【感想】スピノザの診察室

夏川草介 / 水鈴社
(301件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
160
97
25
1
0

ブクログレビュー

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  • ゆうり

    ゆうり

    ラッキーなことに、古本屋で格安でGETすることができた1冊。考えさせられることが多すぎて、私の拙い言葉で感想を紡げる自信はない。

    この作品の主人公である雄町哲郎は、何とも不思議な人だ。卓越した技術を持っていながら、地域医療に従事している。甘いものに目がなくて、厭世的でありながらドンと大きな、人を安心させる力を持った人物だ。

    私はこの物語から、生と生活って切り離せないものだなぁと感じた。こう記して見ると、生きる活動で生活か。そりゃそうか。

    医局を離れた哲郎にも、両親を失った龍之介にも、死期が迫った患者にも、生活はある。文字通り死ぬまで続く。
    本題とはズレている気がするが、そんなことを思った。

    この物語の個人的にいいなと思った点は、登場人物たちが語りたくない部分は、語られていないところだ。秋鹿先生がなぜ内科医になったのか、その部分の詳細は語られていないし、哲郎の妹に関してもそうである。
    誰しも、心の奥底の核となる部分はあるだろう。その核が、全て明かされていない所が、いいなと思う。
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    投稿日:2024.05.07

  • かおり

    かおり

    このレビューはネタバレを含みます

    哲学的な部分もあり、難しさもあった。
    でも穏やかな雰囲気で、医師が患者の死と向き合う姿に感動した。
    医師は科学者と哲学者の部分があると言う所に納得した。
    こんなお医者さんに出会えたら良いなと思った。

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    投稿日:2024.05.06

  • ちびゴマ

    ちびゴマ

    読んでいるうちに何とも心が安らいでいく。スピノザの診察室、やはりいい本でした。神様のカルテ以来、夏川さんの作品のファンですが、この作品も、登場人物が個性的ではあるけれど、ひとの気持ちを慮ることが出来るオトナたちで、読んでいて気持ちがざらつくこともなく、安心できるところが私にはツボになっています。癒しの押し付けではなくて、自然体で肩の力が程よく抜けている作品で、幸せな読者時間を過ごすことができました。続きを読む

    投稿日:2024.05.06

  • ダヴィンチモーツァルト

    ダヴィンチモーツァルト

    正統派の医療小説。京都の美味しいもの、葛城さんのお店情報も含めて、これからも楽しみにしてもいいでしょうか。続編に期待です。

    投稿日:2024.05.06

  • yappinkun

    yappinkun

    2024年本屋大賞ノミネート作品。
    舞台は京都のとある病院。主人公の雄町哲郎は、消化器内科の医師。哲郎は将来を期待される有望な医師だったが、妹の死をきっかけに、甥の龍之介を引き取り、この小さな病院に移ってきた。
    テーマは、治ることのない病気をかかえた人に対し、医師ができる事は何か、という事。哲学者スピノザの言葉で、希望がない状況で努力なんて意味がないはずだからこそ、努力が必要だという。
    暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげる、医師ができることは、そんな事なんだと。
    この作品こそ、本屋大賞にふさわしいのではないかと思います。
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    投稿日:2024.05.05

  • m2o

    m2o

    登場するキャラクターが魅力的で引き込まれた。また京都の情景が読んでいて思い浮かぶことができた。終末期の医療としてテーマは重たいが、それを感じさせない穏やかな雰囲気が読んでいて心地よかった。著者の他の作品も読んでみたいと思う。続きを読む

    投稿日:2024.05.05

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