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谷川嘉浩 / ちくまプリマー新書 (7件のレビュー)
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総合評価:
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伊奈
突然、人生のレールから外れたことがある。今はもう、戻ったつもりだが、どこかまだ据わりが悪い。あえてレールを外れたらどうなるのか興味があって本書を手に取りました。期待はしていなかったけれど、やはり具体的…なハウツーはない。考え方だけ教わった気がする。同じ人間だって、十年たてば、いや五分後だって別人だ。それこそそのときそのときの衝動に従うしかないのかな。続きを読む
投稿日:2024.05.06
桃
このレビューはネタバレを含みます
例えば、ボランティア活動をしている人のことを尊敬するし、自分も何か動き出したいと思っているものの、自分ならではの取り組み方がわからず、社会から与えてもらうばかりの自分に恥すら感じることもあった。 だが、自分にも、生涯をかけて実現したいことがある。そこには、自分と他者を繋ぐ理想的な形がある。幼い頃の自分や、学生の頃の自分、大人になってからの自分が欲しかったことが詰まっている。 その実現へのイメージを、長い道を追いかけていること、すぐには辿り着けずとも挑戦や勉強を重ねながら歩みを進める自分を許してあげたいと思える、背中を押してもらえる本だった。(それは、わたしの勝手な解釈だが) 下記もまた然り、 わたしの勝手な解釈である。 衝動とは?----- 行きたい島を見つけ、狙いを定めて 既存の船でなく自分で船をつくって辿り着こうとすること 航海の途中で他にも気になる島があれば寄ってもいいし、必要あらば、自分の船に固執せずに他者の船に相乗りしてみたっていい。 憑依されるとは?----- 何かの本や映画をみて、これは自分の物語だとしか思えなくなり、共感するうちに、その物語の続きを描きたくなること。 二次創作もそれにあたるのだろう。 つくり手から読み手へのリレーがあったとして、読み手の積極的なバトンの受け取りをそこに感じる。 ※つくり手、読み手 の語彙は、渡邉康太郎氏の『CONTEXT DESIGN』より拝借。
投稿日:2024.05.05
yoshichiha
「衝動」というキーワードだとやや強いので、それを「偏愛」という種に落とし込み、丁寧に自分の内外を探って見つけて、育てられるような素地づくりが大事、ということだと理解した。 逆算思考的に、目指す姿を明…確にしてそこに向かっていく、という動きを批判しているのも特徴的で、日々の心の機微、自分の偏愛を大事にしようという論で、地に足がついているように思う。 いっぽうでそのような自分の中から出てくる偏愛は、スケールしづらいものが多いのではないか。 言い換えれば「社会的成功」のコンテキストとは異なるものになりがち。それで良いと思うのだが。 社会に溢れるメッセージとしては「社会的に成功するために」やりたいことをみつけよう、という暗黙の前提があるように思う。 社会的・経済的に成功した人からの逆引きの「やりたいことを探す論」だと、どうしてもスケーラビリティや経済的・社会的リターンが強くイメージされがち。 そうじゃなくてもっと自分の内面の、「小さいけど深い欲求」を大事にしていこう、というメッセージ、とも言えると思う。続きを読む
投稿日:2024.05.01
kenisfsan
チ。を持ち出されたらズルいと思いつつ。流行りモノを取り入れて新書っぽい論理展開をしつつ、根底にある課題意識や向き先には共感する。ネガティヴケイパビリティという本が良すぎたのもあって買ったがやはり良かっ…たです。 続きを読む
投稿日:2024.04.21
NORIS
進路選択や就職活動のなかで「将来の夢」「本当にやりたいこと」「なりたい自分」といったテンプレの質問になやまされる若い人たちが、本気で自分のうちにあるマグマをみいだすためにはどうしたらいいか? 地動説を…扱った人気コミック「チ。」の主人公の例をいとぐちに、本人にもコントロールしきれないほどの、しかし何事かを成し遂げるには不可欠ともいえそうな謎の「衝動」の正体に迫り、「夢中になれる」「熱中できる」状態をていねいに観察し、自分の「偏愛」の正体を見極め、それを自分の生活に実装させていく方法をともに考える本。 今の学校などで行われるいわゆるキャリアデザイン、キャリア教育にはずっと懐疑的なのだが、それについてひじょうに的確な批判があってよかったので、ぜんぶ読む時間や力がない人は第5章だけでも読むといいと思う。 自分で考え選んで決めるといっても、人生には自分の意志ではどうにもならない要素ばかりだとはずっと思ってきた(と書くとちょっとネガティブに聞こえるかもしれないが、意志を貫こうとするよりそのときそのときの最善を選べるように生きてきてて、この本に書いてあるようなことをわたしは心のどこかでずっと考えていたのだと思う)。人生に意味を与え自分をいい方向にドライブしてくれそうな「衝動」、つい夢中になってしまう趣味の一つもみつからないとたしかにつらいと思うが、スマホなどでいつでもゆるく繋がりあっている今はそういう人が増えているらしく、若い人にはこういう指南書が必要な世の中なのだなと思った。 一方で読みながらずっと気になっていたのは、この本で考えていたのとは逆の、みつけたいというより抑えたい逃れたい負の「衝動」(←依存や嗜癖のようなものとか)はどうしたらいいのか(それで困っている人のほうが多そうで)ということだった。絶対的な善し悪しは決めつけられず、どちらもコインの裏表なのかもしれないけど・・・ それはともかく、前後して読み終えた森田真生「ぼくたちのセンス・オブ・ワンダー」(これも筑摩書房)と実は同じようなことを言っているなあと思った。続きを読む
投稿日:2024.04.18
中林
非常に面白く、参考になる。けれども意外と難しい。毎回自分の中で反芻しながら読み進めていたので遅々として進まなかった。再読したい。
投稿日:2024.04.17
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