【感想】マンガ 絶滅する日本の動物

今泉忠明, 佐藤晴美 / 講談社+α文庫
(3件のレビュー)

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  • 出雲一寸

    出雲一寸

    読書録「マンガ絶滅する日本の動物」4

    著者 今泉忠明、佐藤晴美
    出版 講談社

    p175より引用
    “『ラスカル』を終わりまでよく読めば、ア
    ライグマを遺棄したらどうなるかくらい想像
    がつこうというものだ。そんな努力もしない
    で、見かけがかわいいから、飼ってみたいか
    ら……じゃ、たまらない。”

    目次から抜粋引用
    “チョウセンイタチは東を目指す
     アナウサギはオーストラリアを砂漠にする
     アライグマは日本で大害獣となる
     マングースは奄美の固有種を食い尽くす”

     哺乳類研究の第一人者と動物漫画を多く描
    く漫画家による、外来生物の脅威を記した一
    冊。過去同社刊行「マンガ・動物たちの仁義
    なき戦い」、改題・加筆・修正・再編集文庫
    版。
     各外来種の事情から帰化動物リスト等の資
    料まで、人と生物の関わりについて考えさせ
    られる内容となっています。

     上記の引用は、アライグマについて書かれ
    た話での一節。
    元の本は1994年出版、この頃はまだ北海道で
    しか問題になっていなかったようですが、今
    現在は本州に住む私の周囲でも、農作物の被
    害が大きくなっています。
    まともに作物が採れなくなったり、もともと
    いた生き物がいなくなることによる自然のバ
    ランスの崩れによって困るのは、農家だけで
    はなく、いい加減なことをした人達の子孫も
    含まれるでしょうに。
     日本だけでなく、いろんな国の人達が、動
    物を人為的に移動させて、問題を増やしてい
    るようです。自分に都合のいい環境を作るた
    めに自然を操るのが人間らしさならば、とこ
    までいっても終わらない問題なのかも知れま
    せん。多分、宇宙に進出することになっても、
    同じような問題が発生しそうなきがします。

    ーーーーー
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    投稿日:2017.05.06

  • takemog

    takemog

    古本で購入。

    数編の漫画と動物学者の解説からなる本。
    入門としてはちょうどいいかな。漫画は少し動物を擬人化しすぎているけど。

    タイトルとは裏腹に、この本の主役は「日本の動物を“絶滅させる”外来帰化動物」。
    固有のニホンイタチを駆逐するチョウセンイタチ、大害獣と化すアライグマ、奄美の固有種を食らい尽くすマングースなど、日本の生態系に起きている危機について、ほんの一部ではあるけどざっくりと知ることができる。

    紹介される事例のなかで驚きなのは、純粋な野生のニホンキジは絶滅している、ということ。
    江戸時代以来続いたコウライキジの放鳥によって交雑が進んだためらしい。だから現在その辺で見られるキジは雑種というわけだ。
    ちなみに、首に白い筋があるのがコウライキジの特徴だそうな。

    しかし国鳥が野生絶滅ってどうなの。
    国鳥が狩猟OKっていうのもどうかと思うけど。

    ここに収められた漫画は現状を描くだけ。
    解決方法などについては別段ふれていない。

    なぜか。
    それは解決方法がひとつしかないから。

    その方法とはもちろん移入された動物の駆除。
    結局、一番原始的で金のかかるこの手段しかない。

    移入が人間のエゴなら駆除も人間のエゴ。どっちもエゴならよりマシなエゴを貫きましょう。
    元々の生態系を守るため、ただ“生きている”動物を殺す。そこに安っぽい動物愛護思想が立ち入る隙はないだろう。
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    投稿日:2013.07.27

  • seisokubunpuiki

    seisokubunpuiki

    タイトル…1
    文庫版まえがきー「帰化動物」がなぜ問題なのか 今泉忠明…3
    文庫版まえがきー身近にいる生き物が「帰化動物」 佐藤晴美…7
    目次…11
    チョウセンイタチは東を目指す…15
    タイワンリスが森を滅ぼす…63
    チョウセンシマリスはヤマネを襲う…107
    アナウサギはオーストラリアを砂漠にする…145
    アライグマは日本で大害獣となる…173
    コウライキジは日本を制した…201
    マングースは奄美の固有種を食い尽くす…251
    解説 日本の動物が危ない 今泉忠明…279
    資料①日本の主な帰化動物…361
    資料②日本の侵略的外来種 哺乳類ワースト10…353
    資料③日本産哺乳類のリスト…335
    全363ページ

    ※一九九四年刊行の「マンガ・動物たちの仁義なき戦い」(ブルーバックス)が改題され、大幅に加筆・修正・再編集された。
    当初の「チョウセンシマリスはヤマネを滅ぼす?」は「チョウセンシマリスはヤマネを襲う」に変更された。
    ヤマネは世界で本州、四国、九州だけにいる動物である。北海道にはいないが、その理由の一つは、北海道にはシマリスが野生するから、ヤマネが棲息できなかったのだと思っている。と記載されているP109。
    巻末資料①日本の主な帰化動物チョウセンシマリスには、ヤマネは世界で本州、四国、九州のみ棲息する小獣で、北海道、あるいは大陸には棲息しない。これはシマリスとの競合の結果、絶滅したものと私は考えている。と記載されている。
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    投稿日:2012.02.11

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