和比古。


    (失礼ながら)思いも寄らない傑作に出会ってしまいました。「なぜ重要な先陣に家康は豊臣系武将を配置せざるを得なかったか」、「なぜ緒戦が拮抗していたにも関わらず、家康を取り囲むようにしていた3万人もの軍勢を最後の最後まで合戦に投入できなかったか」などの問いを手がかりにしながら、合戦の全体像を描いていく様はお世辞ではなく圧巻。また、著者の筆により浮かび上がってくる関ヶ原合戦の尋常でない重要性にも身震いを覚えました。


    本書の白眉は関ヶ原合戦が江戸幕府の政治体制にどのような影響を及ぼしたかを叙述した箇所。合戦において勝利を収めた家康が、実はその勝利の内実に苦悩しながら、見事としか形容のしようがないバランス感覚を発揮して体制を固めていったことが伺えます。それだけに、著者が指摘するように大阪の陣で「豹変」とも言える態度をとった家康の心が那辺にあったのかが本当に気になるところです。

    〜関ヶ原合戦が歴史の過程のなかで果たした役割は、徳川幕府による日本全土に対する一元的で中央集権的な支配体制を確立したことではなく、むしろさまざまな局面において、分権的で多元的な政治秩序をその後の近世社会に対して付与したことにあるように思われる。〜

    めっけもん的一冊でした☆5つ
    続きを読む

    投稿日:2014.10.13

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