【感想】ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

清水俊史 / ちくま新書
(14件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • smiyatake

    smiyatake

    仏典から神話的要素を排し歴史的ブッダの実像を確定しようとする試みが、近代的価値観をブッタに被せて新たな神話的ブッダを再生産しただけであるという指摘が主。
    個人的には「無記」を否定しているのが気になった続きを読む

    投稿日:2024.04.13

  • ありんこ

    ありんこ

    2024.4.9
    これまでのブッダ論に対する批判が大半を占めていて、著者自身の考えの部分が薄いと感じました。著者の批判が正しい部分もあるのでしょうが、中村元の『ブッダの教え』(スッタニパータ)を読んで、ブッダに惹かれたので、残念に思いました。続きを読む

    投稿日:2024.04.09

  • campion

    campion

    ブッダをよく理解していないにも関わらず、無意識に美化していることはある。それを否定する意見を表明しにくい空気もある。その空気は圧力に近い。

    投稿日:2024.03.18

  • mamo

    mamo

    ブッダが本当に得た知恵ってなんだったんだろう?というのは、なんだかとても惹かれる問いで、そのあたりを探求している本はわりと読んでしまう。

    その代表が中村元の本であるわけだが、それに真っ向から議論を挑む本。

    ブッダは本当は?と言っても、本人が書いた本があるわけではなくて、弟子たちがこんな話しを聞いたというのがベースとなる。そういう経典などで成立が古そうなものを対象に後代の加筆部分を外し、直接の弟子が付加しただろうものを推測し、超自然的な要素を排除していくことでブッダの実像に迫っていこうという方法論がこれまでの主流であった。

    これに対して、著者は、上記の方法論によるこれまでの研究は、成立のはやい韻文を重視することになるが、韻文は仏教以前にも同様のものがあり、韻文の性質上、恣意的な解釈を可能なものにすることから、散文を中心にすべきと主張する。そして、仏教以前の宗教や同時期の宗教との比較を通じて、歴史上のブッダに迫っていくという感じ。

    著者によるとどうしても我々は今日の常識をベースに、こうあってほしいという思いをブッダに投影する傾向にあるという。そうだろうなと思う。

    本書の前半は、平和主義、輪廻、階級差別、男女平等などに関して、現在の価値観をブッダに投影されたものを批判していく話しで、なかなかの説得力があって、そうだろうなと思った。

    後半では、いよいよ何が本当にブッダが独創的なだったのは何かという議論に進む。ここもなるほど感はあるが、なんとなくそこまで説得力はない気もする。人の議論を批判することはできても、自分で新しい議論を打ち立てるということの難しさを確認したかな?

    あと、方法論の違いはあるものの、結局、たどり着く結論部分は、そこまで衝撃的ではなくて、他の本でも、そういう話しは聞いたことあるかな?とか思った。

    後書きで、他の研究者との間での諍いが記載されており、あんとなくそういうのって仏教的ではないな〜と思った。これも私が持っているブッダへの期待みたいなものから生じているのかな?

    でも、上にも書いたように、結論的な部分がそこまで独創的な解釈とは思えないので、そこまで喧嘩しないでいいのに(これは著者だけでなく、批判者も含め)と思ってしまうわけだ。  
    続きを読む

    投稿日:2024.02.27

  • abrahum

    abrahum

    『ブッダという男』清水俊史
    ブッダは本当に平和主義者だったのか?
    初期仏典を読み解くと実際は暴力や戦争を完全否定はしておらず、女性差別者でもあった。
    当然時代も違うからブッダとはいえ現代の価値観にそぐわない考えもあったという視点が面白かった。
    とはいえ無知を打ち払い煩悩を絶てば輪廻は終局する、極端な楽と苦を離れ中道を歩むなど、現代人の理想とする新しい価値観をすでに見出していたことにやはり心打たれるものがありました。
    仏教については完全素人ですが、思いの外ブッダの言葉に引き込まれた。
    ブッダに興味を抱くきっかけになったと思います。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.11

  • 人生≒本×Snow Man

    人生≒本×Snow Man

    第2部で述べられたブッダを現代から善意で解釈してしまう誤りの指摘が痛快。
    第3部のブッダの先駆性は、これまでの解釈を正確にしたような印象。
    記述はやや専門的。文章量はやや少なめか。巻末の参考文献が詳細で豊富。続きを読む

    投稿日:2024.02.06

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