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池澤夏樹 / 河出新書 (5件のレビュー)
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kosamebitaki
古事記の上巻は、主に天皇の系譜について書かれたが、まだ天皇たちは神であって、人ではない。 中巻、下巻になると、天皇が歴史に登場するようになるが、内容は民話的、物語的になっていく。日本書紀は官吏が黙読で…読み、歴史を勉強するもの、中巻、下巻の古事記は誰か(この時代は庶民ではなく豪族の師弟、宮廷の舎人や采女たち)に読んで聞かせる物語のようで、のちの猿楽や狂言に通じるおおらかさがあるという。 池澤さんは小説家なので、専門的なことへの言及は避けておられるが、世界中の神話の成り立ちを持ち出したり、発想がとても自由。 エピソードにも、取り上げられている歌にも、とても惹かれる。 (まだうたは長歌の時代。長々と、詠唱する形式だった)続きを読む
投稿日:2024.03.27
こひろ
2014年に現代語訳を刊行した著者による古事記解説。 あまり細部には入り込まず(入るときは入る)、俯瞰的に全体像をつかみ易い。 章立ても「創世記」「神々」「地政学」「天皇列伝」「女たち」「詩歌と歌…謡」等(他に「入り口での戸惑い」「残った話題」)、適切でバランスの取れたもの。 著者による訳本でなくても、町田康の口訳を併せて読むとわかり易い。続きを読む
投稿日:2023.11.20
knkt09222
このレビューはネタバレを含みます
讃美でも、無味乾燥な研究でもなく、ほどよい熱量で、忌憚ない解説。 まずは、文学としての体裁が整っていないという前提をハッキリ。 その上で、物語伝承記録書と歴史の記述を同時に行っているから、その歪みも後々把握しづらい文章になっている、と。 現在の天皇制に対しては言及を控える、というくだりも、いいスタンス。 にしても日本書紀、万葉集と、数十年単位で文章の筋合いがかなり異なるとか、ますます興味惹かれる。 旧約聖書、ギリシャ神話、 西アフリカの伝説など、縦横無尽なのも、よい。 ちなみに107p「アジア大陸の上に架かった虹としての日本列島と南西諸島」、つい最近何かの本で読んだばかりのはずなのに、何だったか……意義深い地図。 民俗学や文化人類学と関連づけて深堀りしたい、が。 こうの史代「ぼおるぺん古事記」再読、池澤夏樹訳、「ワカタケル」、町田康「口約 古事記」とか、落ち着いて手を伸ばしたい、が。 なかなかね。
投稿日:2023.11.18
匿名希望
アマテラスやタカミムスヒなどの神話の神々による日本の誕生に始まり、オホクニムシの国造りと国譲り、ヤマトタケルの登場や脈々と続く天皇家の歴史 当時の日本を巡る歴史背景や島国であることの地理的背景などを…分析。 より合理的に、よりシステム的、性に厳しいな現代社会よりも古事記の中の性に大らかで、兄弟喧嘩もある世界観の方がより人間らしさを感じました。続きを読む
投稿日:2023.09.10
tramiche_fox
まともに読んでも続かないだろうと思い「古事記のガイドブック」とうたうこの本を読む。「撃ちてし止まん」「国のまほろば」など戦中、戦前のイメージワードの意味もわかる。
投稿日:2023.09.05
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