【感想】三の隣は五号室

長嶋有 / 中公文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
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5
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ブクログレビュー

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  • なんてひだ

    なんてひだ

    無理だ。仕組みは出だしで理解したけど、章が変わってもしっくりこんのよ。多数出るしバトン渡す感覚もいいと思うけど入って来ん。猛スピードと佐渡の3人は気に入ったけどその後が感想見ると今回も含めて思ったのと違うってこと続きを読む

    投稿日:2023.12.25

  • Funya

    Funya

     古いだけで一見なんの変哲もない2Kの木造アパート。だが住み始めると、その間取りが少し変わっていることに気づく。
     そんなおかしなアパートの一室、5号室を舞台に、そこに暮らした代々の住人たちを描く群像劇。
     第52回谷崎潤一郎賞受賞作品。
             ◇
     「変な間取りだ」
    1982年、第1藤岡荘5号室に入居したばかりの三輪密人はそう思った。

     内見することも間取り図を見ることもなく適当に決めた部屋である。6畳4畳半とキッチン3畳だが、ドアを入ったところに「玄関の間」とでも言うべきスペースもある。
     けれど、玄関の間の先にはキッチンに入るドアと4畳半に入る障子が並んでいる。それらの奥に6畳間が控えていてキッチンからも4畳半からも障子1枚で仕切られていた。

     煙草を吸いながらそんなことを考えているうちに、引っ越し業者が大量のダンボール箱を搬入していく。どんどん積み上げられる荷物で部屋のほとんどが埋まっていくのを、三輪はただ眺めていた。
       (第1話「変な間取り」) 全10話。

         * * * * *

     なんと風変わりな小説だろう。そう思いました。少し変わった間取りを持つ2Kのアパートの一室に入居した、歴代の住人の生活記録です。

     ただし、50 年間に渡る 13 代の住人の全記録を順に述べるのではなく、第8話まではテーマごとに各住人の言動や思考を列挙していくという手法で書かれています。
     そして第9話は住人たちの退去のいきさつが紹介され、最終話で後日談が明かされます。

     この観察日記とも言える記録集は、試みとしてはおもしろいしそれなりに楽しめたのだけれど、語られる人物が次々と入れ替わるため、プロフィールを思い出すのに苦労します。
     また、誰にも何にも主眼が置かれておらず、ひたすら淡々と書き綴られていっている印象で、読み通すためのモチベーションの維持も大変でした。

     でも第9話「メドレー」から最終話「簡単に懐かしい」での三輪密人に絡む話はサスペンスミステリーのにおいがして、少しばかりドキドキします。
     ここまで読んだ人へのご褒美のようなものかなと思って、ひとりでニンマリしました。

     エンタメ性はまったくありませんが、一風変わった小説が好きな人にはオススメです。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.29

  • えいたろう

    えいたろう

    自分の今住んでいる家も、帰り道も、仕事も
    誰かの過去で、誰かの未来なんだなと思うと
    今の見え方が少し変わりました

    投稿日:2023.06.27

  • ほたこ

    ほたこ

    とある古アパートの一室の、歴代住人たちの日常を切り取った短編集。

    って書くとめちゃくちゃありきたりなんだけど、同じ章の中でも時代が目まぐるしく前後して、歴代住人たちのエピソードが入り組みながら、パズルのピースのように少しずつ展開されていく。
    読み味は軽いのに、全体像は緻密に組み立てられているというアンバランスさ。
    実はめちゃくちゃテクニカルなことをしてるんじゃないだろうか。長嶋有恐るべし。

    大きな謎や事件が起こるわけではないので、そのあたりに話の推進力を求める人には退屈に感じるのも分かる。

    ふと他人の家の中が見えてしまった瞬間に、「こんな生活してんのかな〜」なんて、つい考えてしまう自分にはめちゃくちゃ面白く読めた。

    たぶん今後も読み返すお気に入りの一冊になりました。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.23

  • hazel8483

    hazel8483

    定点観測な連作集。
    こういうのって「ひとり1話」みたいな
    構成になっているものが多いと思うのですが
    これは少し変わっている。
    第一藤岡荘というアパートの一室に住んだ
    歴代の住人たちの人生を書き留めるの
    「場所」や「もの」で章わけされているのです。

    たとえば『雨と風邪』の章なら
    部屋に響く雨音を風邪ひきの布団で聴く十畑保
    乗り物の中にいるようだと感じる二瓶環太
    天ぷらを揚げる音のように思う七瀬奈々。

    『ザ・テレビジョン!』の章なら
    白黒テレビだった藤岡一平から
    父・野球、母・ワイドショー、子はアニメと
    昭和そのものな視聴風景の二瓶一家。

    1966年から2016年までの物語。
    その時代、時代の暮らしぶりが
    郷愁を誘う一冊でした。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.01

  • ziemet

    ziemet

    ある部屋の歴代の居住者たちのお話。それぞれが無関係なのに、同じことを思ったり、違うことを感じたり、知らぬ間に何かを引き継がされていたり、そんなことが時代背景の細かな描写とともに語られている。

    投稿日:2021.09.25

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