【感想】入門 山頭火

町田康 / 春陽堂書店
(10件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • カレン

    カレン

    少し前に「口訳 古事記」を読んだ。ややこしくて読み切れなかった。
    山頭火は予備知識もあるし、興味もあるし。
    出生から、生い立ち、亡くなるまで述べてある、が、そうであろうとか、こう思うとか、作者の推測によるものが多い。
    また随所に出てくる、関西弁の感想や、話がめちゃくちゃな妄想劇?が少しうざったい(すみません)関西に馴染みのない人が読んだら意味不明な言葉多々あり。
    思うに、芭蕉や西行など俳人や歌人は往々にして旅に出ます。山頭火も然り。
    でも先のお二方とは何かが違う・・・
    旅と放浪? 目的? 人生観? 作品への思い?
    とてもモヤモヤしています。

    最後に私の好きな山頭火の句。
    〈生死の中の雪ふりしきる〉
    〈ここにおちつき草しげる〉
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    投稿日:2024.05.06

  • tomopoly

    tomopoly

    とても素晴らしく面白い本。「私が携わっていた頃のパンクロックというものは、下手であればあるほど価値がある、」というフレーズを読んで、上手くなることを避けるパンクスピリッツを捨てられないと思っていたけど、いまのパンクは違うのかも、と考え直す。続きを読む

    投稿日:2024.04.09

  • kana

    kana

    町田康氏とたどる山頭火の生涯。
    『ギケイキ』や『口訳古事記』みたいな町田節が炸裂…!
    それらとちょっと違うのは地の文に完全に町田氏が入り込んでいる分、よりパンクロッカーとか実際の経験をたくさん盛り込んでいるところ。

    山頭火の生い立ちは恵まれていたのに、親の手腕が及ばず崩れていっており、それらも生きることに対するやるせなさに影響していて、一方で自分でも押さえきれない真面目さに振り回されている…。そんな生きるのに不器用な人だなぁと思いました。
    そこにお酒が入ってきて、何もかもがめちゃくちゃに…。

    山頭火の人生がつらつら描かれていても入り込めなかったと思うのですが、町田氏が自分と山頭火を重ねながら話を進めているので面白く読めました。
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    投稿日:2024.04.06

  • mihokoupitani

    mihokoupitani

    前半の少し謙虚?遠慮がち無い町田康の語りからはじまり、途中からだんだん山頭火考察に熱がこもってゆく。後半はまるで山頭火が町田康に乗り移ったかのよう。熱い!そしてパンク!
    山頭火の人生観のなかに自分と同じものを見てしまう。その結論に至るまでの、町田康の世の中に対する、ちょっと捻くれた(でも私はとても正直だと思う!真っ直ぐで気持ちいい!)見方や物言いに私自身がハッとさせられ、自分のことをぐさっと言われている気がして。むちゃくちゃ突き刺さってきた。

    恐ろしく粗暴な語り口と、自由な文体とこれぞ生けるパンクな町田語りにどっぷり浸かっていると、いつもやけどなんか元気もらえる。
    口の悪い兄貴、でもちゃんと分かってくれてて、本当は芸事も人も大好きで、正直で、誰かを救えたらと思ってそうな(ご本人はその意識はないかもやけど)、そんな兄貴に会ったみたいな気持ち。
    山頭火も町田康もすっっっごい素敵な人だと思う。かっこいい。絶対真似できひんけど。
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    投稿日:2024.03.06

  • 5552

    5552

    「老パンクロッカーで物書き」である町田康さんによる、俳句界のパンクともいえる山頭火の評伝。
    山頭火入門、ではなく、『入門 山頭火』である。
    町田さんは、山頭火のことはよく知らない、と、言いつつ、村上護さんの著書『山頭火 漂泊の生涯』を主なガイドに、小説家の想像力で、山頭火と併走し、山頭火に潜る。
    脱線したり、山頭火や、自己にツッコミを入れたり、はたまた世間に吠えたりしながら、山頭火に共鳴していく町田さん。
    その姿は真摯で、例えば、こういう評伝とか読むと、この人はアンタなのかいっ!と言ったものも多いけれど、町田さんは「〜と、俺なんかは思う」と、謙虚。
    そこが好きである。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • arito1204

    arito1204

     山頭火。旭川発の美味しい塩ラーメンのことではない。「分け入つても分け入つても青い山」で有名な俳人の種田山頭火のことである。そんな山頭火の生涯を楽しく辿り語ったのが町田康氏による『入門山頭火』。本書の執筆2週間前から山頭火の勉強を始めたというから驚きである。お金に困りながら放浪し、酒も絶てずに俳句を作り続けた山頭火。著者自身だったらこう行動するのに、と余計な文を入れながら現代に照らし合わせた解釈もあって、愉快に読み進められる。町田節炸裂。こういうスタンスの伝記もいいものである。続きを読む

    投稿日:2024.02.29

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