【感想】文庫旅館で待つ本は

名取佐和子 / 筑摩書房
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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4
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ブクログレビュー

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  • 小糸

    小糸

    1冊目から5冊目まで。
    私は全く読んだことがない。明治、大正、昭和初期の文章に抵抗があるからだ。ただやはりそれらは、その時代に生きた人にとっての魂のこもったものなのだろうと思う。一度は読まねば!と思い至った。続きを読む

    投稿日:2024.05.17

  • mamiko

    mamiko

    創業90年を超えた凧屋旅館。そこには文庫コーナーがあり、昭和初期くらいまでの古書が揃っている。1冊目から4冊目までは、凧屋旅館を訪れた客に、若女将の円が同じ匂いのする本をその人が今必要としている本を勧めていきます。最後の5冊目では、海老沢文庫がなぜこの旅館にくることになったのかの答え話です。
    現実でも、本が読める宿がありますよね。前から1度行きたいなーと思ってましたが、この本を読んでますます行きたくなりました。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.09

  • kurione

    kurione

    「取り残された寂しさといふよりも、行手を塞がれた悲しみを感じる」(むすめごころ 川端康成)

    名作の印象的なフレーズが取り上げられていて、いや、大変よかった。
    一気読みするのがもったいなく。
    是非シリーズにしてもらって、2作目以降も読んでみたい。

    この方、金曜日の本屋さんシリーズの春夏秋冬のタイトル(米澤穂信の小市民シリーズ?)とか、本作も女将が本が読めない体質で、お客さんに朗読してもらうシーン(完全にビ◯リア古書堂!)とか、気になるところがあるものの、作品自体は面白いのでまあ良いか。

    その他、印象に残ったフレーズ。

    「…もう直ぐ、二人の間の扉は閉められるのだ。」
    「…しかし、彼女も俺も、もうどちらもお互いに與へるものは與へて了つた。今は残つているものは何物もない。」
    (春は馬車に乗って 横光利一)
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    投稿日:2024.04.28

  • ミステイク承知の助

    ミステイク承知の助

    夏目漱石、志賀直哉、芥川龍之介等々の年代物の日本文庫がたくさんおいてある凧屋旅館。
    そこに訪れる人々に同じニオイのする文庫を薦める若女将の円
    円は本から漂うニオイがダメで本を読む事ができない。
    代わりに、お客様にお勧めした本の感想を聞き、お客様は感想を話しながら、悩みが解決していきます。
    最終章5冊目で、キレイに伏線回収されました。5冊目の為の4冊な印象ですが。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.15

  • バーバ

    バーバ

    思いがけず手に取った作品でしたが、とても心地よい作品。

    図書館の蔵書となるまで、作品名はもちろん、著者の方の名前さえ知りませんでした。

    しかし文庫旅館という珍しい題名に誘われて、読み始めたら意外や意外、次々と出てくる古典たちと、旅館に宿泊する現代に生きる人たちとの悩みがリンクする面白さに引き込まれました。

    本編に出てくる文豪は、まさに多くの教科書に登場する5人と、今では記憶もはっきりしないけれど、誰もがきっと名前だけは聞いたことのある5作品が登場します。

    川端康成『むすめごころ』横光利一『春は馬車に乗って』志賀直哉『小僧の神様』芥川龍之介『藪の中』夏目漱石『こころ』

    とくに最後の「こころ」は太平洋戦争の爪痕と、時代を生きるための苦悩が「こころ」という文庫作品とリンクした内容に、思わず胸が締め付けられ、涙がこぼれました。

    最近では、次々と出版される新刊に目が向きがちで、古典と呼ばれるようになった作品を再読する機会がなくなっています。
    そんな自分への自戒も込めて、実家に買いためた文学全集を改めて読み直したい気持ちが湧いてきました。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.10

  • iku

    iku

    「5冊目」まで気を持ちすぎて、あるいは気を持たせすぎて、体力切れしてしまい、かんじんの因縁話まで身が持たず、うまく入って来なかった
    でも文庫旅館なんてワクワクするな
    その人にまとわりつく匂いと本ってどんなふうなんだろう
    みんなその人達にとっていい匂いのする本だといいな
    続きを読む

    投稿日:2024.04.08

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